
2023年6月号 映画館の最近
2023年6月号 映画館の最近
走り梅雨なんて現象を今年改めて知ったこの頃、
人生いくつになっても知らないことばかり。
だからいくつになっても楽しい。
知らなかった、新しい出来事に出会う、
そう、それは映画館で!
4/26~5/25のゼレンスキー大統領が来日した30日間に出会った作品は39本、邦/洋画は12/27、新/旧は30/9となりました。
作品名の後ろに上映時間が分単位で書かれているのは、上映時間が120分以上の作品。今月のトピックス Ⅲなが~いを参照してください。
今月のベストスリー
① TAR/ター
リディア・ターは女性指揮者でベルリンフィルの首席指揮者。彼女についての物語は脚本・監督をしたトッド・フィールズがオリジナルに書いたフィクション。彼はケイト・ブランシェットを想定して書き、彼女が出演しなければ製作しないと決めていたようだ。指揮者という権力者の姿を描いてこれほどインパクトのある作品を作りえたのは、こうした作り手たちの情熱が上手く結実したからだろう。特にケイト・ブランシェットには圧倒される。
② EO
EOはポーランドのサーカスで活躍するロバの名前。ある時連れ出されたEOはその後放浪の旅をつづけ、色々な人、国を訪れるというお話。イエジー・スコリモフスキ監督は、かつてロベール・ブレッソンの「バルタザールどこへ行く」に感動し、同じロバが主人公の寓話映画を作ったという。ユーモラスで悲し気で無邪気なEOの旅を楽しもう。
③ 最後まで行く
2014年の韓国映画「最後まで行く」のリメイク。話の面白さが際立っていたオリジナルの良い点を活かし、更にスケールアップしたと思われる極上のエンターテイメント。岡田准一、綾野剛の2大スターを十分に活かし、アップテンポで進んでいく映画は、監督・脚本(脚本は共同)の藤井道人にとっても飛躍の作品と思われる。