2021年 6月号back

 

止まない雨はない。
いつか太陽が出てくる。
と言っても、コロナの拡大ぶりにはなかなか先が見えない。
疲れた時、気分転換には、
そう、マスクをして映画館!

 

 

 

今月の映画

 

4/26~5/25の緊急事態宣言が延長された30日間に出会った作品は38本。
東京の映画館も完全に閉まることはなく、4/25~5/11はかなり少なかったとはいえ封切館、名画座ともに一桁の映画館が営業を続けてくれました。しかし、新作は極端に少なく邦洋画合わせての新/旧は13/25本と旧作が圧倒することに。中でも<Men & The Guns>特集だけで18本になりました。



<日本映画>

   8本(新4本+旧4本)

【新作】
くれなずめ
大綱引の恋 
過去はいつも新しく,未来はつねに懐かしい 写真家森山大道 
茜色に焼かれる

 

 

【旧作】
<アニメーションの神様 その美しき世界>
岡本忠成監督特集、 川本喜八郎監督特集
(特集には、4本ずつのアニメーションが組まれていますがそれを1本とカウントしています。)


<小林信彦プレゼンツ これが日本の喜劇人だ!>
幽霊暁に死す 
ニッポン無責任時代

 

 

<外国映画>

   30本(新9本+旧21本)

【新作】
SNS少女たちの10日間
   (V Siti / Caught in the Net) 
ハイゼ家百年
   (Heimat ist Ein Raum Aus Zeit

    / Heimat is A Space in Time) 
ブータン 山の教室
   (Lunana: A Yak in The Classroom) 
HHH:侯孝賢
   (HHH:A Portrait of Hou Hsiao-Hsien) 
グンダーマン 優しき裏切り者の歌
   (Gundermann) 
ジェントルメン
   (The Gentlemen) 
ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから
   (Mon Inconnue / Love at Second Sight) 
やすらぎの森
   (Il Pleuvait Des Oiseaux

    / And The Birds Rained Down)

 

【試写】
ピーターラビット2 バーナバスの誘惑
(Peter Rabbit 2: The Runaway)(6月25日封切り)

 

【旧作】
<Men & The Guns リチャード・フライシャー アンソニー・マン ジョセフ・H・ルイス>
パスポートのない女
   (A Lady without Passport) 
脱獄の掟
   (Raw Deal) 
夜よりも深い闇
   (So Dark the Night) 
カモ
   (The Clay Pigeon) 
秘密指令
   (The Black Book) 
札束無情
   (Armored Car Robbery) 
望みなき捜索
   (Desperate Search)
グレイト・フラマリオン
   (The Great Flamarion)
高い標的
   (The Tall Target)
ボディガード
   (Bodyguard)
私の名前はジュリア・ロス
   (May Name is Julia Ross) 
秘密捜査官
   (The Undercover Man) 
夜のストレンジャー
   (Strangers in the Night)
必死の逃避行
   (Deaperate) 
裸の拍車
   (The Naked Spur) 
脱獄者の叫び
   (Cry of the Hunted) 
罠を仕掛けろ
   (Trapped) 
Tメン
   (T-Men)

 

<ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2>
リオの男
   (L'Homme de Rio)

 

<エリック・ロメール監督特集>
モード家の一夜
   (Ma Nuit chez Maud / My Night at Maud’s) 
クレールの膝
   (Le Genou de Claire / Claire’s Knee)

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)

 

① ハイゼ家百年
旧東ドイツ・東ベルリン生まれのトーマス・ハイゼ監督が自身の家族を通してドイツの100年に迫るドキュメンタリー。3時間38分の長さで、しかも題材に合った動画が少ない作りだが、これが意外に退屈せず見られたのは、それだけドイツの変遷が大きなものだったからだと感じた。

 

② やすらぎの森
不思議な映画だった。どこに焦点があるのか暫く分からなかった。カナダ・ケベックの森が山火事に襲われる。空から撮影された火事の様子が4回もモノクロ画像で突然画面に現れる。森に住む社会から離れた老人たちの話で、しかしやすらぎではない。常に山火事の可能性があることを頭に、しかしゆったり生活している。

 

③ 茜色に焼かれる
1983年生まれと言うから40歳前の石井裕也監督は、「舟を編む」「夜空はいつでも最高密度の青色だ」などで高く評価されている。30代前半で既に評価されていた彼は、前作の「生きちゃった」と今回の「茜色に焼かれる」では、その定型を破りたい意識が強い気がする。それは「夜空は…」で始まっているが、まだ突っ走っているというくらいにしか感じられないのは、私の感性が鈍っているからか?

 

 

 

 

映画館で楽しめる作品は他にも!(上映が終了しているものもあります。)


ブータン 山の教室:都会の学校で先生をしていた若者、今一つ身が入らず、僻地の学校へ行くことに。ブータン北部の村ルナナは標高4800m。1週間以上かけてルナナに近づくと、あと2時間で村のところに村人全員で出迎えが。学ぶことに目を輝かせる子供達、教えることに目覚める主人公。ラストでは希望だったオーストラリアに行き歌手を目指すのだが。

 

HHH:侯孝賢:フランスの映画監督オリビエ・アサイヤスが台湾の監督侯孝賢(ホウ・シャオシェン)と一緒に彼に関連する場所を訪ねながら、シャオシェンの人となりに迫るドキュメンタリー。1997年の作品。驚くのはかつてのわる仲間のところにも完璧に入り込むシャオシェンの若さだ。

 

ピーターラビット2 バーナバスの誘惑:3年前初めて作られた実写版「ピーターラビット」の続編。驚きが大きかったあのピーターラビットは、考えてみれば100年以上前の物語を現代に移したものであれば当然かと。ピーターの速い動きにも慣れたためか、今回は物語をずっと楽しむことができました。

 

くれなずめ:自らの体験を舞台劇にしたものから映画化したのは、脚本・監督の松居大悟。友人の結婚式に集まったアラサーになったかつての仲間6人が披露宴で演じたのは、かつて文化祭で演じた赤フンダンス。2次会までの3時間という持て余した時間に現れる真実は?

 

ジェントルメン:前々号で、オンライン試写ながら2位にあげた作品を映画館で見直した。複雑に入り組んだ人物関係を上手くさばいて、ガイ・リッチーらしさを発揮、やはり見る価値ある作品。満喫。前回ベストスリーに入れているので、今回は入れません。

 

過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家森山大道:1938年生まれの写真家森山大道と、彼の写真集「にっぽん劇場写真帳」を50年ぶりに復活させる過程に迫るドキュメンタリー。“アレ・ブレ・ボケ“と言われる彼の画風はじっくり撮るのではなく、さっと切り撮るところから出来上がったんですね。フィルム、デジタルにこだわることなく気軽に撮りまくる写真家の姿が印象深い。

 

ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから:この作品が長編3作目となるユーゴ・ジェラン監督は1980年生まれ、祖父が俳優ダニエル・ジェランという。若くして結婚した監督自身が結婚生活を見つめ直すところから生まれたオリジナル・ラブストーリーだ。なかなか面白い物語だが、あの後はどうなるんだろうと後を引く。

 

 

 

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<外国映画>
渋谷シネマヴェーラでの特集<Men & The Guns リチャード・フライシャー アンソニー・マン ジョセフ・H・ルイス>に通いました。上映された23本中、18本を見ました。見逃した5本のうち、4本は以前に見たことがあり、完全に見逃したのは1本でした。


今回の特集はMen & The Gunsのテーマのもと3人の監督の映画が上映されました。23本の映画は製作年度が1941~55年、大作等はなく、どちらかと言えばB級作品、上映時間は最短の56分から最長で93分、75分以下の作品が13本と半分以上でした。ということで一般的な意味で有名作はありません。


リチャード・フライシャーは「海底二万哩」「ミクロの決死拳」「トラ・トラ・トラ!」等を、アンソニー・マンは「グレン・ミラー物語」「ララミーから来た男」「エル・シド」「ローマ帝国の滅亡」等を作っていて知られた監督と言えるが、ジョセフ・H・ルイスだけは私自身も名前さえ知らない監督だった。「私の名前はジュリア・ロス」が興行的にも批評的にも成功した後、A級映画監督への昇進を打診されたがそれを断ったとチラシに書かれていた。今回の特集では、ルイス監督が9本、マン監督が8本、フライシャー監督が6本となっていた。


無駄のない映画が殆ど、時間が短いというのは総てをそぎ落として出来ている。すっきりと映画に取り込まれる。50年代後半からはテレビが広く受け入れられていく。小さい画面で人を引き付けるためには脚本の工夫が必要だ。そんな時、今回見たような、比較的時間が短く話がギュッとつまった作品群がヒントになったのではないか。18本見た作品の多くで、50~60年代のアメリカテレビ作品の面白さを思い出していた。


特に面白く感じた作品は監督別に次の通り。
リチャード・フライシャー作品:ボディガード、罠を仕掛けろ、札束無情
ジョセフ・H・ルイス作品:私の名前はジュリア・ロス、夜よりも深い闇、パスポートのない女、脱獄者の叫び
アンソニー・マン作品:夜のストレンジャー、グレイト・フラマリオン、Tメン、秘密指令、高い標的

 

<エリック・ロメール監督特集>

フランスのエリック・ロメール監督は男女の恋愛模様を軽快なタッチで描く事で有名。初期に作られた、六つの教訓シリーズの内2作品を見た。「モード家の一夜」「クレールの膝」だ。
どちらの作品も会話で組み立てられていて、しかもその会話量の多さに驚いた。特に「モード家の一夜」は。ムード描写がある訳ではなく、むしろ論理的な筋立てである。

 

 

 

 

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー

 

5月22日 シネマヴェーラ渋谷 「小林信彦プレゼンツ これが日本の喜劇人だ!
上記の特集の初日、2本目の「ニッポン無責任時代」の上映の前に、ビデオによる小林信彦さんのトークショーがあった。4年前に脳梗塞となり、左半身不随となった作家、評論家、コラムニストは現在88歳。1972年の名著「日本の喜劇人」の大幅な加筆改稿を経て、5月に出版されたばかりの「決定版 日本の喜劇人」に合わせて今回の特集上映が組まれたのを記念してのトークショー。少し不自由なところの残る話し方で、約20分話をされた。以前よりかなり体重を減らされた印象。


話に登場した喜劇人と映画は次の通り。


植木等:それまでに真面目な役で映画にも出ていたが、突然爆発したのが1962年の「ニッポン無責任時代」だった。爆発を引き起こした監督は古沢憲吾、通称パレさん(パレンバン降下作戦の勇士だったとの自称から)は坂本九の「アワモリ君売り出す」(上映は無し)等でもかなり奇抜な突然歌いだす等の演出をしていたが、それがいい方向に出て植木とぴったり合った。その後クレージーキャッツ映画を何本も監督している。結成10周年記念映画の「大冒険」も作っている。


森繁久彌:「三等重役」では人事課長を演じた森重の人気が高く、後に社長に昇格、社長シリーズが作られることに。彼の昇格に合わせて他の人達も昇格したとか。


小林旭宍戸錠:60年前後は日活が面白い作品を作っていた。「東京の暴れん坊」「ろくでなし稼業


由利徹:喜劇人の間で評判の高い人と言えばこの人。多くの作品に重要な脇役として出ているが、珍しくも主演したのが「東海道弥次喜多珍道中

 

 

 

 

 

Ⅳ 今月のつぶやき


●成人女性に12歳の少女としてSNSにアカウント登録をしてもらい、どんな接触があるかを記録した「SNS少女たちの10日間」は、“現代の子どもたちが直面する危険をありのまま映し出した恐るべきこのリアリティーショー”を見せるドキュメンタリーだ。アサヒ芸能(?)的に驚きの内容のチェコ映画。

 

●1951年に作られた「高い標的」(アンソニー・マン監督)は、再選されたリンカーン大統領が大統領就任演説のためにボルチモアに向かう列車の中でのリンカーン暗殺計画というオリジナルストーリーだが、この暗殺計画を阻止しようとするニューヨークの刑事の名前がジョン・ケネディというので驚いた。偶然なんでしょうが。面白い映画でした。

 

●侯孝賢監督は1947年4月8日生まれ、日本で言う団塊世代だ。1997年の「HHH:侯孝賢」の時は50歳とは言え、本当にフランクにかつての仲間に入り込む。一世代上という人たちも、年下という人たちもいるのに全く平等に付き合い、当時の話し方ですぐ溶け込むのだった。世界的に認められた監督になっても少しも偉ぶらないところにも好感が。

 

●東ドイツのボブ・ディランと呼ばれ、彼と共演したこともあるというグンダーマンを描いた「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」はこの人物を教えてくれる。ドイツでは有名人だろうが、日本ではほとんど無名の彼の物語、できれば時代をきっちり伝えてもらえればなあと思ったのだった。

 

●ドキュメンタリータッチのナレーションで始まる「Tメン」は1947年の作品だが、後のTVドラマを想起させる。

 

 

 

 

 



今月のトピックス:コロナ禍の映画・映画館   

 

Ⅰ コロナ禍の映画・映画館


5月11日迄の予定だった3度目の緊急事態宣言が5月末までに延期されることになった。その後も感染は治まるどころか、地方に拡がっていった。


<映画館>
延長に当たって、国と東京都の映画館に関する考え方が違っていた。手短にいってしまえば、東京都は閉めろと言い、国は開けてもいいよと言ったということでしょう。
これについては全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が「映画を愛する皆様へ」と題する声明を出している。
声明には次の文章がある。
『国の目安では「劇場等」は総て人数上限や収容率等の要件に沿った施設使用の要請等を行う施設として認定され、実際上の営業が許可されているところ、東京都においては、そのうち「映画館」「プラネタリウム」のみが、施設規模に応じた休業要請の対象と整理されていることは痛恨の極みです。』
劇場の営業は認められているのに、一定以上の規模の映画館、プラネタリウムのみが認められなかったのは何故ですかと言っています。
先週劇場に行ったのだが、演劇は途中休憩の入るものが多くその時間に話し込んでいる人たちが多かった。係員が“会話はしないでください”と呼び掛けていた。むしろ劇場の方が危険が多いのでは?実際昨年クラスターも発生していますよね?
この東京都の判断はどこから出てきたのだろうか?

 

とりあえず、現在の東京の映画館状況をお伝えする。
シネコンは全て休館:TOHOシネマズ、ユナイテッドシネマ、イオンシネマズ、109シネマズ、新宿ピカデリー、新宿バルト9、
シネコン以外で全面休館の映画館:丸の内TOEI、丸の内ピカデリー、東劇、シネクイント、神保町シアター、グランドシネマサンシャイン池袋、シネリーブル池袋、早稲田松竹
営業している映画館:角川シネマ有楽町、シネスイッチ、ヒューマントラスト有楽町、イメージフォーラム、ユーロスペース、ヒューマントラスト渋谷、ル・シネマ、White Cine Quinto、ヒューマックス渋谷、新宿武蔵野館、シネマカリテ、K’sシネマ、シネマート新宿、テアトル新宿、アップリンク吉祥寺、シネマヴェーラ、岩波ホール、キネカ大森、新文芸坐、ギンレイホール

 

営業をしている映画館では、時短(20:00まで等)や座席減(1席空けなど)をしているところがほとんど。

 

 

<映画作品>
主要都市のシネコンが休館となり、この期間に封切りを予定していた映画は公開延期されたものが出ている。
「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」「アーヤと魔女」「ゴジラVSコング」
いずれも大きな集客が見込める作品だ。公式サイトをチェックすると、公開延期のお知らせが出ているものの、時期は発表されていない。
そんな中、5月21に公開された「いのちの停車場」はあえてそのまま封切りされた。吉永小百合、松坂桃李などが出演しある程度の集客が見込める作品だ。配給をする東映の意地かもしれない。しかし、東京ではアップリンク吉祥寺、kino cinema立川高島屋S.C.館の2つの映画館でしか上映されていない。全てのシネコンや東映の本拠地、丸の内TOEIが休業しているためだ。
東映グループ会長の岡田祐介氏が昨年11月に亡くなっている。俳優として活躍(「赤頭巾ちゃん気をつけて」で映画デビュー)した後、俳優より作る方に回りたいと製作者となり、1988年に父親(岡田茂)が社長をしていた東映に入社、その後東映社長、更に東映グループ会長になっていた。彼は吉永小百合の多くの映画をプロデュースしており、「いのちの停車場」の打ち合わせ中に急に倒れ亡くなったという。
こうしたことで東映は随分力を入れている。朝日新聞には2回にわたって朝刊に全面広告を出している。5月15日、20日の朝刊だが、どちらの広告でも映画館で安心してご覧くださいとの呼びかけがされている。例えば15日の広告では次の言葉が大きな文字で頭に来ている。
“映画館では、感染症対策を徹底しております。安心してお越しください。”

 

新聞広告で言えば、通常金曜日の夕刊には少なくなってきたとはいえ映画の広告が載るのが普通なのだが、5月7日の朝日新聞夕刊(東京版)には何もなかった。

 

 

 

 

 

 

Ⅱ アカデミー賞の予想結果


アカデミー賞発表からすでに1か月近くが経ち、今さらではありますが予想結果と、今年の授賞式について感じたところを。 
作品賞:ノマドランド  これは予想的中でした。
監督賞:クロエ・ジャオ(ノマドランド)  これも的中。
主演男優賞:アンソニー・ホプキンス(ファーザー)  外れ、予想はボーズマンでした。
主演女優賞:フランシス・マクドーマンド(ノマドランド) 外れ、予想はマリガン。
助演男優賞:ダニエル・カルーヤ(Judas and the Black Messiah) 外れ、予想はコーエン。
助演女優賞:ユン・ヨジョン(ミナリ)、 予想的中、「ミナリ」はやはりこの賞のみでした。

 

結果:上記の通り、的中率は50%となりました。
今年の受賞作品はまともという印象でした。作品を見ることができた限りで言えば、「ノマドランド」は圧倒的でしたから、上記のうち3賞を獲得したのは当然でした。俳優賞では作品を見ていないダニエル・カルーヤを除き、他の3人もごくまともです。主演賞は男女とも予想は外しましたが、アンソニー・ホプキンスは取って当然の演技、さらに最高齢での主演賞がボーズマンの死を上まったということでしょう。「ノマドランド」を見てしまえば、フランシス・マクドーマンドの賞獲得も当然です。

今年の授賞式は従来のように観客も入れての開催はできず、ノミネートされた人たちだけが参加という形で行われました。さらに、ショー場面を生で行うことは人の密が発生すると考えたのでしょうか、主題歌賞のノミネート作の歌唱は総て事前に別の時間・場所で撮られたものが流されました。
今までの授賞式ではトリは常に作品賞でしたが、これが違っていました。作品賞の次に発表された主演賞が最後で女優、男優の順で行われました。何故だったのでしょうか?坐りは良くないですよね。今回は作品賞でも、主演女優賞でもフランシス・マクドーマンドが挨拶することに。残念ながらアンソニー・ホプキンスは欠席で挨拶はありませんでした。
挨拶で印象的だったのは「ミナリ」で助演女優賞のユン・ヨジョン、原稿も見ず英語で役のおばあさんのように余裕の挨拶でした。
彼女を見ると映画の中で孫と花札をするところを思い出します。韓国でも花札が普通にされていることを初めて知りました。

 

 

 

 

 

今月はここまで。
次号は東京の映画館が全オープンしていてほしい6月25日にお送りします。

 


                         - 神谷二三夫 -


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