2018年 1月号back

寒さが身に沁みるこの頃、季節なのか、年齢なのか?
今年はすっきり冬が来た。
早い覚悟をさせてくれてありがたい。
物事、覚悟があればどんな事も受け入れられる。
その訓練場所、そう、それは映画館!

 

 

 

 

 

今月の映画

 

11/25~12/25の師走に突っ込み月間の30日間に出会えた作品は44本、
日本映画では大映の旧作の頑張りがありある程度の本数になりましたが、
お正月作品らしいにぎやかさは今一つ。
外国映画では大作、シリーズ作、問題作、話題作と幅広い作品が揃いました。

 


 



<日本映画>

最低。 
火花 
探偵はBARにいる3 
光 
DESTINY鎌倉ものがたり 
鋼の錬金術師 
8年越しの花嫁 奇跡の実話 
ビジランテ 
勝手にふるえてろ
無法松の一生(1965年版)(古) 
歌麿を巡る五人の女(古) 
千羽鶴(古) 
鴈(古) 
満員電車(古) 
西陣の姉妹(古) 
日本橋(古) 
BU・SU(古) 
大阪物語(古) 

つぐみ(古)

 

 

<外国映画>

密偵
  (The Age of Shadows) 
まともな男
  (Nichts Passiert / A Decent Man) 
エンドレス・ポエトリー
  (Oesia Sin Fin / Endless Poetry) 
ネルーダ 大いなる愛の逃亡者
  (Neruda) 
猫が教えてくれたこと
  (Kedi / Nine Lives:Cats in Istanbul) 
ジャスティス・リーグ
  (Justice League) 
ロダン カミーユと永遠のアトリエ
  (Rodin) 
永遠のジャンゴ
  (Django) 
プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード
  (Interlude in Prague) 
否定と肯定
  (Denial) 
希望のかなた
  (Toivon Yuolla Poulen / The Other Side of Hope) 
オリエント急行殺人事件
  (Murder on The Orient Express) 
ルージュの手紙
  (Sage Femme / The Midwife) 
STAR WARS 最後のジェダイ
  (Star Wars:The Last Jedi) 
ヒトラーに屈しなかった国王
  (Kongens Nei / The King’s Choice) 
アランフェスの麗しき日々
  (Les Beaux Jours D’Aranjuez /

  The Beautiful Days of Aranjuez) 
J:ビヨンド・フラメンコ
  (Jota de Saura / J:Beyond Flamenco) 
52Hzのラヴソング
  (52Hz, I Love You) 
彼女が目覚めるその日まで
  (Brain on Fire) 
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命
  (The Zookeeper’s Wife) 
はじめてのおもてなし(試写)
  (Willkommen bei den Hartmanns /

  Welcome to Germany)
オレの獲物はビン・ラディン
  (Army of One) 
カンフー・ヨガ
  (Kung Fu Yoga)
仁義(古)
  (Le Cercle Rouge) 
コードネームはメルヴィル(古)

  (Sous Le Nom de Melville) 

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

 

 

順位はちょっとお年玉的にサービスしすぎかも。

 

 

①-1 ネルーダ 大いなる愛の逃亡者
チリの監督パブロ・ララインの描くノーベル文学賞受賞の詩人ネルーダについての映画。同じチリ出身のホドロフスキー作品「エンドレス・ポエトリー」より、衝撃を与えてくれた。何しろネルーダについては何も知らずに見たので、政治家、詩人で酒、女性を愛した享楽的な生き方に大きな衝撃を受けた。この2つの作品はチリという国の奥深さを感じさせる。

 

①-2 STAR WARS最後のジェダイ
前作の最後で衝撃的に登場したマーク・ハミルのルーク・スカイウォーカー、それ以来次の展開はどうなるかを待ち続けた。期待に応えてくれる作品。

 

①-3 否定と肯定
まさかナチスのユダヤ人虐殺を否定する学者(英人男性)がいるとは思いもしなかったが、ユダヤ人虐殺を研究しているアメリカのユダヤ人女性学者の批判に対し、彼が訴えたという事実に基づいて作られた映画。フェイクニュース問題を先取り?

 

②-1 ルージュの手紙
脚本も書いたマルタン・プロヴォ監督は「セラフィーヌの庭」「ヴィオレット ある作家の肖像」など女性を主人公に地味ながら丁寧な作品を作ってきたが、この作品も同様だ。ドヌーヴの新しい代表作というのもあながち嘘ではない。

 

②-2 勝手にふるえてろ
今年の東京国際映画祭で観客賞を受賞した大九明子監督作品。監督自身が書いている脚本(原作は綿矢りさ)のできが良い。ガールズトーク満載でテンポ快調。後半のペースダウンには今の日本の幼児性も垣間見え面白いだけではないのが凄い。あまりにずばり過ぎで怖いくらい。

 

③-1 ビジランテ
題名は「自警団」の意味。深谷市の市議会議員の3人の息子たちが繰り広げる暴力と権力の闇を力強く描いているのは入江悠監督。見ている分には様々に面白いが、テーマはどこにという感じがなくもない。

 

③-2 はじめてのおもてなし
難民を受け入れたドイツ人家庭の家族たち、周りの人たち、難民の反応をかなりの皮肉を入れながら、現実を正直に描いた喜劇は、日本人にも似たメンタリティを感じさせ面白い。
(今月の懐かしい人も参照してください)

 

 

 

おもしろい作品は他にも、お楽しみください。

 

密偵:日本統治下の韓国における物語。統治者は韓国人を使って反抗する者を探り出そうとする、ひどい虐待を使いながら、韓国人同士で探らせる。流石に緊迫感に満ちた話だ。

 

まともな男:ミヒャ・レビンスキー監督によるスイス映画。脚本も彼が手掛けているがなかなかに巧妙だ。主人公は中年の会社員、会社の上司の娘を連れ、同じ年頃の自分の娘、妻の家族でスキー休暇に出かける。その先で、彼の気配り(?)から出た嘘がどんどん雪だるま式に膨らみ修理不可能になっていく様は、日本社会の忖度を描いているようでもある。

 

最低。:「ヘブンズ・ストーリー」「64-ロクヨン-」の瀬々敬久監督の新作。AV業界を舞台に3つのエピソードが綴られる。単純に物語るだけではない、人物たちの微妙な感情を捉えた映画になっている。

 

エンドレス・ポエトリー:アレハンドロ・ホドロフスキー監督の新作は、前作「リアリティのダンス」の続編だ。前作が子供~青年時代、今作は青年時代を描く自伝的作品。前作ほどの衝撃はないが、チリにおける詩や芸術の在り方を考えさせてくれる。

 

猫が教えてくれたこと:最近犬より人気が出ているらしい猫。イスタンブールの猫の生態を描くドキュメンタリーは街で自由に暮らす猫たちが見る者の気持ちをほっこりさせる。

 

永遠のジャンゴ】:ジャンゴ・ラインハルトという名前だけは知っていたジャズ・ミュージシャンの在り方を教えてくれる映画。ジプシー・ジャズと呼ばれているらしい通り、ジャンゴはジプシー(今はロマと呼ばれる)で、驚きのテクニック(ギター)と音楽性。

 

希望のかなた:フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキの新作は前作「ル・アーブルの靴みがき」に続き難民問題を描く。例によって奇妙なユーモアをたたえながら話が進む。

 

オリエント急行殺人事件:ケネス・ブラナーが監督主演したアガサ・クリスティ原作の映画化。アルバート・フィニーがポワロを演じたのは1974年の作品。38歳で演じたフィニーより、57歳で演じたブラナーのポワロの方が若く見えるは資質の違いか。

 

ヒトラーに屈しなかった国王:ノルウェーにナチスドイツが侵攻しようとした時、素直に受け入れずあくまでNo.を貫いたホーコン7世の3日間を描く。ナチスからの空爆などの中逃げていく国王一行の逃亡劇がリアルに描かれる。

 

8年越しの花嫁 奇跡の実話:彼氏と婚約した女性が突如発狂したような状態になり、昏睡状態に。実際に結婚するまでの8年間、これだけの期間があれば様々あって不思議はないが、その様々を描く今月2本目の瀬々監督作品。しっかり作られていて感心。

 

J:ビヨンド・フラメンコ:Jはスペイン語のアルファベットではホタと発音、この映画が描くスペイン舞踊JOTAホタと同じだ。フラメンコの原型と言われる。今まで多くのフラメンコ映画を作ってきたカルロス・サウラの新作で、圧倒的なホタの踊りは見応え十分。

 

52Hzのラヴソング:台湾からやってきたミュージカルは手作り感満載。出演者の多くがミュージシャン、17曲のオリジナルソングもなかなか。ダンスは殆どありませんが、結構楽しめる。ウェイ・ダーション監督の前作「セデック・バレ」で主人公を演じたリン・チンタイも出演、本業は牧師という彼も歌っている。

 

花筐:原作は檀一雄、大林監督が脚本にしたのは40年以上前。肺がんステージ4の監督が念願の映画化。戦争をしていた1941~年の日本を舞台に少年少女たちの生き方、心の様を絢爛たる絵巻物にして描く。

 

 

 

 

 


Ⅱ 今月のトークショー

 

 

◇12/09 横浜シネクラブ ジャン=ピエール・メルヴィル特集 岡田秀則さん
先月お伝えしたメルヴィル特集の関東地区最後の上映が行われたのは東京藝術大学馬車道校舎。「コードネームはメルヴィル」上映の後、フィルムセンター岡田秀則さんのトークショーがあった。先月号でお伝えしたフィルムセンターでのこの映画の監督オリヴィエ・ポレール氏のトークショーの時にも岡田さんがヘルプされていた。
スタイリッシュな映画を目指したメルヴィルの根底には戦争があると話された。

 

◇12/23 シネマート新宿 「オレの獲物はビン・ラディン」 松江哲明さん
今年の公開は5本目というニコラス・ケイジの最新作の後、松江哲明さんのトークショーがあった。ここ数年、ニコラス・ケイジの作品は玉石混交で多くの作品が公開されている。あまりに多くて、しかもB級と明白に分かるような作品もかなりあり、行く気がしないのだがビン・ラディンという事で出かけた。作品は面白くもあり、つまらなくもあった。しかし、驚くのはこれが実在の人物について作られたという点だ。神の啓示を受け、ヨットや日本刀を使いビン・ラディンを倒そうとするゲイリー・フォークナーという人物。この人物はビン・ラディンはまだ生きているとして今も作戦続行中らしい。
ニコラス・ケイジは日本刀というところが気に入って出演したという。

 

 

 

Ⅲ 今月の惹句(じゃっく)

 

 

毎週金曜日の夕刊は楽しみだった。土曜日に封切りされる映画の広告が花咲かせているからだ。こっちの映画がおいしいよと呼び掛けてくる。映画の宣伝マンが一番力を入れるのはこうした広告に使われる惹句。映画に人を引き付けるためのキャッチフレーズ、宣伝文句だ。短く、的確に映画を表す言葉、文章で人の記憶に残るものを目指して日夜苦労しているはずである。
これから、できれば毎月、25日までに封切られる1か月分の作品の惹句をチェック、印象に残ったものベストスリーを選んでみたい。
ここで使用する惹句は新聞広告、チラシ、WEBの公式ホームページなどに使われていたものから選んでいる。映画自体未見のものも含まれる。また、惹句のベストであり、内容の良し悪しとは関係がないので誤解されませんように。

現実って急!:「勝手にふるえてろ」(日本映画、12/23封切り)の惹句
なんだか大変なことが起こっている状況を想起させる。
最高は、最高に、挑み続ける。:「新世紀パリ・オペラ座」(外国映画、12/09封切り)
オペラ座の持つトップの自覚が「最高」の2回使いで表されている。
行くぞアル!うん兄さん!:「鋼の錬金術師」(日本映画、12/01封切り)
これだけで知っている人にはハガレンとすぐ分かる。知らない人は分からない。

 

 

 

 

Ⅳ  今月の懐かしい人

 

センタ・バーガー
はじめてのおもてなし」で難民を受け入れるドイツ人家庭の母親役を演じていたのはセンタ・バーガー、60年代その肉体美でハリウッドにも進出していたドイツの女優だ。同じころ、同じくドイツからエルケ・ゾマーがハリウッドで活躍していたが、可愛いタイプのエルケに比べると、センタは力強さで目立っていた。作品としては「ダンディー少佐」、「戦争のはらわた」など戦争ものが目立つのもそれゆえか。
元々オーストリア出身の彼女、ウィーンのヨーゼフスタット劇場の最年少劇団員となった後、誘われてドイツ映画に、更にハリウッドへとなったらしい。27歳の時ドイツ人監督ミヒャエル・バーホーベンと結婚して76歳の現在に至る。二人の息子サイモン・バーホーベンが「はじめてのおもてなし」の監督である。

 

 

 

Ⅴ 今月の旧作


市川準という監督がいた。1948年生まれで私と同学年、2008年に59才で亡くなっている。CM製作などをしていたが、1987年に「BU・SU」(富田靖子主演)で劇映画デビュー。その頃私は日本映画をそれほどは見ていなかったので見逃していた。初めて見た市川作品は1993年の「病院で死ぬという事」で静かな映画だった。その後の「東京兄妹」「トキワ荘の青春」「東京夜曲」などメランコリックな悲しみ路線があり、かなり好きな監督だった。しかし、「大阪物語」(1999年)はまたも見逃したのだ。沢田研二、田中裕子が漫才夫婦を演じるというもの。パスしたのですが、今回目黒シネマで初めて見て驚いた。これは傑作。池脇千鶴が映画デビュー、主人公の14歳の中学生を演じている。沢田/田中の夫婦も絶妙。

 

 

 

Ⅳ 今月のつぶやき


●今月もありました「。」付き題名。「最低。」だ。名詞だけの短い題名にあえて「。」を付けているのだが、どうなんでしょう、気付く人はどの程度いるでしょうか?

 

●神谷大活躍で変な期待をした「火花」は、描写自体はそれなりだがテーマの焦点が定まらず、だらだらした展開の印象になったのは原作によるものか?原作読んでいないのです。菅田将暉、桐谷健太はがんばっていましたが。

 

●共産党員で、詩人などと言えばまじめ人間を想像するのに、この主人公は夜な夜な飲み歩き、娼館通いもありでどうなっているんだと驚いたのが「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」である。しかもパブロ・ネルーダはこの後パリに逃亡し、ノーベル文学賞まで受賞しているのだ。チリという国の懐の深さに感嘆する。

 

●そうだったのかロダンは!弟子のカミーユ・クローデルとのことは知っていたが、妻のローザのことは知らなかった。内妻ではあるが、ほとんど魅力的ではないのに、最終的にはローザを選んでいたことを教えてくれた「ロダン クローデルと永遠のアトリエ」だ。これでは踏ん切りのつかない優柔不断の男そのものだ。

 

●「昼下がりの情事」でヘップバーンがゲイリー・クーパー扮するフラナガン氏とデートする時は必ずやってきたジプシー楽団、人をウキウキさせる音に聞き入ったのだが、それ以来久しぶりに出会えたジプシー音楽家の映画「永遠のジャンゴ」は再びジプシー(ロマ)の人たちの音楽的才能を教えてくれた。

 

●漫画の実写映画化には気を付けなければと思ったのは「鋼の錬金術師」。漫画は読んでいないが、この設定で日本人での実写化は無理では?今回入場時に映画の前談として小さな漫画本を渡された。漫画で読む分にはこういう人物という漫画の約束事に則り受け入れられるだろうが、実際の人間でそこらのギャルが出てくるのは無理というもの。これが東京国際映画祭のオープニング作品として上映されたというのは驚いた、恥ずかしい。

 

●ラストがちょっと洒落ていた「ルージュの手紙」、本当にルージュの手紙だったんですね。思った以上に大人の映画。

 

●正義と悪の逆転がありながら基本線はこの二つの戦いが繰り広げられ、父と息子の関係が物語の大きな部分を占めるというのが「スター・ウォーズ」シリーズ。ルーカスフィルムがディズニーの下に入って2作目の「最後のジェダイ」も基本は同じ。それにしてもこの後2019年に公開予定のエピソード9で完結と思いきや、さらに新しい3部作が作られることが発表された。20世紀フォックス時代は3年ごとの公開だったものが、ディズニーになって2年ごとになり、更にスピンオフ作品としてすでに「ローグ・ワン」が公開され、来年には「ハン・ソロ」が公開される。流石にディズニー、商売上手と言えば良いだろうか?

 

●抗NMDA受容体脳炎という病に関連した作品が同じ日に封切られた。Wikipediaによれば『ある日から突然、鏡を見て不気味に笑うなどの精神症状を示しだし、その後、数か月にわたり昏睡し、軽快することが自然転帰でもあるため、過去に悪魔憑きとされたもの』(原文ママ)とあり、「エクソシスト」の少女の動きはこの病気の患者そのものと言われる。ただし、病気としてこの病名に落ち着いたのは2007年らしい。
作品は日本映画の「8年越しの花嫁 奇跡の実話」、アメリカ映画の「彼女が目覚めるその日まで」の二本である。前者は花嫁の意識が6年くらい戻らず、後者では意識が無くなることはなかったが7か月の闘病後元の彼女に戻った後も記憶は90%くらいしか戻らなかったという。特に後者は本人が書きベストセラーになった本を原作として作られているだけに、詳しい病気の状況が分かりやすい。日本でも年間1000人くらいが発症していると言われる。

 

●ヴィム・ヴェンダース監督、ピーター・ハントケ脚本は「ベルリン・天使の詩」以来のコンビ作品という「アランフェスの麗しき日々」だったのだが、ちょっと辛い内容だった。アランフェスが出てくるわけではないし…。

 

 

 



今月のトピックス:決算報告 



Ⅰ 決算報告 

 

今年の決算報告も例年同様、2016/12/26~2017/12/25の1年間です。
お送りしている見せよう会通信の日付に合わせての報告です。
この1年間で大きなことは、自分が働くのをやめ年金生活に入ったことと、
自由時間が増えたことで映画祭にもある程度行くことが出来たことでしょうか。
結果は次のようになりました。

 

期間: 2016/12/26 ~ 2017/12/25
支出額: 406,930円
映画本数: 446本
1本当たり金額: 912円

 

退職後は一月40本以上が続きましたので本数が大きくなりました。さらに映画祭に行くことができ、平均1500円の映画祭料金が結構な本数になりました。こうしたことから1本当たりの料金は昨年の896円から912円とかなり上がることになりました。
昨年下がった要因として挙げたTOHOシネマズのシネマイレージカードによる1ヶ月無料の2か月間利用が、今年は一度もできずこれも上がった一つの要因でもありました。
総計額では大台の40万円を超え、なんだか昔のヨーロッパツアーに参加できる金額のようになりました。

 

 

Ⅱ 金曜日

  

東宝が来年4月から今まで基本的に土曜日封切りだったものを金曜日に変更すると発表したという。“プレミアムフライデーなど、金曜の夜からが週末という考え方に合わせた”ということらしい。
既に洋画では大作を中心に10年位前から金曜封切りが実施されており、この通信でも時々取り上げたことがある。今回東宝だけではなく松竹も邦画の7割を金曜封切りにするという。東映は何も発表していないが、合わせてくる可能性はある。
長らく続いた土曜日封切りという習慣が金曜日になるとあれば、金曜夕刊に映画の宣伝広告が大量に掲載されるという習慣も変わるのだろう。やはり木曜日になるのだろうか?

 

 

 

 

Ⅲ 荒い鼻息


12/03丸の内TOEIに「探偵はBARにいる3」を見に行った。日曜日の13:30の回、それほど混んではいないがガラガラでもないという入り。窓口で真ん中より少し後ろ、通路側ではなく内側席とお願いしたら、隣に人がいてもいいですかと聞かれ、OKですとJ-11の席をいただいた。上映開始の少し前、右側に若い男性が座った。
上映開始後、左側の空席一つを置いて通路側に座る二人のおばあさんが時々話をする。結構なファンらしく、映画に反応してあの人はこうだ、ああだなどと会話している。長くは続かないので、4回くらいの会話は我慢した。
エンドロールが流れ始めた時右隣の男性がスマホを付けた。一旦消したが又付けた時“まぶしいので消してください”と声をかけたら消してくれた。しばらくの沈黙の後“あなたの鼻息荒いですよね”と言われてしまった。えーっ?
この作品にちょっとぬるい部分があり、鼻を鳴らしたようなことをしたかもしれない。勿論小さな音で。それにしてもねえ。

 

 

 

 

Ⅳ 目黒シネマ


目黒では2年間働いた。2008-10の当時も目黒シネマは最上階に大蔵映画が入っているビルの地下にあった。半年落ちぐらいの作品の2本立てで上映していた。見ている作品が多かったので、職場のすぐ近くの映画館にもかかわらず入館することはなかった。
それが、市川準監督特集のチラシを見て、えっ、こんな古い映画を上映しているの?と知り、しかも好きな監督だったので出かけた。入口のお姉さんに“最近番組の組み方が変わったんですか?半年落ちではなく特集上映に変わったんですか?”としつこく質問、“5年くらい前から特集と半年落ちを組み合わせて”と判明。この間、私は目黒シネマのチェックはしていなかった。申し訳ありません。
ちなみに目黒シネマは大蔵映画の経営です。

 

 

 

今月はここまで。
次回は例年通り新年特別号を元旦にお送りします。
良いお年をお迎えください。




                         - 神谷二三夫 -


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