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■大江健三郎略年譜

    
見る前に跳べ
新潮社文庫  
定価:552円(税別)
頁数:71頁(文庫版)
ISBN4-10-112608-9
カバー画:山下菊二 初出:1958年 雑誌文学界6月号掲載
文庫本の表題作 Look if you like, but you will have to leap.  

 36歳の太った娼婦良重。その女を週に2回買っている外国人特派員ガブリエル。そして娼婦のひもになっている21歳の大学生。さらにはその大学生からフランス語を習っている音大を受験しようとしている女学生田川祐子。
この4人が繰り広げる物語。まだ、日本が連合国に占領されていた頃の話である。主人公の大学生は大江作品らしくどこかねじ曲がっていて、暴力性もある。

<冒頭>
 冷たく湿っている石壁のあいだをぬけると、研究室の建物に囲まれた中庭に夜明けのような薄明かりがみなぎっている。冬のあいだそれはずっとかわらない。そして春が来ると、中庭はたちまち祭りのように花々と光にあるれ、高い木立の芽がひろがり硬い葉のむらがりになって空をますます狭く限るときまで、眼もくらむほど輝きつづけるのだ。
<出版社のコピー>
”政治と性”の主題を初めて取り上げ、屈服感と自己欺瞞の意識にさいなまれた同時代の青年の内面を文学に定着させた。
<おすすめ度>
  ☆☆☆☆

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