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2008年新春特別号  

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今年も日の出が見られる海のほうへ走っていった。
穏やかな晴天、下のほうに少しばかりの雲はあるが、
後は汚れ一つないきれいな空だった。
雲の端が金赤色に縁取られ、待つことしばし、
黄金色の初日の出を見ることができた。
今年一年もこうであるようにと祈りたくなる、静かで穏やかな一日だった。

2005年の元旦、突然「元旦」と銘打ってお送りした見せよう会通信、
毎年恒例の初日の出ジョギングと映画のベストテンを勝手にお送りした
この1回目(見せよう会通信と名前が付いたのは8月)から始まって
見せよう会通信も4年目に入ります。
一つのことは最低三年と思いこんでいる私は、
一応一つの区切りかと思いましたが、
内容はなんら変わることなく、今年も今までと同じ様に、
見たものを自分の感じたままにお伝えしようと思っています。
よろしければお読みください。
(読みたくなく、送付も不要の方はいつでも遠慮なくお申し出ください。)

新年特別号は、恒例のベストテン発表号です。
昨年2007/1/1~12/31に見た映画はなんと245本です。
自分でも驚きました。

2007年、私のベストテンは次の通りです。

<日本映画>          <外国映画>
  1.天然コケッコー                 1.長江哀歌
  2.それでも僕はやってない           2.今宵フィッツジェラルド劇場で
  3.サッドヴァケイション              3.onceダブリンの街角で
  4.かぞくのひけつ                 4.ボルベール 帰郷
  5.キサラギ                     5.善き人のためのソナタ
  6.魂萌え                               6.ミリキタニの猫
  7.自虐の歌                             7.グッドシェパード
  8.腑抜けども悲しみの愛を見せろ               8.クィーン
  9.ALWAYS続三丁目の夕日                   9.パンズラビリンス
 10.幸福の食卓                           10.ヘアスプレー
次点 陸に上がった軍艦                        次点 ボラック


<日本映画>
こうして作品を並べて眺めていると、
今年の日本映画は家族を中心に小さな世界を描いたものが多いなと思う。
かつて松竹映画を中心に家族・家庭を描きながら、
普遍的なテーマにまで広がりを見せていた日本映画。
それらと同じ様に、低い目線から世界を描くという感じがあった。
若い監督たちが理念に走ることなく充分楽しめる映画を作りつつ、
上手くテーマを出してくれるようになっている。
上手い脚本でウエルメイドな仕上がりを見せた「キサラギ」や、
大阪十三という地域に密着して活力を生かしている「かぞくのひけつ」など、
今まで見られがちだった描写の不足という素人っぽさが殆どない。
しっかりした内容でこけおどしではない。

10作品のうち4作は漫画が原作である。
漫画の持つ力、現代性がここにも現れているが、
漫画で細かく描かれた内容がしっかり映画にも引き継がれている。
漫画作品の持つ雰囲気までも取り込もうとしている。
「天然コケッコー」には、女子中学生の持つ微妙な心の動きが、
年相応の元気さで描かれている。

圧倒的な作品がなかった年でもある。
力でねじ伏せてくるような、文句を言わせないような
作品が欲しかった気もする。
破綻してでもいいという元気さのある作品が少なかったような気もする。
漫画原作に起因するとは思わないが、
大きな器の新人に出会いたいと思う。



<外国映画>
バラエティに富んだ年だった。
映画が作られた国を見ても、
中国、アメリカ、アイルランド、スペイン、ドイツ、イギリスと分かれている。
公開本数の関係でアメリカ映画が多いとはいえ、
昨年のように10本中7本なんてことはなく、
各国の素晴らしい映画が見られた。

「長江哀歌」は現在の中国を描いて圧倒的な力を見せている。
起こりつつある事象を描きながら、そこで生きている人の息吹が聴こえてくる。
今これを描かなければという作者の姿勢も見えてくる。

2~5位は音楽が重要な要素になっている映画になった。
ロバート・アルトマンの遺作となった「今宵フィッツジェラルド劇場で」は、
アメリカショービジネス界の持つ底力を見せてくれる。
「onceダブリンの街角で」はアイルランドの生活に根付く音楽を教えてくれる。
音楽が物語から遊離することなく、
音楽から物語が発展し、感情が語られていくのである。

数年来、戦争や東西冷戦の時代を描いた作品を出しているドイツから、
「善き人のためのソナタ」が公開された。
自分たちの本当の姿を知りたいという欲求から、
リアルさにこだわって作品が作られている。

リアルさがどんな作品であれ重要な要素になってきている。
情報がいくらでも得られる今の世界で、
うそ臭い話、描写は初めから拒否されてしまうのかもしれない。

※2006年は興行収入で日本映画が外国映画を上回ったと話題になったが、
2007年は再度外国映画が勝ちを収めたらしい。

※2008年はどんな作品に出会えるでしょうか?
皆さんが1本でも素晴らしい作品に出会えますように!!


                                                                                                         神谷二三夫

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