2008年 10月号back

やっと秋を感じるようになったこのごろ、
いよいよ食欲の、違った、スポーツの、いやいや違った、
芸術の、いよいよ、映画の秋が始まります。


 

今月の映画

 8/26~9/25の間に巡り合えた映画は21本、総理辞職にも関わらず、平常通りに見続けました。映画では日本は頑張っているのですが…。

<日本映画>

落語娘
デトロイトメタルシティ 
TOKYO
20世紀少年 
パコと魔法の絵本 
おくりびと 
グーグーだって猫である
アキレスと亀
次郎長三国志 
東南角部屋二階の女

 

<外国映画>

ベガスの恋に勝つルール 
ハンコック 
12人の怒れる男
コッポラの胡蝶の夢 
シティ・オブ・メン 
幸せの1ページ
落下の王国 
わが教え子ヒトラー 
イントゥ・ザ・ワイルド
ウォンテッド 
ベティの小さな秘密

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

 

①パコと魔法の絵本
 魔法の玉手箱をひっくりかえしたような楽しさ、分かりやすいお話ではあるけれど、徹底的に遊ぶ覚悟が心地よい。ボタンが押されると出てくる阿部サダヲが気に入りました、節操無くて。

 

②わが教え子ヒトラー
 1945.1.1の演説にまつわる、実話かと勘違いしそうなオリジナル話。収容されていたユダヤ人の教授・俳優がヒトラーの演説の先生というか、コーチになって演説台の下に隠れて代役までするというお話。ゲッペルスのヒトラーを殺害し、その罪をユダヤ教授になすりつけることにより、国民の心を一つにするなんて陰謀まで出てくる。

 

③おくりびと
 知りませんでした、納棺師という職業は。死を扱う職業ということで社会の偏見がドラマの芯にあります。結構ありがちなドラマ作りですが、案外あっさりして、あくどく泣かせるわけではありません。
美しいと感じる人もいるようですが、様式美が過剰かなと感じもしました。

 

 

次点:イントゥ・ザ・ワイルド
物質を捨て自然の中で生きる、若者の潔癖さのドラマのようですが、実話に基づいたこのお話を見ていると、主人公は自然の中で暮らすというより、両親から逃げるということが目的だった。どうもこのあたりには違和感が残ります。

 

 

 次の作品もお勧めです。

 

デトロイト・メタル・シティ:今月の日本映画の中に3本のマンガ原作ものがありました。その中では最も漫画っぽく映画化していて面白かった。
他の2本は、20世紀少年(最後の巨大ロボットの映像が悪い意味でマンガ)、グーグーだって猫である(犬童監督はしゃぎ過ぎ?細野晴臣音楽です)

 

シティ・オブ・メン:ブラジル貧民街のチンピラ抗争劇。

 

ウォンテッド:弾丸を弾丸で迎え撃つという荒唐無稽を作ったのはロシア人監督です。

 

ベティの小さな秘密:10歳の少女の心の動きを繊細に、子供なのに大人っぽい。

 

 

 

Ⅱ 今月の懐かしい人

 

テレンス・スタンプ
 ウォンテッドの暗殺組織フラタニティのヨーロッパ部分で主人公の標的となる敵クロスを助けるペクワースキーを演じていたのはテレンス・スタンプ。
コレクターで女性を集めていた彼は1時期ヨーロッパの曲者役者のトップを走っていた。その後スーパーマンに出たり、スターウォーズ・ファントムメナスにも出ていましたが、ウォンテッドは久しぶり。

 

 

 

 

Ⅲ 今月のリメイク

 

 日本映画、外国映画に1本ずつリメイク作品がありました。「次郎長三国志」と「12人の怒れる男」次郎長三国志は、俳優の津川雅彦が監督マキノ雅彦としておじさんマキノ雅弘監督の作品をリメイク。雅弘監督はシリーズ映画として東宝で9本、東映で4本を監督していました。残念ながら私は見ていません。雅彦監督の新作は役者の芝居を大事にしているのは分かるけど、ちょっと古い感じかな。

 12人の怒れる男は1957年にアメリカで作られたシドニー・ルメット作品があり、50年ぶりにロシアのニキータ・ミハルコフ監督がリメイク。
 ヘンリー・フォンダ等が出ていたアメリカ版は証拠の疑わしい点を論理的に解き明かし、陪審員制度の良さを感じさせる作りだった。
今回のロシア版はチェチェン問題も含めて今の感じを出しているが、陪審員内の判定が逆転していくさまがかなり感情的。見ている分には面白いけど、アメリカ版と比べると論理性がなくドラマ性が強い。
こういう陪審員制度はちょっと心配かも。


 



今月のトピックス:シネコンの最近 

 

Ⅰ.TOHOシネマズの10周年

 

 TOHOシネマズは東宝映画の興行部門を運営する別会社で、今やシネコン業界No.1のスクリーン数を持つ興行会社。
設立10周年を記念して2007.9月から2008.8月の毎月14日を1000円で映画が見られるようにしてきました。
 14はとう(10)フォウ(4…ほう)で、とうほうで、つまり東宝ですから。
映画館で、10歳(?)の少年が英語で、”大型客船が沈んで(タイタニック)…”と10年間で見られたヒット作を羅列して、毎月14日は1000円ですと宣伝してました。

 このサービスを逃す手はないと思いつつ、1000円で見ることができたのは1回だけでした。11回も損をしたのか…。

 

 9月14日は3連休の真ん中の日、「イントゥ・ザ・ワイルド」を見ようと、とある前売り券売り場に行くと、今日は東宝系は1000円ですよと親切な案内。
ラッキー!と一旦納得して去りかけた後、いや待てよキャンペーンは8月で終ったはず、戻って確かめると今朝劇場に確認しましたとの返事。

劇場のチケット売り場で、外にいた劇場の係員に”1000円ですか?"と確認すると、”はい”との返事。"先月で終わったのでは?いつまでですか?""分かりません"いずれにしても9/14も1000円で見ることができました。

 TOHOシネマズのホームページでチェックしてみると、1000円の日は2009年8月14日までと1年延長されていました。さすがに、最近景気のいい東宝さんですね、太っ腹です。これで、もう少し利用してあげようじゃないの…と考えていたら、あれ、2009年1月14日以降は私は永久1000円ということで、またまた8回も損をするのか…?

 

 ということで、毎月1日の映画の日、毎週水曜日のレディースディに加え、
毎月14日の東宝系劇場の1000円も利用しまくりましょう。

 

 

 

 

Ⅱ.ユナイテッドシネマ豊洲の2周年

 

 神谷個人のことになりますが、今や多くの作品を見るのに利用しているのがユナイテッドシネマ豊洲。たとえば今月の21本のうち、10本をこの映画館で見ました。ららぽーと豊洲の中にあるシネコンで、12スクリーンを持っています。ユナイテッドシネマ豊洲は10月で2周年、2周年を記念して10月5日(日)は1000円になります。もしユナイテッドシネマの会員になっていれば10/2~4の3日間も1000円です。
 10/1は映画の日で1000円ですから、10/1~5まで1000円で見ることもできます。もし、10/5(日)にららぽーと豊洲にお越しになることがあれば、ぜひ映画を見てください。私もどこかのスクリーンで見ているはずです。

 

 

では、また来月。


                         - 神谷二三夫 -


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