2007年 3月号back

東京では完全には寒くならないまま春になろうとしています。
もう一つピシッとしません。
いい映画でも見て背筋を伸ばそう!!


 

今月の映画

 1/26~2/25の間に見た映画は21本。21年ぶりに興業収入で洋画を上回ったと話題の日本映画ではありますが今回は大きく水をあけられてしまいました。

<日本映画>

どろろ 
幸福の食卓 
魂萌え
バブルへGOタイムマシンはドラム式
幽閉者

 

<外国映画>

不都合な真実
グアンタナモ僕たちの見た真実 
カンバセーション
墨攻 
幸せのちから 
Gガール破壊的な彼女 
世界最速のインディアン
守護神 
華麗なる恋の舞台で 
善き人のためのソナタ 
ルワンダの涙 
モーツァルトとクジラ 
ドリームガールズ
チョムスキーとメディア 
あなたになら言える秘密のこと 
ボビー

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

 

善き人のためのソナタ
 壁が崩壊し、東ドイツが消滅する5年前から話は始まる。ホーネッカー体制の下、監視体制が社会の隅々にまで行き渡っていた東ドイツ。一人の監視員が人間に戻っていくまでを描く。2次大戦(ヒットラー最期の日々、白バラの祈り)を中心に、総てを開示していこうという最近のドイツ映画の成果の一つ。

 

魂萌え
 「顔」(藤山直美主演)があったとはいえ、なんだか男性映画監督的印象の坂本順治が物凄くまともな女性映画を撮った。普通の主婦が一人の女として独立していく姿を凛々しく描く。風吹ジュンも若すぎるのではと心配したが、しっかり演じている。59歳の女性の映写技師ですよ。勇気づけられます。

 

世界最速のインディアン
 実在のニュージーランド人、バート・マンローは60歳過ぎにして世界最速を目指す。奇妙な男の奇妙な生活ぶりが愉快。団塊世代以上の人に勇気を与えてヒットしてます。

 

 次もいいよ~。

 

幸福の食卓:”家族は作るのは大変だけどめったになくならないから”、若い恋愛映画!

 

守護神:ハリウッド娯楽映画の本流なれど、男の生き方もくっきり。最近のケヴィン・コスナーはいい!


ドリームガールズ:60年代の黒人音楽がよ~く分かる。ジェニファー・ハドソンの歌唱力も凄い!

 

 

 

 

Ⅱ 今月の懐かしい人

 

①「華麗なる恋の舞台で」の主人公の叔母さん、ジャージー島(映画ではじめて見た気がします。ほとんど港だけですが)に住んでいるキャリーを演じていたのはリタ・トゥシンハム。出番は1分に満たないかも・・・。もちろん、あの「蜜の味」「ナック」「ドクトルジゴバ」の奇妙な顔の女優。

 

②「ドリームガールズ」でプールサイドの映画プロデューサーはジョン・リスゴー。「ガープの世界」の性転換女性役以来、幾多の作品に出ていた人が久しぶりにチョコッとでてきたので、なんだか懐かしい。

 

③「あなたになら言える秘密のこと」のカウンセラーはジュリー・クリスティ。最近「トロイ」、「ハリーポッターとアズカバンの囚人」と60代にして復活気味、今回は現代女性の役です。

 




今月のトピックス:アカデミー賞


<アメリカの・・・>
 今年のアカデミー賞は現地アメリカ時間で2/25、日本時間では明日2/26となりました。

日本にとっての話題は、


①菊池凛子(バベル)が助演女優賞を取ることができるのか
②純然たる日本語映画の「硫黄島からの手紙」は作品賞を取れるのか

 

でしょうか。昨年にも増して地味目の作品群が並んだ印象ですが、恒例(といっても2年目ですが)により私の予想をお伝えしましょう。

 

 

<作品賞>
 日本で公開済みが3作品(「ディパーテッド」、「硫黄島からの手紙」、「リトル・ミス・サンシャイン」)とGW頃に公開の2作品(「バベル」、「クィーン」)が候補作。
 見た限りでいえば、「硫黄島からの手紙」が当確ですかね。
 但し、私の予想は◎「バベル」です。昨年の「クラッシュ」と同じような路線で選びました。

 

<主演男優賞>
 日本で見られたのはウィル・スミス(「幸せのちから」)のみ、ディカプリオ、ピーター・オトゥール、フォレスト・ウィテカー、ライアン・ゴズリング(この人知りません)のなかでは、◎フォレスト・ウィテカー(ラスト・キング・オブ・スコットランド、3月公開)でしょう。ピーター・オトゥールが好きではありますが。

 

<主演女優賞>
 既に公開済みの「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープにあげたい気もしますが、はっきり言って「クィーン」の◎ヘレン・ミレンでしょう。彼女を含めジュディ・デンチ、ケイト・ウィンスレットとイギリス女優が3人も候補になっていますが、今回の「クィーン」でエリザベス2世を、TVドラマではエリザベス1世を演じてどちらでもゴールデン・グローブ賞を取ったヘレン・ミレンの圧勝でしょう。

 

<監督賞>
マーティン・スコセッジ(「ディパーテッド」)が6か7回目のノミネートで取れるのかが話題ですが、順当に行けばクリント・イーストウッド。私の予想は◎スティーヴン・フリアーズ(「クィーン」)、「ヘンダーソン夫人の贈り物」でも好調でした。

 

<助演賞>
男優:◎アラン・アーキン(リトル・ミス・サンシャイン)
女優:◎ジェニファー・ハドソン(ドリームガールズ)

ということで、明日の結果を確認してから、グリーンジャンボを買うか否かを決めたいと思います。

 

<日本の・・・>
アメリカに先立ち、2/16には日本アカデミー賞が30回目を迎えました。初めて、TVで見ました。感想です。

 

1.昨年の「ALWAYS三丁目の夕日」独占を反省してか、受賞作品はバラけた。(当たり前か。昨年が異常!)

 

2.「ゆれる」が何も受賞できなかったのは?

 

3.インタビューアーがノミネートされた人に”受賞おめでとうございます”というのは耳障り。ノミネートが受賞というのはいかにも変!


4.TVの初めに新人賞8名が受賞したが2006年の新人ではない人がかなり入っているのは変!助演女優賞も受賞し、デビューからは数年経っている蒼井優までが受賞とは?


5.普通のTVの特番みたいな乗り。お笑い芸人(南海キャンディーズの男の方)をインタビューアーに使ってお笑い番組の一種なのか?


6.何しろ映画界が主導権を握っているという印象が希薄。TV局が普通の番組を作っているよう。


7.長澤まさみは何故あれほどぐずぐずして、はきはきしなくなったのか?もともとか?


いずれにしろ、番組(!)を見ていてドキドキ・ワクワクするところが殆どなかった。

 

***最後の一言***

 

2月の上旬に海外出張した人の話では、機内映画で「東京タワー」を見たとか。もちろん黒木瞳の方ではなく、オカンのオダギリ・樹木コンビの方。国内では4月の封切り・・・。
流石に早い飛行機か!!



                         - 神谷二三夫 -


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