|
旅行者は取消料を払いさえすればいつでも旅行契約を解除できるようになっています。旅行という商品においてはいろいろな理由で旅行者はやめる(取消す)ことがあります。よく、旅行業の難しさは変更・取消があるから、と旅行業で働いている人は言いますが、まさに一旦予約をして(旅行契約をして)、その後、解除する(取消をする)ということは旅行業の本質といっていいものかもしれません。 頻繁に起こっています。また、これが簡単にできないようであれば旅行者にとってもとてつもなく利用しにくいものになってしまいます。ですから、旅行契約はいつでも取消すことができることが大前提となり、そのことを規定しています。
この取消をする場合の「取消料料率」と「それがいつから適用されるのか」が約款の別表第1に記載されています。この内容を見てみましょう。
取消料は国内旅行と海外旅行でそれぞれの区分が異なっています。
<国内旅行>
@貸切船舶を利用する場合
Aその他(航空機・鉄道・バス等)の場合
<海外旅行>
@日本出国時又は帰国時に航空機を利用する場合
A貸切航空機(いわゆるチャーター便)を利用する場合
B日本出国時及び帰国時に船舶を利用する場合
自分の取消料金はどれに該当するかによって取消料金が変わってきますので注意が必要です。通常はどれに該当するかは簡単に判断できますが、時折わかりにくいケースがでてきます。
例えば、“行きに船に乗ってグアムへ向かい、帰りは飛行機で帰って来る”場合にはどうなるのでしょうか?
答えは<海外旅行>の@になります。
船を使っていてもBは往復ともが船の場合になりますので@が正解となります。
(Bの「及び」と言う点が往復を意味します)
また、取消料金の適用時期は国内旅行と海外旅行では異なっております。これも注意しましょう。
<国内旅行>
@一般的には旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日目に当たる日 以降の解除から取消料が適用になります。(貸切船舶利用を除く)
A日帰りの場合には、旅行開始日の前日から起算して10日目に当たる日以降の解除から取消料が適用になります。
<海外旅行>
@通常期とピーク時という区分があります。ピーク時とは12/20〜1/7、4/27〜5/6、7/20〜8/31までを言います。この区分は大半の旅行会社がこの標準旅行業約款を利用していますから、どの会社でも同じとなります。最近は旅行する人のピーク時期というのが微妙にずれてきています。3連休が増えてきたり、あるいはこのピーク時期となっているその前後が実は旅行代金が安くて集中していたりします。旅行会社としては変更をしたいという気持ちがあったとしても、この時期を変えるのは簡単ではありません。
Aチャーター便を利用する場合には旅行会社のリスクが高くなりますので、かなり早い時期から取消料がかかってきますので注意をしましょう。チャーター利用というパンフレットを見た場合には取消料もいつものパッケージツアーのとは異なっている、と思っていたほうがいいでしょう。
さて、いろいろな事情により取消料を支払わなくても取消(契約解除)ができるということも規定されています。具体的に5項目規定されていますので、次にこれを見ていきましょう。
@旅行会社によって契約内容が変更されたとき。
これは変更補償金と言われている「別表二」に記載されているような支払い 対象となるような変更があった場合になります。具体的には次のようなことがらです。
a.旅行開始日、旅行終了日の変更
b.観光地、観光施設、その他の旅行目的地の変更
c.運送機関の等級変更
d.運送機関の種類、会社名の変更
e.旅行出発地、旅行終了地の空港の変更
f.直行便だったものが乗継便、経由便への変更
g.宿泊機関の種類、名称の変更
h.客室の種類、設備、景観、その他の客室の条件変更
i.ツアータイトル中に記載があった事項の変更
A旅行代金が高くなったとき。
利用する運輸機関の運賃・料金が大幅に値上がりして、旅行代金が増額されることがあります。このときは所定の期日(15日前)までにその連絡が来た場合にでも、このことを理由にした取消は取消料の支払いが不要です。
B天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、官公署の命令その他の事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき。旅行先が津波に襲われて旅行ができなくなった場合、航空会社がストライキをして飛行機が飛ばなくなったとき、など旅行実施が事実上できなくなった場合には取消料金は不要となります。
C旅行会社が期日までに確定書面をださなかったとき。
大半の旅行会社では確定書面(最終日程表)は前日までに出しますと条件書に記載していますので、あまり該当することはないのですが、こんな場合にも取消料金は不要となります。
D旅行会社の責任でもともとの日程通りにツアーができなかったとき。
よくあるのが(あってはいけないのですが)手配ミスといものです。手配漏れをしていたとか、手配をしていたが最後まで取れなかったなどの場合です。この場合には取消料を払わないのは当然ですが、旅行者は債務不履行により、損害賠償をすることもできます。
さて、これまでは旅行開始前(出発する前)の話でしたが、約款では出発した後の解除権を認めています。例えば、ツアーを行っている途中で、日程的には予定されていたある観光地が、悪天候などの理由で道路封鎖となり、やむを得ず別の観光地に変更されることがあります。この場合、旅行者は変更先への旅行を拒否することができます。旅行者は予定されていた観光地に行く経費を払い戻してもらうことができます。もちろん、ツアーから離れた場合の費用は逆に自分で負担することになりますが。
また、旅行会社の責任にならないようなことが起こることがあります。例えば、予定していた美術館が突然何かの理由で閉鎖した、あるいは該当日に入場できなくなったというような場合です。この場合には旅行会社には責任がありませんので、入場料金にあたる部分のみの払い戻しのみとなります。
|
(旅行者の解除権)
第十六条 旅行者は、いつでも別表第一に定める取消料を当社に支払って募集型企画旅行契約を解除することができます。通信契約を解除する場合にあっては、当社は、提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして取消料の支払いを受けます。
2 旅行者は、次に掲げる場合において、前項の規定にかかわらず、旅行開始前に取消料を支払うことなく募集型企画旅行契約を解除することができます。
一 当社によって契約内容が変更されたとき。ただし、その変更が別表第二上欄に掲げるものその他の重要なものであるときに限ります。
二 第十四条第一項の規定に基づいて旅行代金が増額されたとき。
三 天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、官公署の命令その他の事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき。
四 当社が旅行者に対し、第十条第一項の期日までに、確定書面を交付しなかったとき。
五 当社の責に帰すべき事由により、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の実施が不可能となったとき。
3 旅行者は、旅行開始後において、当該旅行者の責に帰すべき事由によらず契約書面に記載した旅行サービスを受領することができなくなったとき又は当社がその旨を告げたときは、第一項の規定にかかわらず、取消料を支払うことなく、旅行サービスの当該受領することができなくなった部分の契約を解除することができます。
4 前項の場合において、当社は、旅行代金のうち旅行サービスの当該受領することができなくなった部分に係る金額を旅行者に払い戻します。ただし、前項の場合が当社の責に帰すべき事由によらない場合においては、当該金額から、当該旅行サービスに対して取消料、違約料その他の既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを旅行者に払い戻します。
|
|