3月に入って少し寒くなり、桜の開花予想も改訂されたりしましたが、
3月末になって、いよいよ春の気配。
最近、映画的にも面白いものが続いてます。
4月1日は日曜日、映画は1000円です。
***今月の映画***
2/26~3/25に出会えた映画は17本。
<日本映画>
さくらん
蒼き狼
叫
バッテリー
松ヶ根乱射事件
秒速5センチメートル
キトキト
<外国映画>
ゴーストライダー
今宵フィッツジェラルド劇場で
パリ ジュテーム
孔雀ーある家族の風景
サンジャックへの道
ラストキング・オブ・スコットランド
デジャヴ
ナイトミュージアム
フランシスコの2人の息子
ブラックブック
Ⅰ 今月のベストスリー
①今宵フィッツジェラルド劇場で
こんなに楽しい映画は久しぶり、こんなに楽しいラジオ番組は聴いていたい。
司会者というかDJが自ら歌い、しかもお手製のCMまで歌ってしまう。
いったい、このギャリソン・キーラーは何者?調べてみると、
この映画の原題”A Prairie Home Companion”というラジオ番組を
実際に行っているらしいし、小説とかも出版している人らしい。
この映画の脚本まで書いてます。
いやー、この人の洒脱さがなんとも言えず心地よい。
メリル・ストリープ、ケヴィン・クライン、ジョン・C・ライリー・・・
出演者がみんな良い、芸達者。
もちろん、リリー・トムリンはいうに及ばず。
昨年亡くなってしまった、ロバート・アルトマンの遺作にして、
楽しさ一番の作品。
②叫
良くできた映画だ。観ている間殆ど眼を離せない。
いたるところに上手く引っ張られていく。
ドキドキしながら心地よい。
これくらい深いミステリーであれば、ハリウッドがリメイクしても不思議はない。
リメイクされている訳ではないが。
③パリ ジュテーム
18人の監督にパリの各区を舞台にパリでの出会い、パリとの出会いを語ってもらう。
1話が6~7分のミニストーリでできた、様々なパリの顔。
パリの多様性も見えて面白く楽しい。
好きなのは「14区」と「チュイルリー」、「カルチエ・ラタン」。
次もオススメ、
*さくらん:土屋アンナがかっこいい。ロックの使い方など「マリー・アントワネット」に似てるかも。
*サンジャックへの道:約1500キロ、88箇所とは肉体的に圧倒的に違う。
*ナイト・ミュージアム:アメリカ映画の楽しさ満載。
*ブラックブック:
Ⅱ 今月の懐かしい人
①マリアンヌ・フェイスフル
先月、マリア・テレジアを演じていたと思ったら、パリ ジュテームで登場。
でも顔は殆ど見えず、最後の配役を見て知ったが、顔を思い出せず。
②ディック・ヴァン・ダイク & ミッキー・ルーニー
ナイトミュージアムはアイディア満載のハリウッド映画、そこで老警備員として、
「チキチキ・バンバン」のディック・ヴァン・ダイクが軽やかな動き。随分久しぶり。
ミッキー・ルーニーまで出ていた。ただいま86歳、子役時代からの人だから、芸暦75年の長さにしては若い!
ディック・ヴァン・ダイクは81歳というのも驚き。若~い!!
***今月のトピックス : 映画のスーパー***
映画でスーパーといえば、スーパーインポーズ、字幕のことをさす。
世界の映画が楽しめるのもスーパー・字幕のおかげである。
最近、特にコメディやハリウッド大作を中心に吹き替えでの上映が増えている。
以前から、アニメーション作品では吹き替え版と字幕版が作られ、
特に子供をターゲットにしている作品では字幕版は最終回のみの
ように回数が少なく字幕版を見るのに苦労することが多かった。
それが徐々に実写映画に進出し、ハリウッド大作、コメディになると
吹き替え版上映の方が多くなったりしている。
多くなるということはそれだけ人気があるということなんでしょう。
字幕をきちんと読めない人が増えてきたという事情もあるようですけどね。
このあたりの事情についても、きっちりはっきり解説してくれている本が最近出た。
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」という光文社新書、
筆者は太田直子さん、字幕屋稼業20年の中堅だ。
今、字幕屋で有名なのは戸田奈津子さん、スター来日の折などメディアにもよく登場している。
ただ、戸田さん自身も言っているが字幕屋は本当は黒子、その存在が感じられないのが最高の状態という職業だ。
黒子の太田さんが思いのたけを書いたのがこの新書。おもしろい。オススメします。
日本語の状況についての記述がメインだが、もちろん映画業界から、観客から、日本の文化状況まで、映画関連のことについても多く書かれている。
”なにしろきょうび、「涙」と「感動」と「泣ける」は最上の宣伝文句。”のテーゼに沿って、字幕にまで口出しをするという宣伝部の方々。
日本人は元々悲劇です、喜劇ですと言ってもらうと安心する部分があり、さらに、なんでも説明してしまうTVの影響も大きく、最近そういう、まるでTVのような日本映画も多く見られる。
でも、作り手・送り手が観客の低いレベルに合わせてしまっては、文化は低い方にばかり流れるだろう。
観客も鍛えられない。もっとも最近の若い人は上昇志向(鍛えられて上手くなる)がないらしいが。
”早さと安さ、すなわち時間とカネの節約。
このふたつを最優先にする効率主義がちまたにあふれている。
質を保つために必要な時間(労力)とカネを惜しめば、
世界は低劣で薄っぺらなものになってゆくだろう。
けれどもヒトは順応性が高いので、いつの間にかそれに慣れてしまう。
怖いのはそこだ。”
どんなことにも当てはまる、怖い言葉である。
最近、小説の翻訳では村上春樹の改訳が話題だ。
その2冊目、「ロンググッドバイ」のオリジナル訳者は清水俊一、
字幕屋の第一人者として活躍していた人だ。
映画の字幕は字数制限が激しい。
短い言葉で的確に内容を表現する言い方を選ぶという習性が、
ハードボイルドに似合った言葉使いを清水にさせたとも言われる。
さて、字幕屋はあくまで黒子、字幕で見たとは意識させないほど素晴らしい字幕を読みに、
明日も映画を見に行こう。
神谷二三夫
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