見せよう会通信

映画はいつも今が一番おもしろい!
今月のお勧めベスト!
”見せよう会通信”では
最新の映画へのご案内をしております
すべて神谷二三夫が独自の視点で
書いているものであります
皆様が映画を楽しまれる時の
ご参考にしてください

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2023年10月号  アメコミ映画はお好き?

 

 

最低気温が20度を下回り始めたこの頃、
秋を感じられるようになってきた。
しかし油断は禁物、まだ夏日がやってきそうだ。
そんな季節を感じながら、
ゆったり楽しむのは、そう映画館で!


 

8/26~9/25のやっと少しは涼しくなったかの31日間に

出会った作品は35本、北海道に出かけたりして、本数は少し減っています。
邦/洋画は7/28と外国映画の本数が多くなりました。
新/旧作は32/3と旧作が少なめ。
邦洋共に力のある映画が揃いました。


 

 

  今月のベストスリー

 

①-1 あしたの少女
韓国の女性監督チョン・ジュリの長編第2作。前作2014年の「わたしの少女」に引き続き繊細に女性の内面を描きながら、結構強い映画を見せてくれる。まるで2部作のように前編は少女が追い込まれて自殺するに至る過程を描き、後半は捜査に関わった女性刑事のハードボイルド的社会派ドラマ。共に見応え十分。

 

①—2 熊は、いない
今月「君は行く先を知らない」を見せてくれたパナー・パナヒ監督の父親ジャファル・パナヒの新作。政府から2010年に“イラン国家の安全を脅かした罪”として20年間の映画制作禁止と出国禁止を言い渡されたパナヒ監督。それでも2010年以降はこの作品も含め5本を総て極秘に撮影。この作品の後、2010年に言い渡された禁固刑に服するために収監されたという。

 

②-1 福田村事件
関東大震災があった1923年9月1日から6日目、千葉県福田村で起こった集団の殺人事件を描く。関東大震災で巻き起こった「朝鮮人が毒を井戸に入れている」と言った流言飛語が千葉の田舎の村にも影響し、高知県からやってきた15名ほどの薬の行商人グループが、言葉が分からないとして朝鮮人と間違われ殺されてしまうのだ。今や歴史から忘れ去られた福田村事件を森達也が映画化。

 

-2 バカ塗りの娘
漆の津軽塗職人の父親と娘の生活を描く。父と娘、伝統文化の継承、女性の職業などの問題を描きながら、登場人物のそれぞれを細かく描いていく。久しぶりにじっくり描かれた日本映画。監督は鶴岡慧子、34歳とは思えぬ落ち着きが感じられる。

 

③-1 君は行く先を知らない
題名通り我々は行く先を知りえない。足をギブスに包まれた父親、そのギブスに悪戯する幼い次男、運転席はどこかに行く大人の長男、助手席には時に運転もする母親の4人のロードムービー。始まりから終わりまで車で走りながらの映画は空前絶後。不思議な到着点は分かっている人でないと分からないというままだ。イラン映画の巨匠ジャファル・パナヒの長男パナー・パナヒ(1984年生)の長編デビュー作。

 

③-2 ヒンターラント
第一次大戦後ロシアでの長い捕虜生活から帰国した元刑事のペーター。その彼の周辺で起きる猟奇的な殺人事件、悪夢のような展開になる。こうした物語を描く画面が強く印象に残る。脚本・監督はステファン・ルツォヴィツキー、以前の作品には「ヒトラーの贋札」がある。

 

 

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