2020年 1月号back

 

いつものように忙しくなった師走、
この時期でしか経験できない様々なことを片付ける。
毎年新しい気持ちで新しい年を迎える。
毎回新しい気持ちで新しい人生を迎えるのは、
そう、映画館!


 

 

今月の映画

 

11/26~12/25の毎日日替わりの寒・暖が続いた30日間に出会った作品は40本、邦/洋と旧/新の本数は共に9/31となりました。
お正月作品の大作群も公開されています。
ただし、久しぶりにお正月に復帰のあの人の作品はこれからです。



<日本映画>

【新作】
最初の晩餐 
漫画誕生 
影踏み 
ルパン三世THE FIRST 
こおろぎ 
M/村西とおる 狂熱の日々、 
屍人荘の殺人 
つつんで,ひらいて

【旧作】
芝居道

 

 

<外国映画>

【新作】
Exit
  ( Exit) 
ゾンビランド ダブルタップ
  (Zombieland:Double Tap) 
残された者―北の極地―
  (Arctic) 
読まれなかった小説

  (Ahlat Agaci / The Wild Pear Tree) 
The Informer三秒間の死角
  (The Informer) 
ドクター・スリープ
  (Doctor Sleep) 
幸福路のチー
  (幸福路上 / On Happiness Road)
ファイティング・ファミリー
  (Fighting with My Family) 
Climaxクライマックス
  (Climax) 
私のちいさなお葬式
  (Thawed Carp) 
ジョン・デロリアン
  (Driven) 
家族を想うとき
  (Sorry We Missed You) 
リンドクレーン
  (Unga Astrid / Becoming Astrid) 
象は静かに座っている
  (An Elephant Sitting Still) 
シティ・ハンター The Movie 史上最香のミッション
  (Nicky Larson et Le Parfum de Cupidon

   / Nicky Larson) 
ジュマンジ/ネクスト・レベル
  (Jumanji:The Next Level) 
スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
  (Star Wars: Episode IX-The Rise of Skywalker) 
シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢
  (L’Incroyable Histoire du Facteur Cheval

   / The Ideal Palace)
再会の夏
  (Le Collier Rouge / The Red Collar) 
テッド・バンディ
  (Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile) 
パリの恋人たち
  (L’Homme Fidele / A Faithful Man) 
THE UPSIDE/最強のふたり
  (The Upside) 
ヒックとドラゴン 聖地への冒険
  (How to Train Your Dragon: The Hidden World)

 

【旧作】
<フレッド・アステア レトロスペクティブ>
バンド・ワゴン
  (The Band Wagon) 
ベル・オブ・ニューヨーク
  (The Bell of New York)

 

<フィルム・ノワールⅢ>
真昼の暴動
  (Brute Force) 
ヒッチハイカー
  (The Hitch-Hiker) 
死の接吻
  (Kiss of Death) 
三人の狙撃者
  (Suddenly) 
堕ちた天使
  (Fallen Angel)

 
<その他>
花様年華
(花様年華/ In the Mood for Love)

 

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)

 

① スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
ついにスター・ウォーズの最終編が公開された。第1作は1977年だったので42年かかったことになる。ここまでになるとは誰も想像していなかっただろう。久しぶりにスカイウォーカーが前面に出た。久しぶりに昔のスター・ウォーズに戻ったようで、ありがとうのベスト1に。

 

②-1 残された者―北の極地―
北極地帯に不時着した飛行機のパイロットが、そこから如何に脱出するかを細かく描くサバイバルもの。救出に来たヘリも墜落、さあどうするの面白さ。マッツ・ミケルセンが殆ど単独出演者、台詞も極少なく極寒の中で生存に向けて進む。

 

②-2 テッド・バンディ
シリアル・キラーという単語は1984年に彼のことを表すためにFBI捜査官ロバート・K・レスラーが提唱したというテッド・バンディ。美しい容姿と高いIQを武器に多くの女性を引き付けたバンディと、複雑な思いを寄せた女性(彼女の著書を原作として映画化)を軸に描く。バンディを演じるのはザック・エフロン(製作にも関与)、監督はドキュメンタリー作家として高い評価を得ているジョー・バリンジャーで、彼はバンディについてのドキュメンタリーも製作しているという。

 

③-1 読まれなかった小説
大学を卒業しチャナッカレに帰ってきた主人公は作家を目指している。教師を退職間際の父は競馬に入れ込んでいる。職も決まらず、夢もかなえられずイラつく若者の心。「雪の轍」でもトルコの風景を美しく見せていたヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、風景の中に主人公たちを置き同じ土壌にいる父子を描く。

 

③-2 象は静かに座っている
29歳の中国の新監督フー・ボー(胡波)のデビュー作は、炭鉱業が廃れた中国の田舎町から様々な事情で抜け出そうとする若者や老人が“満州里にいる静かに座っている象”を夢見ている物語を描く。監督は自殺し、遺作となってしまった。

 

 

 

映画館で楽しめる作品は他にも。(終わったものもあり)


Exit:韓国映画は色々なアイディアを出してくるが、これは脱出もの。就活も恋愛も今一つの若者が、街に拡がった毒ガスから如何に脱出するかのサスペンス。よくできている。

 

ゾンビランド ダブルタップ:初作から10年、続編が作られた。この10年で4人の出演者やスタッフは大きく出世した。そのスケジュール調整が一番大変だったようだ。エマ・ストーンはアカデミー賞を受賞し、ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、アビゲイル・ブレスリンの3人はアカデミー賞にノミネートされ、脚本家、監督は共にヒット作を作り売れっ子になった。ゾンビが世にはびこることになったのだ。

 

The Informer三秒間の死角:今年5本目のロザムンド・パイク出演作は、これまたサスペンスに満ちたもの。5本とも見て損しない作品だ。FBIの情報屋として使われてきた男、FBIの女性捜査官、その上司が絡み合った展開です。

 

ドクター・スリープ:「シャイニング」の原作者スティーヴン・キングが続編として書いた小説を映画化。キングは「シャイニング」の映画化作品にはあまり満足していなかったという。ジャック・ニコルソンが演じた主人公があまりに強烈過ぎるという事らしい。40年後の成長したダニー少年が今回の主人公。特別の力(シャイニング)を持つ人たちの物語。

 

幸福路のチー:台湾からやってきたアニメ作品はシンプルな絵ながら、その語り口は洗練された省略を活用し溌剌としている。主人公チーは成長して今はアメリカで生活し、祖母の告別式のため帰国をする。故郷に戻って発見したものは?

 

ファイティング・ファミリー:ザ・ロックのプロレスビデオを見ている場面から始まるこの作品、かつてのザ・ロック、今は本名のドウェイン・ジョンソンで活躍するスターが製作にかかわり、本人として出演もしている。イギリスの女性プロレスラーの実話に基づくお話しは結構楽しめる。

 

漫画誕生:日本初の職業漫画家といわれる北沢楽天(1876~1955)についての映画。海外の風刺漫画に触発され漫画を描き続け漫画家になっていく楽天を演じるのはイッセー尾形。監督は長編2作目となる女性の大木萌。楽天の元からは近藤日出造、横山隆一、杉浦幸雄などが輩出したようだ。

 

ルパン三世 THE FIRST:今年4月に81才で亡くなった原作者モンキー・パンチが切望していた3DCGでのルパン三世のアニメーション。監督は「ALWAYS三丁目の夕日」や「永遠の0」などを手掛けた山崎貴。快調アクションを楽しみました。

 

私のちいさなお葬式:いつ心臓が止まってもおかしくないとの余命宣告、自分らしい葬式をと生前葬を思いつく主人公の老女。悲壮感なしの映画には「恋のバカンス」が流れている。老女とは言ったものの、設定年齢は73歳と私とそれほど違わない。

 

ジョン・デロリアン:「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシンカーとして有名な車デロリアンを開発したのがジョン・デロリアン。彼についての映画は、意外な事実を教えてくれる。

 

家族を想うとき:83歳のケン・ローチ監督は前作「私はダニエル・ブレイク」で一旦引退を決めていたが、イギリスや世界で広がる貧困や格差を前に今作を作る決意をしたという。常に労働者階級の側に立ち、世界を描いてきた監督らしく、厳しい現実が見る者の前に提示される。

 

リンドグレーン:スウェーデンの童話作家アストリッド・リンドグレーンの16歳からの若い日々を描く。シングルマザーになるまでの経緯を描き、リンドグレーンとの結婚や、小説を書くというところまでは描かず、それでも彼女の人となりを十分に伝えてくれる。

 

つつんで、ひらいて:本の装幀者・菊池信義を追ったドキュメンタリー。今までに1万5千冊以上を手掛け、シンプルで美しい本を生み出してきた菊池を撮ったのはこれが長編2作目となる広瀬奈々子監督。1作目「夜明け」と違ってドキュメンタリーだが、菊池に合うような静かで落ち着いたペースで好感が持てる。

 

シティ・ハンター The Movie 史上最香のミッション:日本の原作漫画を実写映画化したのはフランス。原作漫画を知らないが、監督・主演のフィリップ・ラショーはよほど好きだったのだろう。ぶっ飛んだギャグ満載のスピードあふれる快作、結構笑えます。

 

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢:リヨンから南50㎞程にあるオートリーヴにある理想宮は郵便配達員ジョゼフ=フェルディナン・シュヴァルが一人で、全て手作りで作り上げたもの。1879年から33年間、9万3000時間をかけたと映画の公式サイトに書かれている。その彼と家族の人生を描くフランス映画。

 

再会の夏:第1次世界大戦終戦後の1919年、フランスの田舎を舞台に戦争の英雄と犬、彼の恋人、彼の罪を裁く軍判事、戦争を巡る物語を描く。原作小説の作者はジャン=クリストフ・リュファンという人で国境なき医師団の創設者という。ジャン・ベッケル監督作品。

 

パリの恋人たち:子供の頃の憧れがずっと続いて大人になった女の子に振り回される男のコメディ、女の子の方が開けてみれば大人になっていたという冷めたもの。

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<日本映画>
芝居道:長谷川一夫と山田五十鈴のコンビによる芸道物の第2弾。1944年の作品だが、第1段は6年前の「鶴八鶴次郎」で共に成瀬己喜男監督による作品だ。時代的に仕方のないことだが、女性が男の成長のために犠牲になるという作りが今見れば気になる。女性の才能も凄いものであったのでなおさら。山田五十鈴の芸も素晴らしい。

 

 

<外国映画>
<フィルム・ノワールⅢ>渋谷シネマヴェーラで12/14~1/17での特集上映の5本を見た。中では次の2本が面白かった。
真昼の暴動:ジュールス・ダッシン監督の1947年作は、刑務所を舞台に脱獄を目指す囚人たちと、非道な看守長との闘いを乾いたタッチで描く。デビュー間もないバート・ランカスターが精悍で初々しい演技。ジュールス・ダッシンについて調べていたら、赤狩りの頃ヨーロッパに活躍の場を移した(代表作はギリシャが舞台の「日曜はダメよ」)彼の息子ジョーは歌手になったとあった。シャンソン歌手ジョー・ダッサン(「オー・シャンゼリゼ」のオリジナル歌手)がその息子だったのだ。知らなかった。
三人の狙撃者:原題のSuddenlyは実は映画が舞台にしている町の名前。架空の町だろうが、そこに大統領列車が突然やってくることに。大統領のシークレットサービスと、狙撃を狙う3人組との闘い、それに巻き込まれる丘の上の家族のサスペンス。77分スッキリ映画。

 

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー

 

11/29「花様年華」ル・シネマ 渡辺祥子/ル・シネマ番組編成者/キネマ旬報編集者
渋谷ル・シネマは開館30年、キネマ旬報は創刊100年を記念して評論家渡辺祥子さんを挟んでのトークショーは、映画が始まる前に行われた。
まずは「花様年華」の主演スター、トニー・レオンのスーツ姿がいかに格好良かったかという話に。確かに彼はスーツをずっと着ていて、上着を脱ぐのは1回ほどしかなかったという印象。映画公開に合わせて彼が来日した時、インタビューに行くとジャージー姿で出てきたのでがっかりしたとか。
相手役のマギー・チャンはチャイナドレス一筋、映画で着ていたのは多分30着以上ではないか。登場するたび違うドレスを着ている。チャイナドレスは襟の高さで年齢が分かるという。マギーの衣装は襟が10㎝くらいの高さで大変だったらしい。映画を見ると正に。
この映画はエレガンスの極地としてヨーロッパでも人気が高い。その洗練さはこの二人の衣装から来ているところもある。

 

 

 

 

 

Ⅳ 今月のつぶやき


●北極圏を舞台にほぼ一人の出演者(正確に言えば助けに来たヘリコプターに乗っていて負傷して寝ている女性と、死んだパイロットがいる)という「残された者―北の極地―」は、主人公の頑張りを、降りかかってくる苦難をしっかり描いて偉い。

 

●今月のトークショーに書いた「花様年華」は久しぶりに見ると結構単純な書式(クローズアップの多様とか、設定場所はごく限られているとか、台詞は少ないとか)の上に、独特のペースで作られた映画だったことを発見。

 

●ジャック・ニコルソンの狂気演技が爆発し、人間の怖さが目立った「シャイニング」が原作者から嫌われたため「ドクター・スリープ」は一種のゾンビもの(?)風に作られているが、印象度は弱くなっている。このあたりが難しいところだ。

 

●2006年に製作された青山真治監督の「こおろぎ」がやっと公開された。映画祭等では上映されたことがあったのだが、お蔵入りになっていたのだ。国際的にも評価が高いとされる青山監督、映画監督、小説家、音楽家、映画批評家とWikipediaには書かれている。期待もしたのだが、よく分からない、私にとっては意味不明の映画だった。今回の突然の公開は作品が初ソフト化される(2020年1月発売)のに合わせてのものらしい。

 

●国内主要ミステリー賞4冠達成!というのが惹句として謳われていた「屍人荘の殺人」は、それ本当ですかとお返ししたい作品になっていた。

 

●実話からの映画化作品では最後に本人の画像が出されることが多い。「テッド・バンディ」では何種類かの動画が写されるが、実際のバンディは演じたザック・エフロンより知的な風貌で美男。アメリカでは彼の犯罪は良く知られていて映画はその総てを描いてはいないが、30人以上を殺害などの犯罪内容をWikipediaで知ると“極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣”(日本では惹句として使われている)というこの映画の原題もうなずける。

 

●ちょっと頬が張り過ぎじゃないかと感じたのは「パリの恋人たち」に出ていたリリー=ローズ・デップを見た時。やっと20歳、もう変わることはないだろうか?

 

●いかにもアメリカっぽくリメイクされたなと思ったのは「THE UPSIDE/最強のふたり」を見た時だ。なかなかにスマートに映画化されているが、2人の格差の描き方が大幅にアップの印象。やり過ぎでは?本家フランス版の方が優しかったな。

 

 

 

 

 

 



今月のトピックス:東海テレビ 
          恒例の決算報告


Ⅰ 東海テレビ


テレビ局の映画といえば、フジ、日テレ、TBS、テレ朝等のキー局が作る劇映画が思い浮かぶが、地方局が頑張っているのがドキュメンタリーの分野である。テレビは日常の情景を長い期間にわたって写し、放映するという形が向いているメディでもある。地元に密着して人々の生活を定点観測的に撮っていくという地道な作業である。
ドキュメンタリーの基本ともいえるこうした製作方法から生まれてきたテレビのドキュメンタリー。それを全国の人にも見てもらいたいと映画にして公開してきたのが東海テレビだ。大学時代まで東海地方にいたので馴染みのTV局だが、ドキュメンタリーの印象はなかった。フジテレビ系列で、先行していたTBS系列のCBCには後れを取っていた。
12月7日の朝日新聞土曜版に東海テレビ放送ゼネラルプロデューサーの阿武野勝彦さんが大きく取り上げられている。そのインタビュー記事を読むと“東海テレビにはドキュメンタリーをきちんと時間をかけて撮っていいという伝統とフィールドがあります。“と語っている。今年60歳の阿武野さんは1982年頃の入社だろう。71年には東京に来てしまった私の知らない伝統が育っていたのかもしれない。
東海テレビ制作のドキュメンタリーの特集上映が、東中野のポレポレで「東海テレビドキュメンタリーのお歳暮」として15本で行われている。12/14~28なので間もなく終了だ。
作品幅は広く、戸塚ヨットスクールの戸塚校長に焦点を合わせた「平成ジレンマ」、弁護士・安田義弘の生きざまを描く「死刑弁護人」、樹木希林が伊勢神宮を案内する「神宮希林」、本物のヤクザの世界でカメラを回した「ヤクザと憲法」、そして最大のヒットとなった「人生フルーツ」(建築家津端修一夫妻の生活)など一括りにはできない作品群だ。

 

1月2日から新作が公開される。場所は同じくポレポレ東中野、作品は「さよならテレビ」だ。自社の報道部にカメラを入れたというのだ。既にマスコミでは話題になっている。朝日新聞の記事もこの作品を受けてのものだ。自社の見苦しい姿は見せないというか、隠すというメディアが多い中、その姿勢が話題になっている。
私もまだ見ていないので、これ以上の情報はお伝え出来ないが、正月早々愉しみではある。

 

 

 

 

Ⅱ 恒例の決算報告


決算報告は年度末、年末にふさわしい行事です。
見せよう会通信の2019年1月号~12月号の報告です。

 

期間: 2018/12/26 ~ 2019/12/25
支出額: 492460円
映画本数: 545本
1本当たり金額: 904円

 

昨年に比べると本数で8本、1本当たり金額で15円がアップしました。
料金的なアップは消費税増税時に一般料金、シニア料金共に100円アップの映画館が多くなったためです。この料金アップは地域や映画館によって違いがあり、値上げせず1800円、1200円のままのところもあります。今回100円アップなのに、そこまで上昇しなかったのは、TOHOシネマズのシネマイレージカードで、6000マイル(見た映画の分数計)で1ヶ月無料パスをついに2回ゲットしたのも一つの要因です。ただし、この制度は今年で終了。

 

以上のように入場料金が一定ではありませんが、基本的にはアップしました。改めて如何にして映画を安く見るかをお伝えしたいと思います。


1.(一般料金の方だけですが)前売り券を買う。公開が始まっていても売られています。


2.(回数をある程度見る方は)映画館の会員制度を利用する。
多くの制度で6回観れば1回は無料という割引があります。(有効期限などに注意)


3. 毎月1日の映画の日割引を利用する(1900→1200円)。12/01は1900→1000円。
映画館によって女性の日(水曜日、一部金曜日)、誰でもの日(水曜日)等の割引あり。
東宝シネマは毎月14日(トーフォーですね)が誰でも1200円とかもあります。


4. クレジットカードによっては特定映画館の割引制度を有しているものがあります。

 

5. 株主優待券を利用するため、映画会社の株を買う。(投資が必要です)

 

 

 

 

Ⅲ フランスの2世監督

 

今月は5本のフランス映画を見たが、そのうち3本が2世監督によって作られていた。
シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢:監督ニルス・タヴェルニエはベルトラン・タヴェルニエ監督の息子。父のベルトランは「田舎の日曜日」でカンヌ映画祭監督賞など、かなりの受賞歴がある。ニルスは父の作品で俳優としてデビュー、1977~94年を俳優として活躍後、ドキュメンタリー映画の監督となりパリ・オペラ座バレエ団の裏を追った「エトワール」は日本でもヒットした。その後劇映画の監督を始め、今回が3作目となる54歳だ。

 

再会の夏:監督ジャン・ベッケルはジャック・ベッケル監督の息子。父のジャックは「肉体の冠」「現金(げんなま)に手を出すな」「モンパルナスの灯」「穴」等の作品が日本でも高い人気・評価を得ている。1960年53歳で病死している。息子ジャンは1933年生まれの86歳で大ベテラン。1960年「勝負(かた)をつけろ」、1966年「タヒチの男」、1983年「殺意の夏」、1999年「クリクリのいた夏」等コンスタントに監督している。

 

パリの恋人たち:監督・主演のルイ・ガレルはフィリップ・ガレル監督の息子。1983年生まれの36歳。父のフィリップは現在71歳、ヌーヴェルヴァーグ以後では最も重要な監督の一人といわれ作品数も多く、映画祭での受賞も多いが私は殆ど見ていない。息子のルイは父の作品の多くに出演・主演し、俳優のキャリアを積んできた。2015年に長編映画を初監督し、今回が2作目となる。

 

偶然にも2世監督が3人揃ったからといって、だから何?と言われそう。日本ではそれほど聞かない。最近では深作(欣二→健太)くらいか?政界にはわんさかいるんだけどね。

 

 

 

Ⅳ 続々・全面広告


正月映画の時期となった全面広告。先月号より増えています。続々編で終了予定です。


11/27 朝刊 「アイリッシュマン」 全2面 11/15封切り11/27より         Netflixで配信
12/06 朝刊 「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」 
        全1面12/20封切り
12/06 朝刊 「カツベン」 全1面 12/13封切り
12/07 朝刊 「男はつらいよ50 お帰り寅さん」 全1面 12/27封切り
12/13 朝刊 「アナと雪の女王2」 全1面 12/06封切り
12/13 朝刊 「この世界のさらにいくつもの片隅に」全1面 
        12/20封切り
12/13 朝刊 「屍人荘の殺人」 全1面 12/13封切り
12/20 朝刊 「男はつらいよ50 お帰り寅さん」 全1面 12/27封切り

 

 

 

 

 

今月はここまで。
次号は寒さ厳しき折と思われる1月25日にお送りします。

 


                         - 神谷二三夫 -


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