見せよう会通信

映画はいつも今が一番おもしろい!
今月のお勧めベスト!
”見せよう会通信”では
最新の映画へのご案内をしております
すべて神谷二三夫が独自の視点で
書いているものであります
皆様が映画を楽しまれる時の
ご参考にしてください

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2024年8月号  最近の映画料金

 

 

蒸し暑い日が続きます。
梅雨が明けたとはいえ湿度は高い。
ムシムシ、ベタベタで嫌な気分。
そんな時スカッとするのは、
そう、映画館。



 

6/26~7/25の東京では雨の少ない梅雨だった30日間に出会った作品は47本、
邦/洋画は11/36と洋画が邦画を圧倒しました。
新作も11/26と洋画が邦画の2倍以上。
旧作は洋画だけで10本でした。


 

 

  今月のベストスリー

 

① ある一生
同名の原作小説を書いたローベルト・ゼーターラーはオーストリアの作家。俳優として活躍の後、2006年に作家デビュー、2014年の「ある一生」はドイツで100万部を突破している。1900年頃のオーストリア・アルプス、孤児の少年が遠い親戚の農場にやってくる。家族として扱われることはなく…。このアンドレアス・エッガーという無名の人間の一生を80年に渡って描く。美しいアルプスの風景の中で、暴力、戦争、貧困に耐えて生きてきた人生を描いたのは、ハンス・シュタインビッヒラー監督。

 

②-1 フィリップ
ポーランドの作家レオポルド・ティルマンドが自分の経験を書いた原作は、検閲で大幅に削除されて1961年に出版されたもののすぐに発行禁止、作家が1985年に亡くなった後2022年にやっとオリジナル版が出版となった。1942年フランクフルトのホテルで働くフィリップは、フランス人と自称しているが、実はポーランド出身のユダヤ人。冷酷でシニカルな仮面をかぶる主人公を描いたのはミハウ・クフィェチンスキ監督。

 

②-2 リッチランド
1942年に核燃料生産拠点としてワシントン州ハンフォードサイトが選ばれた。1943年からの生産に向けて、そのベッドタウンとしてリッチランドに突如25000人がやってくる。そこで作られたプルトニウムが長崎に投下された原爆に使われていたという。そこにある高校の記章はキノコ雲にRというもの。ちょっと驚く。今月のトークショー参照。

 

③-1 密輸1970
今の韓国映画の強さは、物語が徹底的に練られていること。今作も止まるところを知らない突っ走りぶりで、見る者を引っ張って行く。半世紀以上前の時代の粗っぽさをそのままに、海女・密輸王・チンピラ・税関の戦いが笑いと共に描かれる。監督はあの「モガディッシュ 脱出までの14日間」のリュ・スンワン、51歳。

 

③-2 お母さんが一緒
劇場関係はほとんど知らないので、この作品がペヤンヌマキという人の舞台作品からの映画化とは知らなかった。母親が出てこないなど、如何にも舞台劇らしい雰囲気はあるが。その作品を脚色・監督したのは橋口亮輔で、9年ぶりの映画作品らしい。三姉妹を江口のりこ、内田慈、古川琴音が演じ、三女の恋人を青山フォール勝ちが演じる。内田だけは同じ役で舞台に出ていたとか。今月一番笑った作品。

 



 

 

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