2026年3月号
映画館はコンサートホール?演劇場?
2026年3月号
映画館はコンサートホール?演劇場?
季節の変わり目は行きつ戻りつ変化していく。
2月は寒い日と暖かい日が交互にやってきた。
そうして少しずつ春になっていく。
どんな変化があろうとも心落ち着くのは、
そう、映画館。
1/26~2/25の冬になったり、春になったりの31日間に出会った
作品は45本、邦/洋画は10/35となり、洋画の勝ち。
今月のベストスリー
1 クライム101
犯罪小説の巨匠ドン・ウィンズロウの小説を原作としたクライムアクション。ロサンゼルスの国道101号線沿いで発生する多くの強盗事件。犯人、刑事、保険会社の女性社員、犯罪組織の若い男など、多くの人物を登場させ、それぞれの行動を細かく描くこの映画はまるで群像劇のよう。彼らの生き方を見せてくれる。クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、ハル・ベリー、バリー・コーガン、ニック・ノルティが出演。監督・脚本・製作の一人三役はバート・レイトン。初めて聞く名前だが、イギリスでドキュメンタリーを作って受賞、2018年に「アメリカン・アニマル」を監督した後は脚本家として活躍、今回が久しぶりの監督作となる。ヘムズワースの影の部分をうまく生かしていた。
2 センチメンタル・バリュー
監督はデンマークのヨアキム・トリアーで51歳。ラース・フォン・トリアー監督(「奇跡の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」など)とは遠縁にあたるらしい。作品は映画監督の父親と女優である長女の葛藤を描く。父親とはいえ、20年くらい前に家族を捨て家を出てしまっていた。そんな父親が長女に新作の主演をしてくれと依頼に来るのだ。撮影は家族で暮らしていた実家だという。父娘であるからこそ許せないという感情がわきあがり、拒否をするのだが…。家族は一面最も難しい人間関係かもと思わせる。
3-1 アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス
このなんとも長い題名の映画はフィリピンからやってきた。今までフィリピン映画を見たことはあったろうか?思い出せない。今回の映画はほぼ会話劇といえる。しかも二人が机を挟んで語り合うという、まさに動きのない映画なのだ。しかし、面白さに満ちている。これには驚いた。脚本がしっかりしているといえる。脚本を書き監督したのはジョン・ロブレス・ラナ。脚本デビュー作「SA PUSOD NG DAGAT」(1998)は“フィリピンで最も権威ある文学賞「パランカ賞」の殿堂入りを最年少で果たす”と映画の公式サイトにある。さらにフィリピンでは舞台化も決定しているという。
3-2 黒の牛
日本を舞台にした映画だが、製作(資本)は日本・アメリカ・台湾となっている。監督は蔦哲一朗で脚本も手掛け、8年をかけて完成させた。禅の悟りまでを10枚の牛の絵で表した「十牛図」に着想を得たという。白黒の画面で山間の男を演じるのは台湾のリー・カンション、台詞はごく少なく、いわば映像詩的な作品で主演を務めている。

