2006年 7月号back


 ただいま「HOSONO THEATER」開催中です。

 既にお越しいただいた方も、これからお越しいただく方も感謝です、ありがとうございます。

 

 さて、エイケン、普通は英(語)検(定)でしょうが、今年から映検が加わりました。もちろん、映画検定です。
 検定試験好きな日本人、最近有名なのは京都検定、漢字検定、地理検定などですが、調べていたら、オタク検定とか、顔文字検定なんてのもありました。
常識力検定はなんと10回目、知ってました?常識?

 

 検定業界に殴り込み(?)をかけたのがキネマ旬報、あまりにも有名な英検の読みにチャレンジ、エイケンを映検に変えるべく今年第一回を開催しました。本日6/25がその試験日だったのです。実は私、その第一回目の受験生をしてまいりました。

 

 映検の名前を初めて眼にしたのは本屋さんの店頭で。「映画検定 公式テキストブック」何であれ名前を付けることの重要さが分かりますよね。まだ実体がない(少なくとも私には)のに、”公式”としてしまう。(その後”非公式”とか”私的”は出ていない。)それが3月29日のことでした。

 

 1ヵ月後、4/30には「映画検定 公式問題集」を発見。受験勉強に慣れた世代にはなんて親切な出し方だ、テキストブックの後の問題集と来てる。心をくすぐりますよね。

 

 素直にすぐ申し込めばいいのに、いや、そんな手に乗るかとか、ファン度合いは得点じゃねえとか、いやいや、HOSONO THEATERの当日じゃないかとか・・・ぐずぐずしていて、申し込んだのは5/21、インターネットで。その後、暫くは忘却の彼方、6/20に「あれ?今週だったよなぁ」。受験の場所も、受験票も何も連絡がない。

 

 あせって、WEBサイトを見直してみる。受験票発送予定日2006年6月12日(月)発送予定<ダブってるぞ>の後に、「未着に関するお問い合わせは6月15日(木)から6月16日(金)17:00まで※上記未着問い合わせ期間にお問い合わせがなく受験ができなかった場合、事務局では一切の責任を負いません」とあるではないか。
 2日間しかない”未着問い合わせ期間”というのも凄い。
 これを見た6/22の夜は心配で眠れなかった。4000円の受験料はもうクレジット払いされてしまったし。

 

 6/23に電話してみる。なんと受験2日前だ。
”10日ほど海外出張していて”とか、いい訳をたっぷり考えて。
”あの~、今回受験する・・・受験票が・・・”にかぶさるように、
”申し訳ありません・・・番号差し上げます。”ときた。
う~む、許してあげる・・・えへっ!

 

 試験会場は大東文化大学板橋校舎ときた。都営三田線日比谷から西台まで30分以上の車内、乗り合わせた号車にテキストブックや問題集を開いている人が3人ほど、西台駅から大東文化大学の歩いて約10分ほどの道は、多分いつもは閑散としたはずの風景の中に約30人程の黙々と歩く集団が続く。

 

 校舎に着いてみて驚いた。かなりの人が構内のあちこちでテキストブックを広げ勉強にいそしんでいる。試験会場に使われている教室も半端な数ではない。一人の係員に聞いてみたところ、東京は早くに大崎会場が埋まってしまい、2会場となったこと、2、3、4級あわせて東京の2会場だけで1万人以上が受験していることを教えてくれた。全国では9会場で実施したとか。キネ旬、大儲けか。

 

 年齢は若い人が中心でした。団塊以上のかつての映画ファンの老後の楽しみかぐらいに思っていた私には意外でした。私の教室3-111の定員は60名、10名ほどが欠席で受験は50名、その内私より年上と思えたのは2人か。多分230代が最も多いという年齢構成。映画ファンなのでしょうか?検定ファンなのでしょうか?

 

 さて、結果は7/24発送予定ですから、来月号にはちょっと間に合いません。
これにも、「7月28日までに通知が届かない場合は、必ず8月2日17:00までに検定事務局までお問い合わせください。」とある。
 今度は問い合わせしないでおこう。

 

 


 

今月のベスト3

さて、5/26~6/25に見た映画は次の15本です。

戦場のアリア 
間宮兄弟 
ジャケット 
ポセイドン
ココシリ 
ダヴィンチ・コード 
嫌われ松子の一生 
花よりもなほ 
オーメン 
プルートで朝食を 
インサイドマン
やわらかい生活
13歳の夏に僕は生まれた
初恋
トリック劇場版2

 

 

① 花よりもなほ
 仇討ち好きの日本人、もちろん究極は忠臣蔵。こんな風に忠臣蔵が語られて驚きました。ゆっくり、じっくり、のんびり平和に生きている長屋の人々。是枝監督の目はしっかりしている。


② 嫌われ松子の一生
 ここまで作られている画面、まるでCMのようで、中身のない見せるだけの映画かと思われがちだが、いや~、細かく映画的に画面作りがされていて感心。
それぞれの時代の歌がこれほどに力をもって使われて、中谷美紀の力演共々感心です。


③ やわらかい生活
 ”粋”なところのない下町、蒲田に越してきた主人公、7年前に亡くした両親の保険金で生活する35歳の独身女性。いろんな人間が傷ついている都会の片隅、ホームページで情報を求めつつ、発しつつ生きる。実にしなやかに今の女性を描く。


 今月は日本映画ばかりになりました。いずれも力のこもった作品です。外国映画では、インサイドマンがお勧めです。極力カッコつけないかっこよさがよい。スパイク・リーの快作、スーパージョイント。

 

 では、HOSONO THEATERでお待ちしています。





                         - 神谷二三夫 -


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