2021年 5月号back

 

GWといえば出かけたくなるが、
東京など4都府県は再び緊急事態宣言が出されている。
本当にワクチンを早く接種するのが肝心のようだ。
厳しい現実に疲れた時、そっと心を休めたい時は、
そう、映画館!と言いたいところだが…。

 

 

 

今月の映画

 

3/26~4/25の3度目の緊急事態宣言が発出された31日間に出会った作品は45本。
邦洋画比は23/22でほぼ同数だが、邦画の半数近くは旧作になった。
作品は徐々に充実しつつある。



<日本映画>

   23本(新12本+旧11本)

【新作】
コントラ Kontora 
騙し絵の牙 
きまじめ楽隊のぼんやり戦争 
劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班 
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を造ったら~ 
ホムンクルス 
砕け散るところを見せてあげる 
ターコイズの空の下で 
BLUE/ブルー 
街の上で 
きみが死んだあとで 
るろうに剣心 最終章The Final

 

 

【旧作】
<1980年代日本映画—試行と新生>
ウホッホ探検隊

<生誕110年 森雅之 孤高のダンディズム>
女房学校、 
楊貴妃

 

<オーシマ、モン・アムール>
帰ってきたヨッパライ 
新宿泥棒日記 
悦楽 
少年 
夏の妹 
飼育 
青春残酷物語 
東京戦争戦後秘話

 

 

<外国映画>

   22本(新22本+旧0本)

【新作】
旅立つ息子へ
  (Here We Are) 
ノマドランド
  (Nomadland) 
テスラ エジソンが恐れた天才
  (Tesla) 
フィールズ・グッド・マン
  (Feels Good Man) 
狼を探して
  ( East Asia Abti-Japan Armed Front) 
モンスター・ハンター
  (Monster Hunter) 
巡礼の約束
  (阿拉姜色 / Ala Changso) 
水を抱く女
  (Undine) 
サンドラの小さな家
  (Herself)
僕が跳びはねる理由
  (The Reason I Jump) 
アンモナイトの目覚め
  (Ammonite) 
21ブリッジ
  (21 Bridges) 
ザ・バッド・ガイズ
  (The Bad Guys: Reign of Chaos) 
ザ・スイッチ
  (Freaky) 
ドリームランド
  (Dreamland) 
パームスプリングス
  (Palm Springs) 
AVA/エヴァ
  (Ava) 
ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに
  (The Vow from Hiroshima) 
約束の宇宙(そら)
  (Proxima) 
ブックセラーズ
  (The Booksellers)
グランパ・ウォーズおじいちゃんと僕の宣戦布告
  (The War with Granpa)

 

【試写】
グリード ファストファッション帝国の真実
  (Greed)

 

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)

 

①-1 ノマドランド
ノマドとは遊牧民、アメリカを遊牧民のように車で移動しながら、家を持たず車内で暮らす人々。夫の死後そうした人々が駐車している場所を渡り歩きながら、そこで出会う人々と親しく交わりながらも、1人で生きていく女性を描く。その厳しく、寂しい生き方は、最終的には彼女自身が選んでいく。中国生まれの女性監督クロエ・ジャドがアメリカを描く。

 

①-2 きみが死んだあとで
1967年10月8日、佐藤栄作総理大臣の南ベトナム訪問阻止を計った第一次羽田闘争で一人の若者が殺された。山崎博昭、18歳だ。彼を知る人々を中心に14人にインタビューし、事件に至るまでと、その後の経過から現在に至るまでを描く3時間20分のドキュメンタリー。それにしても私と同学年の大阪の大手前高校生達の話にはびっくりさせられた。あまりに自分がノンポリだったので。

 

②-1 アンモナイトの目覚め
実在の女性化石学者メアリー・アニングを主人公に、監督フランシス・リーがオリジナルの物語を脚本・監督している。イギリス南西部の英仏海峡に面した町ライム・レジスで語られる女性二人の愛。ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが共演している。揺れ動く彼女たちの感情を繊細に表現している。

 

②-2 街の上で
今までのところ、今年の日本映画では一番笑った映画になった。恋愛映画が多い今泉力哉監督作品なのに、こんなに笑っていいのかと思うほど。要素の一つは主演の若葉竜也のなんだかうろうろしているような演技、さらに脚本に漫画家の大橋博之が加わっていることだろう。今泉監督作品としては一番好きだ。

 

③ BLUE/ブルー
ボクシング映画は何本も作られているが、なかなか勝てないボクサーを主人公に無類に優しい男を描くのは吉田恵輔監督。監督自身が30年来ボクシングをしてきて、自ら脚本を書き殺陣も考えたという。「流した涙や汗、すべての報われなかった努力に花束を渡したい気持ちで作った」と公式サイトで述べている。松山ケンイチも久しぶりにいい。

 

 

 

 

他にも映画館で楽しめる作品が…。(上映が終了しているものもあります。)


コントラKontora:亡くなった祖父が残した日記に書かれた謎の宝を探す孫の女子高生、その町に突然現れた後ろ向きに歩く男、不思議に満ちた映画を作ったのはインド出身のアンシュル・チョウハン監督。力強いモノクロ画面が圧倒的。今月のトーショー参照。

 

騙し絵の牙:昨年映画化された「罪の声」の原作者塩田武士が大泉洋を主人公に想定して書いた同名の原作からの映画化。脚本を書き監督をしたのは吉田大八。「桐島、部活やめるってよ」など溌剌としつつきちんとした映画を撮ってきた監督らしく、面白い。

 

フィールズ・グッド・マン:アメリカの漫画家・アーティスト、マット・フューリーの描くカエルのペペはご存知だろうか?お気楽ではあるが可愛くもないペペだが、作者の意図を離れ右翼が人種差別的なイメージでぺぺを拡散、挙句ヘイトシンボルとして認定されてしまう。それを覆すために闘うのを描く映画。トランプを当選させてしまうのに使われた?

 

狼をさがして:1974年、三菱重工業本社の爆破事件など連続企業爆破事件を起こした東アジア反日武装戦線についてのドキュメンタリーを作ったのは韓国の女性キム・ミレ。事件は知っていても、かかわった人たちの考え方、その後の変遷など日本人の我々が知らないことを教えてくれる。

 

巡礼の約束:2018年のチベット映画は、夫婦の物語。診察の結果重い病があることを知った妻は、聖地ラサへの五体投地による巡礼を開始するが‥。彼女には前夫との間に10歳くらいの息子がいて、今は彼女の両親に育てられている。何故?詳しいことは何も知らされない。巡礼の途中で彼女は倒れ、それを引き継いで現在の夫が五体投地を続けていく。

 

水を抱く女:ドイツの社会派監督クリスティアン・ペッツォルトの新作は、“水の精”神話を現代のベルリンで描くもの。博物館でガイドをしているウンディーネは、聴衆の中にいたクリストフと出会う。“愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない”という切ない話だ。

 

サンドラの小さな家:コロナ禍DVが増加しているらしいが、この作品のテーマもDVだ。幼い娘二人を連れて家を出たサンドラが自分たちの住まいを多くの人の協力を得て建ててしまう物語。DVはそういう環境で育てられて継続するようで、夫の両親がそんな感じ。

 

僕が跳びはねる理由:原作は東田直樹さんの「自閉症の僕が跳びはねる理由」と自閉症が付く。30か国以上の言語でも翻訳出版され、その内容に感激したイギリス人によって映画化された。今月のトピックス参照。

 

ザ・スイッチ:凶悪な殺人鬼と女子高生の中身がチェンジ。24時間以内に元に戻さないと、一生そのままになってしまうというコメディ。なかなか面白い。

 

ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに:国際的な場で核兵器に反対する演説を行ってきたサーロー節子さんのドキュメンタリー。製作したのは広島出身の被爆二世竹内道さん。長くニューヨークで暮らす彼女が、ニューヨークの学校に話に来られたサーローさんに出会い、長く行動を共にする中で映画の製作を決めたという。今月のトークショー参照。

 

ターコイズの空の下で:実業家の祖父が裕福な家庭で育った自堕落な孫をモンゴルに送り込み、かつてモンゴル女性との間にできた娘をさがさせる。言葉少なく、まるで詩のような映画を脚本・監督したのはKENTARO。海外で育ち、マルチリンガルな俳優として活躍してきたという彼の初の監督作品。今月のトークショー参照。

 

約束の宇宙(そら):珍しくもフランス製の女性宇宙飛行士の物語。ドイツ人の夫と離婚し7歳の娘との二人暮らしだが、1年間の宇宙ステーションでの任務を目指す。ロシアのバイコヌール基地での訓練がきちんと撮られていて結構感心。監督はフランス人女性アリス・ウィンクール。音楽は坂本龍一。最後に流れる実際の女性宇宙飛行士達の写真には山崎さんもいた。

 

グリード ファストファッション帝国の真実:実在のファストファッション王をモデルに作られたというが、ここまで描いて大丈夫?ミコノス島で還暦の大パーティを行う主人公を皮肉を込めて創造したのは監督・脚本のマイケル・ウィンターボトム。6月18日封切り。

 

るろうに剣心 最終章The Final:日本映画のアクションとしてよくできている。脚本・監督をしている大友啓史監督はアクションの連続に合わせてドラマ部分を簡潔にして見やすくしている。

 

 

 

 

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<日本映画>
1980年代日本映画—試行と新生>で、「ウホッホ探検隊」を見た。
干刈あがたの小説から森田芳光が脚本化、根岸吉太郎が監督をした1986年の作品。二人の男の子を育てながら、テレビのインタビュアーとして働く主婦が、仕事の関係で研究所に隔離され別居状態の夫から、突如女の存在を伝えられ、最終的に離婚に至る様をヴィヴィッドに描いて楽しめる。

 

生誕110森雅之 孤高のダンディズム>で見た「楊貴妃」は香港との合作で溝口健二が監督をした1955年の作品。合作とはいえ、すべて日本人俳優を使い日本語で作られているというちょっと不思議な映画。

 

オーシマ、モン・アムール>で大島渚の監督作を8本見た。「絞死刑」「儀式」も観たかったのだが、都合がつかず見ていない。
大島渚といえば現在「愛のコリーダ」と「戦場のメリークリスマス」が修復版としてロードショー公開されている。これらを含め、今までに見た大島作品を思い出してみても、統一したイメージは沸いてこない。特に今回観た作品の中には、何を描きたいのかさえはっきりしないものもあり、混乱させられた。
初期作品を中心に、今回見逃した「絞死刑」「儀式」を加えれば社会派の監督というのが一般的な見方だろう。テレビではドキュメンタリー作品も多く製作していて、社会的な関心が高いことは確かだ。しかし、30本弱のフィクション作品の題名を改めて見てみると、むしろその時々に、時代を先取りか、或いは流行にのってかで製作した作品が多いという気もする。テーマ的にも、製作的にもその時々で一番気になっているものを取り入れていたのではないか?今回見た中で最も共感できた「少年」でさえ当時発生した当たり屋一家事件をモデルに作られている。

 

 

 

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー

 

328日 K’sシネマ 「コントラ」 上映後 アンシュル・チョウハン監督/茂木美那
チョウハン監督と映像製作会社Kowatanda Filmsを立ち上げた茂木美那がプロデューサー兼通訳として登壇された。
監督は1986年インド北部で生まれ、インドでアニメーターとして働いた後2011年に東京に移住、日本でもアニメーションにかかわる仕事に携わった後、2011年にKowatanda Filmsを立ち上げ独立を果たす。
後ろ向きに歩く男は“車の事故で家族を亡くした男性が、過去に戻ろうと後ろ向きに歩き出した”という記事にヒントを得たという。
今回の映画では父親役として出演している山田太一さんに岐阜のロケ地の提供などお世話になり、10日間の撮影期間でも充実した映像を得ることができたとのこと。

 

4月17日 ユーロスペース 「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」 初日1回目の上映前にサーロー節子、竹内道(製作者、出演者)、スーザン・ストリックラー(監督)が参加してZoomにより、オンライントークショーが行われ、同時に封切りされた全国5か所の映画館に配信された。
竹内さんは被爆二世でニューヨーク在住、ニューヨークの学校に話をしに来た節子さんと偶然出会い、それ以来多くの場面で一緒に行動をしてきた。その記録を残そうと4年程かけて映画を製作。原爆当時、祖父が広島日赤の院長をしていた。祖父、および被爆した母との関係等も映画の中で話されている。
サーローさんはトロントの自宅から参加、日本でこの映画が上映されることが嬉しいと話された。核兵器禁止条約が国連で2017年に採択、今年1月に発効したことは核戦争の終わりの始まりだと歓びとともに力強く語られた。

 

4月17日 シネスイッチ 「ターコイズの空の下で」 柳楽優弥、KENTARO(監督)のQ&Aが行われた。
2月26日に東京ではアップリンク渋谷で封切りされた映画が、4月17日から銀座のシネスイッチで上映されるのに合わせて舞台挨拶とQ&Aが行われた。
満席に近く入った館内は柳楽ファンの女性が圧倒的だった。そこに現れた柳楽はそれにふさわしい明るさとオーラを身に付けていた。随分フランクに撮影当時の状況などの話をされた。

 

 

 

 

 

 

Ⅳ 今月のつぶやき


●アメリカに遊牧民がいることを見せてくれた「ノマドランド」はショックだったが、アメリカという国が建国以来新しい土地を求めて常に前進してきたという点を思い出してしまった。安定よりも自由を求めて移動していく人々。ただ、その後ろには貧困化の拡大という事実が張り付いているだろう。夫の死により住まいを失くした主人公は、必然的にノマドとして、仕事を求めて流れていかざるを得なかったというのも怖いことだ。

 

●川を挟んで、まるで会社のように朝9時に始まり夕方5時に終わる戦争を続ける2つの町という設定の「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」は、残念ながら私には面白くなかった。監督・脚本・編集・絵と一人4役で作り上げた池田暁は、多彩な俳優陣を使い、ロボットのように動かしているのだが。

 

●今月もテレビドラマから作られた映画が「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を造ったら~」と2本あったが、事前知識なしで見ると分かりにくい点が見られた。安易に映画にするのは止めてもらいたい。

 

●最近の韓国映画で目立つスターといえばマ・ドンソク、いかにも悪人面した彼にふさわしいのが「ザ・バッド・ガイズ」、警察内部に囚人から選ばれたチームがいるという設定だ。残念なのは、ちょっともたついた映画だったこと。韓国で生まれているが、家族でアメリカに移住し米国籍を取得している。ウィキペディアには1994年に米国でミュージカル俳優としてデビューとあって驚いた。あの人が歌い、踊るのか。

 

 

 

 

 

 



今月のトピックス:自閉症と映画   

 

Ⅰ 自閉症と映画


自閉症という言葉自体は多分50年くらい前に知ったような気がするが、どんな病気なのかを知ることはなかった。字面から自分の中にこもってしまうのかぐらいにしか考えていなかった、お恥ずかしいことに。


1988年、突然ドイツに到着した添乗員から電話をもらった。当時海外パッケージ旅行の手配という仕事をしていた。現地からの電話は参加者の中に母親と息子の家族がいるが、息子さんが騒いでいるというものだった。中学生くらいの息子さんが、飛行機の中でも騒いでいたが、これから始まるバス旅でも騒がれたら他のお客様が我慢できないので、離団させたいというのだ。
息子さんは自閉症だという。自閉症は騒ぐことがあるのだと初めて知った。もちろんお母さんはそうしたことを承知のうえで、少し違う環境に置いてみようという気持ちで参加されたようだった。検討し、ご相談したうえで離団をしていただき、必要なところでは案内人を付けて、帰国していただくことになった。


この件以来自閉症には敏感になったが、それ以降具体的な遭遇はなかった
今月2本の自閉症映画が公開された。


1本は「僕が跳びはねる理由」で、上に書いたように東田さんの本に感銘を受けたイギリス人によって製作された。この原作は映画館でも売っていたので買って読んだが、感激した。自閉症の東田さん(1992年生まれ)が13歳の時に書いたもの。それまで自閉症の子供が何を考え、感じているのかは自閉症の子供の親にさえ確実には分かっていなかった。それを本にしたのだから世界的にも評判になったのだろう。今では30以上の言語に翻訳されているという。東田さんのコミュニケーションツールとして文字盤が使われていることを知らなければ、映画の中でアルファベットボードが使われている意味がよくは分からないはず。


もう1本はイスラエルで製作された「旅立つ息子へ」である。年齢ははっきり示されないが、20歳に近い息子が自閉症で人とうまく交わることができない。妻と別居して息子と二人暮らしの父親は、全寮制の施設に入れようとする妻に反対して、息子と2人だけで旅に出る。

 

昔から自閉症的人物が映画に登場することはあった。例えば「レインマン」のダスティン・ホフマンなどだ。今月見た映画でも「砕け散るところを見せてあげる」のいじめにあう女子高生は自閉症かと疑ったが、どうも違ったようだ。

 

 

 

 

 

 

Ⅱ 緊急事態宣言が始まった


3度目の緊急事態宣言が発出され、東京都、大阪府、京都府、兵庫県で本日4月25日から5月11日迄の期間実施されることになった。
とりあえず、東京の映画館状況をお伝えする。


シネコンは全て休館となった:TOHOシネマズ、ユナイテッドシネマ、イオンシネマズ、109シネマズ、新宿ピカデリー、新宿バルト9


全面休館となる映画館:角川シネマ有楽町、丸の内TOEI、丸の内ピカデリー、シネスイッチ、東劇、ル・シネマ、シネクイント、White Cine Quinto、ヒューマックス渋谷、シネマート新宿、神保町シアター、シネリーブル池袋


4/25~26は営業、4/27~は今後決定:ヒューマックス有楽町、ヒューマックス渋谷、テアトル新宿、キネカ大森、アップリンク渋谷、シネマヴェーラ、新文芸坐


営業を続ける:イメージフォーラム、ユーロスペース、新宿武蔵野館、シネマカリテ、K’sシネマ、岩波ホール

 

営業を続ける映画館も、時短(20:00まで等)や座席減(1席空けなど)をするところが多い。

 

 

 

 

 

 

Ⅲ アカデミー賞


日本時間で明日26日の昼頃には結果が分かるアカデミー賞。予想がいかに当たったか、当たらなかったかをすぐチェックできるよう、ノミネーションと私の予想◎を、再掲載します。

 

 

作品賞(未見/全本数 3/8):やはり本命ですねという実感。
◎ノマドランド、 ミナリ、 シカゴ7裁判、 プロミシング・ヤング・ウーマン、 サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~、 マンク、 ファーザー
Judas and the Black Messiah

 

監督賞(未見2/5):フィンチャーもいい線だが、やはりこれも本命か。
◎クロエ・ジャオ(ノマドランド)、 デビッド・フィンチャー(マンク)、 リー・アイザック・チェン(ミナリ)、 エメラルド・フェネル(プロミシング・ヤング・ウーマン)、 トマス・ビンターベア(Another Round)

 

主演男優賞(未見2/5):既に亡くなっていることもありボーズマンが取るでしょう。
◎チャドウィック・ボーズマン(マ・レイニーのブラックボトム)、 アンソニー・ホプキンス(ファーザー)、 リズ・アーメッド(サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~)、 スティーヴン・ユァン(ミナリ)、 ゲイリー・オールドマン(マンク)

 

主演女優賞(未見4/5):「ノマドランド」を見てマクドーマンドが3度目かもですが。
◎キャリー・マリガン(プロミシング・ヤング・ウーマン)、 フランシス・マクドーマンド(ノマドランド)、 ヴィオラ・デービス(マ・レイニーのブラックボトム)、 アンドラ・デイ(ユナイテッド・ステイツvsビリー・ホリディ)、 バネッサ・カービー(私というパズル)

 

助演男優賞(未見4/5):唯一見たサーシャ・バロン・コーエンにしてみた。
ダニエル・カルーヤ(Judas and the Black Messiah)、 ◎サーシャ・バロン・コーエン(シカゴ7裁判)、 ポール・レイシー(サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~)、 レスリー・オドム・ジュニア(あの夜、マイアミで)、 ラキース・スタンフィールド(Judas and the Black Messiah)

 

助演女優賞(未見1/5):ミナリではこの辛口お婆さん俳優だけでしょう。
◎ユン・ヨジョン(ミナリ)、 オリビア・コールマン(ファーザー)、 グレン・クローズ(ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌)、 マリア・バカローバ(続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画)、 アマンダ・サイフリッド(マンク)

 

 

 

 

 

 

 

Ⅳ ターコイズの変遷


「ターコイズの空の下に」は2月26日に、東京ではアップリンク渋谷でロードショーが始まった。それから2か月近くたった4月17日に銀座シネスイッチで公開され、柳楽優弥、KENTARO監督の挨拶があった、まるで初めてのロードショーのように。この作品はシネスイッチに来るまでに新宿ピカデリーでもロードショーされていた。
最近こんな風に、オリジナルの封切館でのロードショーの後、別のロードショー館に移って上映されることが度々ある。想像するに、作品不足から少しでもヒットした作品を映画館が欲しがっているのだろう。
それにしても「ターコイズ」のように再初日挨拶があるのは例外だろう。

 

 

 

 

 

 

 1900円


漫画を原作とする「ホムンクルス」は、清水崇監督でかなり凝った映像の映画だが、内容はともかく、特別価格とかで1900円均一となっていた。その理由がよく分からない。噂によれば、配信より先に上映するからというのだが、本当か?

 

 

 

 

 

 

 

 アップリンクの閉館


昨年館主のパワハラ事件があったアップリンク、事件自体は解決したが、コロナ禍で営業が伸びず、アップリンク渋谷の閉館が発表された。5月20日までの営業だという。
通常の椅子ではなく、何とも不思議な椅子(以前よりは良くなったが)の3スクリーンで、圧倒的な作品数を上映してきたので、ちょっと心配ではある。

 

 

 

 

今月はここまで。
次号は緊急事態宣言は終了しているだろうかの5月25日にお送りします。

 

 


                         - 神谷二三夫 -


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