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■大江健三郎略年譜

  
「最後の小説」
講談社文藝文庫 
定価:1223円(税別)
頁数:452頁(文庫)
ISBN4-06--196301-5
1994年12月10日発刊
         
  <収録作品>
 T「最後の小説」ということをいいだしたその前後の思いについて
   1 「最後の小説」
 U国外で日本人作家たること
   2 中年の「脆弱性(ヴァルネラビリティー)」をひぎずって
   3 旅行器としての樹木
   4 カーヴ湖居留地の「甘い草(スイート・グラス)」
 V僕自身のなかの死
   5 確信されたエロス ー 野上彌生子
   6 明日に展くユマニスト ー 林 達夫
   7 「体感」と「崩れ」 ー 島尾敏雄
   8 運動のカテゴリー − 小林秀雄
   9 「光」 − 尾崎一雄
 W『明暗』。渡辺一夫
  10 『明暗』の構造
  11 渡辺一夫の今日性(アクチュアリテ)
 X日本の戦後を生きてきた者より
  12 戦後文学から今日の窮境まで
  13 戦後文学から新しい文化の理論を通過して
  14 ポスト戦後世代と正義
 Y演劇的想像力の方へ
  15 革命女性(レヴォリショナリ・ウーマン)  − 戯曲・シナリオ草稿

     
<冒頭>
   
 僕は五十歳を越えたが − それは僕にとって父の死の年を越えたということである − その境
い目にいたる、またそれからの、この五年ほどの間に、自分のうちにおいて大きく、やりなおし
不能の変化が行なわれた・行なわれてしまったと感じている。
 

<出版社のコピー>
 人は死に向って年をとる、というしみじみした自己認識をもつに至った小説家が、いま自分はこのように生きている、という真撃な現場報告を提示して、1冊の濃密な本とした。「国外で日本人作家たること」「僕自身のなかの死」等、全5章の評論に、戯曲・シナリオ草稿「革命女性」200枚。長篇3部作「燃えあがる緑の木」を構想しつつある作家の“現在”の心の内奥と作家的パフォーマンスの全体像。
<おすすめ度>
☆☆☆☆
装幀:司 修
                 1988年5月20日発刊
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