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言い難き嘆きもて
講談社文庫
解説:なし   (著者による「文庫本のために」がある 
定価:571円(税別)
頁数:327頁(文庫版)
ISBN4-06-274956-4 
カバーデザイン菊池信義 2004年12月15日発行
1996年から2000年にかけてのエッセイ集
 
 著者の”とにかく語っておきたい”という気持ちがひしひしと伝わってきます。

<収録>
  1 プリンストン通信
  2 人生の細部
  3 沖縄の「魂」から
  4 言い難き嘆きもて
  5 自作をめぐって

 「これをいま書いておかなければ、そのような経験や思考があったことすらすぐにも忘れてしまう、つまりこのいまは、生きなかったとおなじになるだおう、という思いがあるのです。ここに編集した五年間のエッセイには、そのようなかたちで事故の再認識が表れているはずです。それもエッセイごと『小さな物語』を作るスタイルができあがっているように思います」
 ー 大江健三郎

 *大江さんご本人も気に入っておられますが、わたし自身もこの本の装丁がとてもすばらしと思いました。
  ぜひ、一度手にとってみていただきたいと思います。

大江作品は実にうまい題名の付け方をしているものがあります。「万延元年のフットボール」はその最右翼といってもいいでしょう。エッセイ集であるこの本の署名も実に印象的です。元は新約聖書「ローマ人への手紙」第8章26節からとられています。

斯《かく》のごとく御靈《みたま》も我《われ》らの弱《よわき》を助けたまふ。我《われ》らに如何に祈るべきかを知らざれども、御靈《みたま》みづから言ひ難き歎《なげき》をもて執成《とりな》し給ふ。
(御霊もまた同じようjに、弱いわたしたちを助けて下さる。なぜなら、わたしたちはどう祈ったらよいのかわからないが、御霊みずから、言葉にあらわせない切なるうめきをもって、わたしたちのためにとりなしてくださるのからである)

この言葉を実にたくみに題名に採用いているところが大江健三郎のセンスのよさなのでしょう。
<冒頭>
『言い難き嘆きもて』のための前口上

 この五年間が私の生にとって特別な日々であったことの、内面生活でもっとも痛切な指標
は、それが作曲家武満徹の死によってはじまったことです。

<出版社のコピー>
「これを書いておかなければそのような経験や思考があったことすら忘れてしまう。つまりはこのいまは、生きなかったと同じことになる」。切実な思いからやさしく語られる数々の「小さな物語」。大岡昇平、武満徹らへの敬愛、言葉への真摯な考察と自作への思い。今を生きる心の姿勢と希求(ねがい)を綴る至高のエッセイ集。
<おすすめ度>
 ☆☆☆☆★
<新刊本表紙>  2001年11月30日発行
生の特別な日々がむすぶ
    エッセイごとの
    「小さな物語」

    この世界を生きるための
    こころの姿勢と希求(ねがい)
    

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