2024年5月号 シネコン上映から見る日本の映画状況back

 

開花時までの天候の関係か、

今年の桜は色々な種類が重なるように咲いたという噂。

重なって忙しい中でも落ち着いて事に当たるためには、

心落ち着ける必要が。

そう、それには映画館!

 

 

 

 

 

今月の映画

 

3/264/25GWに向けてのワクワク感が高まる31日間に出会った作品は36本、邦/洋画は8/28と洋画が圧勝、旧作7本もすべて洋画でした。

新作は8/21となり、洋画が邦画の約2.5倍となった。

今月のトピックスで日本映画が外国映画を圧倒しているとお伝えしているが、 日本映画のヒット作はアニメ作品が多く、その多くを見ていないのでこうした結果となっている。

 

 



<日本映画>

   8本(新8本+旧0本)

【新作】

青春ジャック 止められるか俺たちを2 

フィシスの波文 

戦雲いくさふむ 

コウイン光陰 

クラユカバ 

霧の淵 

陰陽師0 

94歳のゲイ

 

<外国映画>

   28本(新21本+旧7本)

【新作】
ナチ刑法175

  (Paragraph 175)

ゴーストバスターズ フローズンサマー

  (Ghostbusters: Frozen Empire)

オッペンハイマー

  (Oppenheimer) 

RHEINGOLDラインゴールド

  (Rheingold) 

パリブレスト 夢をかなえたスイーツ

  (A La Belle Etoile / Sugar and Stars)

美と殺戮のすべて

  (All The Beauty and The Bloodshed) 

ザ・エクスチェンジ

  (06MIH / Exchange)

ブルックリンでオペラを

  (She Came to Me)

パストライブス/再会

  (Past Lives)

フォロウィング

  (Following)

アイアンクロウ

  (The Iron Claw)

オーメン ザ・ファースト

  (The First Omen)

ゴッドランド/GODLAND

  (Vanskabte Land / Godland)

リンダはチキンが食べたい!

  (Linda Veut Du Poulet! / Chicken for Linda!) 

プリシラ

  (Priscilla)

No.10

  (Nr.10 / No.10)

リトル・エッラ

  (Lill -Zlatan dch Morbror Raring
  / Mini-Zlatan and Uncle Darling)

劇場版 再会長江

成功したオタク

  (Fanatic)

 

【試写】

ハロルド・フライのまさかの旅立ち

  (The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry)

  (67日公開)

ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命

  (One Life)

  (621日公開)

 

【旧作】 

ピアノレッスン

  (Piano) 

 

<ザッツ・コメディアンズ・ワンス・モア>
吾輩はカモである

  (Duck Soup) 
モロッコへの道

  (Road to Morocco)
毒薬と老嬢

  (Arsenic and Old Lace)
御冗談でショ

  (Horse Feathers) 
オペラは踊る

  (A Night at The Opera)
虹を掴む男

  (The Secret Life of Walter Mitty)

 

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)


① オッペンハイマー

クリストファー・ノーラン監督の新作。原子爆弾の開発者J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を描く。

特にアメリカの「マンハッタン計画」に参加して原爆開発を進める前半部分に圧倒的な描写力を発揮している。

速いテンポで展開される物語についていくのは大変だ。

分からない部分もあるが、むしろ見ていられる喜びの方が強い。

日本でも様々な観点から語られているこの作品、今年のアカデミー賞では作品賞、監督賞、 主演男優賞など7部門で受賞している。どちらかと言えば軽い俳優と言った 印象だったキリアン・マーフィーやロバート・ダウニーJrも圧倒的な演技だった。

 

-1  フィシスの波文

唐紙(からかみ)は襖(ふすま)のことくらいの意識しかなかった。

現代ではほとんど使われることがない日本間のしきりだ。この映画を見て、

唐紙の文様が太古から取り入れられているフィシス(あるがままの自然)の文様であることを知った。

さらに京都の唐紙工房「唐長」には650種類もの板木があり、 それを使って和紙に手摺で文様を定着させることも知ったのだ。

繊細に作られたドキュメンタリーが美を伝えてくれる。今月のトークショー参照。

 

-2 戦雲いくさふむ

沖縄についての作品を作り続けている三上智恵監督の新作。

石垣島に自衛隊が駐屯基地を作ったことは知っていたが、与那国島、宮古島も

こんなことになっていたとは知らなかった。

軍事拠点化、兵站基地化が進み、対中国の前線基地のようである。

沖縄だけにそうした負担をさせていることを日本人のほとんどは知らないのでは?

三上監督は頑張っている。多くの日本人必見!

 

-3  劇場版 再会長江

近くにある大国、中国のことを今の日本人はそれほど知らない。むしろどんどん離れている印象だ。

そんな時このドキュメンタリーを見ると、今の、知らない中国に出会う事ができる。

さらに、アジア最大の河、長江沿いの様々な映像が、行ってみたい、見てみたい気持ちを刺激する。

2011年に「長江 天と地の大紀行」を作った後、2013年に中国に移住した竹内亮監督が、 前作では行けなかった長江の最初の1滴の映像を求めて再び訪ねるドキュメンタリー。

広大な中国の姿が見える快作、お勧めします。

 

③ 青春ジャック 止められるか俺たちを2

2018年の若松プロを中心に描かれた初作「止められるか俺たちを」の第2弾。

若松監督によって作られた映画館シネマスコーレ(名古屋)を中心に、 前作でも脚本を担当していた井上淳一が脚本・監督を担当、更に主人公の一人として活躍する、 勿論俳優(杉田雷麟)が演じているが。

若松を演じる井浦新が前作以上に好演。青春映画として輝いている。

 

 

 

 

他にも映画館で楽しめる映画が沢山。(上映終了済作品もあります。)

 

ゴーストバスターズ フローズンサマー1984年の衝撃的(?!)な第一作以来、 奇妙なおかしさで楽しませるシリーズの4作目。前作「ゴーストバスターズ アフターライフ」の後、 第一作の製作・監督をした生みの親であるアイヴァン・ライトマンが死去している。

息子のジェイソン・ライトマンは今回脚本を担当している。懐かしい面々も出演していて、気楽に楽しめた。

 

RHEINGOLDラインゴールド:ドイツのラッパーで音楽プロデューサーであるカター(Xatar)の 人生を描くファテイ・アキン監督の新作。

イランで音楽家の父親の元に生まれたカターは、イスラム革命で迫害された父親とともにドイツに亡命、 20歳のころヒップホップに興味を持ちストリートでのし上がるためにボクシングジムに通い、 カター(危険)と呼ばれるほどになり、本名ジワから変更してこの名でラッパーとしてデビューする。

そのデビューアルバムは獄中で録音されたものだった…。

 

ザ・エクスチェンジ2022年に製作されたウクライナ映画は、 今回のロシアによるウクライナ侵攻の前に作られた。

2014年のロシアによるクリミア侵攻の後の時代、ウクライナ東部のドネツク州を舞台にしている。

ウクライナ人同士でウクライナ側とロシア側になって戦っている。

ウクライナ兵として戦っていた息子が捕虜になり、身代金を払うために戦場に向かう父親。

どうしても今のウクライナが思い起こされる。ずっと戦争が続いていたのだ。

 

フォロウィング:「オッペンハイマー」の影響か、クリストファー・ノーランの長編デビュー作が公開された。

これまた分かり難い。主に時制を越えて語られるその方法によるのだが、それについていくのが大変だ。

しかし、それは何が起こるか分からないというドキドキ感にあふれていて、見ている我々を引っ張っていく。

いかにもノーランらしい作品。

 

ゴッドランド/GODLAND:火山と氷河、火と氷の国アイスランドを舞台にした映画がやってきた。

監督は1984年アイスランド生まれのフリーヌル・パルマソン、 現在もアイスランドとデンマークに住んでいるという。この二つの国を対峙させ映画を作った。

19世紀の後半、辺境の地に教会を作るためデンマークからやってきた若い牧師が、 特に前半の厳しい自然の中を進むさまはアイスランドの厳しさを実感させる。人物描写も厳しい作品。

 

リンダはチキンが食べたい!:フランス製のアニメは一味違った。如何にも手書きの強弱のある線、 跳ねるように躍動する動き、楽しいコメディに合わせているようだ。

監督脚本はキアラ・マルタ(映画作家)とセバスチャン・ローテンバック(アニメーション作家)のカップル。

女の子が主人公で「地下鉄のザジ」の楽しさを思い出させるところがある。

 

No.10:アレックス・ファン・ヴァーメルダムという1952年オランダ生まれの監督の作品。

この作品が10番目の作品であることで、「No.10」という題名になった。

彼は言っている。「物語を書き始めるときは、これまでに行ったことのない場所に到着するように、 シーンを次々と構築して配置するだけだ。」思いもよらぬ展開になるのはそれ故か。

 

ハロルド・フライのまさかの旅立ち:イングランドの南から北まで約800km 歩いていくハロルド・フライの物語。

昔一緒に働いていた女性からの手紙が届く。ホスピスで死を待つ彼女からのさよならの手紙。

北にあるホスピスまで歩いていくと決め突如歩き始めるフライ。ちょっと驚くイギリス人を描く。

67日公開、5月中旬にはUK Walkerにて紹介。

 

ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命:アンソニー・ホプキンスといえばピーター・オトゥール、

キャサリン・ヘップバーンと共演した映画デビューの「冬のライオン」が忘れられない。

174㎝と小柄ながら、舞台で鍛えられた演技力で二人と対等に渡り合った。

その彼も86歳になったが、重厚な演技は相変わらず。

今回はナチスがチェコスロバキアのズデーデン地方に侵攻する前に

プラハに避難しているユダヤ人を助けようと動いたイギリス人青年の、50年後を演じている。

669人の子どもたちをイギリスに送って救った実話の映画化。

621日公開。5月下旬にUK Walkerにて紹介予定。

 

陰陽師0:夢枕獏原作の映画化。20013年に「陰陽師」「陰陽師Ⅱ」が野村萬斎の主演で作られているが、 今回の映画化は安倍晴明の学生時代が描かれている。

原作を読んでいないので、学生時代の原作があるのか否か知らないが、 監督と共に脚本も担当した佐藤嗣麻子のオリジナルストーリーと思われる。

原作シリーズ開始時からのファンだという彼女が原作に登場する前の安倍晴明の姿を上手く創造している。

安倍晴明生誕1100年記念作品。

 

 

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<外国映画>

<ザッツ・コメディアンズ・ワンス・モア>という特集名の前に <小林信彦セレクション>が置かれている。この特集は彼の「決定版 世界の喜劇人」の刊行記念だ。

特集では短編5本、中編1本、長編19本が上映された。

喜劇俳優で言えば、バスター・キートンが7本(4本の短編、1本の中編含む)、マルクス兄弟が7本、 ハロルド・ロイドが2本、ビング・クロスビー/ボブ・ホープコンビが2本+ボブ・ホープ単独が1本、 チャーリー・チャップリンが短編1本、ローレル/ハーディコンビが1本、 アボット/コステロコンビが1本となっている。

他に「進めオリンピック」「毒薬と老嬢」「虹を掴む男」がラインナップされている。

今回見たのは次の6本:御冗談でショ、吾輩はカモである、オペラは踊る(以上はマルクス兄弟)、 モロッコへの道(クロスビー/ホープ)、毒薬と老嬢、虹を掴む男

期待していたマルクス兄弟は余りに癖が強いので思ったほど笑えなかった。特に「吾輩」は。

ダニー・ケイの芸達者ぶりが発揮された「虹を掴む男」は楽しめた。


 

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー

 

48日 イメージフォーラム「フィシスの波紋」上映終了後 河合早苗プロデューサーのトーク

30年以上前に京都の唐紙屋「唐長」の文様に出会い、その美しさを伝えたいと思ったことが この映画を作ることにつながりました。600種類以上の文様が江戸時代から使われてきていることを 皆さんに伝えなければという気持ちで映画を作ました。

 

 

 

 

Ⅳ 今月のつぶやき

  (悪いことも、良いことも)

 

●予告編を見た時から耳に入ってくる音楽に懐かしさを感じた「ピアノレッスン」。

あの名曲はマイケル・ナイマンの作品ということで、ナイマンの音楽を聴くために 先月はピーター・グリーナウェー特集に通ったともいえる。

これほどの映画音楽を最近聞くことはないなあと思う、自分の感性鈍化に目をふさぎつつ。

 

●こういうスイーツを知らないなあと思った「パリブレスト 夢をかけたスイーツ」。

調べるとフランスの伝統的なお菓子と判明。

このスイーツは原題にある訳ではなく、日本サイドで付けたものと思われるが、 内容とそれ程関係がある訳ではなく、これがベストな日本題名だったのかなあと感じた。

 

●どんな映画なんだと思った「美と殺戮のすべて」。これは原題の翻訳だ。

予告編を見ていて、これは写真家ナン・ゴールディンの話かと思ったが、

正確には彼女が訴えようとしていたことを取り上げたドキュメンタリーだった。

しかし、その内容が十分に理解されるには、「1996年以降、40万人を超えるアメリカ人が オピオイドの過剰摂取で死亡した。そのうち約20万人は、病院で処方されるのと同じオピオイドで、 各種オピオイド(医療用鎮痛剤)のなかでも主犯格と見られているパーデューの製品だっだ。

その名はオキシコンチン。」を知っていて、 その製造元がサックラー一族経営のパーデュー・ファーマ社であり、 そのサックラーは世界の美術館に多額の寄付をし、NYCのメトロポリタン美術館には サックラー室があったりしたことを知る必要がある。この映画はそれに対する反対運動を描いたものだ。

 

●唐紙の文様から映画が作られることになった「フィシスの波文」。

いつの間にか、なかなかお目にかかれないものになった唐紙の中に伝統美があったことには驚いた。

もちろん自分の家で使われていた唐紙は、和紙に手摺りで文様が摺られたものではなかったが。

他にも日常の中にあっていつの間にか姿を消したものの中に、隠れた芸術があったのではと思った。

 

●プレスリーの結婚相手がプリシラだとは知っていたが、 その関係がどんな風だったかは今回「プリシラ」を見て初めて知った。ちょっと異常ですね、これは。

ソフィア・コッポラの監督作品としてはつまらないものでした。

 

 

 

 

 

 



今月のトピックス:シネコン上映から見る日本の映画状況

 

Ⅰ シネコン上映から見る日本の映画状況 

 

興行面から日本における現在の映画の情況を見て言えることは、次のようになる。

日本映画が外国映画を圧倒している。その日本映画の中ではアニメーション作品が圧倒的に強い。

この2つの特徴を数値から検証してみよう。

 

  1. 日本映画が外国映画を圧倒

興行通信社が週末(金~日曜日)の興行成績のベスト10を毎週発表している。

今週を含めた最近5週間のベスト10の日本映画/外国映画の本数は次のようになっている。

 

 422日発表  日本映画9本 / 外国映画1

 415日発表  日本映画7本 / 外国映画3

 48日発表   日本映画7本 / 外国映画3

 41日発表   日本映画7本 / 外国映画3

 325日発表  日本映画8本 / 外国映画2

 

外国映画には今年に入ってから興収1位を獲得した作品はない。

この傾向は昨年1年間を通してみられ、全52週のうち外国映画が1位になったのは16回に過ぎない。

さらに16回の内「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(外国映画だが素材は日本)が51位になっている。

 

今週の都内の2つのシネコンで、1日に上映される映画の上映回数をチェックしてみた。

TOHOシネマズ日比谷:25作品を69回上映、内訳は日本映画46回(うちアニメ作品は28回)、 外国映画23

ユナイテッドシネマ豊洲:23作品を66回上映、内訳は日本映画48回(うちアニメ作品は36回)、 外国映画18

日本における外国映画人気の低下が言われて久しいが、こうした数値にも如実に表れている。

人気がないから上映回数も少なく、興収も上げることができないと言える。

 

②日本映画ではアニメーション映画が強い

昨年のはじめから今週迄は69週があり、そのうち50週では日本映画が興収ベスト1になっている。

2023年 日本映画が36回ベスト1、そのうち18回はアニメ作品。

2024年 日本映画が17回全回でベスト1、そのうち12回がアニメ作品

上記に記した2つのシネコンの上映回数で、日本映画の中でアニメが占める回数は次の通り。

 

TOHOシネマズ日比谷:日本映画14作品で46回、うちアニメ作品は6作品で28

作品数では43%、上映回数では61%をアニメ作品が占める

 

ユナイテッドシネマ豊洲:日本映画14作品で48回、うちアニメ作品は8作品で36

作品数では57%、上映回数では75%をアニメ作品が占める

 

以上、日本映画が外国映画に対して強く、さらに日本映画の中ではアニメ作品が強いことが証明された。

 

 

 

 

 

 

Ⅱ 最近の映画におけるLGBTQの現れ方

 

映画は常に時代の話題を取り入れようとするので、LGBTQ関連作品が増えてきているのは不思議ではない。

今やLBGTQ問題を扱っているという作品ではないにもかかわらず、 助演的なところにいる人たちがLGBTQの人々という設定はごく普通になってきた。

作者たちが現代感を作品に加える要素の一つとして使われている可能性も高い。

 

今月は3本のLBGTQ関連作品に出会った。

 

ナチ刑法175:刑法175条は1871年に制定、1872年に施行されたというから、

ナチ時代に作られた訳ではない。

内容は「男性と男性の間で、あるいは人間と動物の間で行われる不自然な性行為は、禁固刑に処される。

公民権が剥奪される場合もある。」というもの。ナチが政権に付いた1920年代から弾圧が厳しくなり、 強制収容所に連行されたのは11.5万人、生還者は4千人と言われている。

 

リトル・エッラ:スウェーデンの絵本作家ピア・リンデンバウムの「リトルズラタンと大好きなおじさん (未訳)」の映画化。主人公エッラが夏休みを大好きなトミーおじさんと過ごそうと計画していたのに、 おじさんのところにはオランダから恋人が…というお話。

この恋人がスティーヴという男性だったというので驚く。童話にLGBTQがと驚く時代ではないのかも。

多分78歳のエッラには同性愛に対する偏見がないとも思える。

 

94歳のゲイ:同性愛がLBGTQとしてまとめられる遥か前、変態性欲とか呼ばれていた。

精神疾患で治療すれば治るとも信じられていた。そうした時代の下、 ゲイであることを自覚した長谷正さん(1929年生)は、そのことを隠して一人で生きてきた。

日雇い労働者の町・大阪西成区のあいりん地区に住み、ケアマネージャーの梅田さんの訪問を受けていた。

ここまで個人の内面に入り込む作品を作るには、 製作者と被写体との間に信頼関係が築かれていなければならないはず。

毎日放送の吉川元基監督が2年以上の歳月をかけ、「93歳のゲイ~厳しい時代を生き抜いて」として 放映された作品に、新たなシーンを加え再編集してこの映画を完成させた。

 

 

 

 

 

今月はここまで。

次号は、GWは遥か昔と思われるだろう525日にお送りします。



                         - 神谷二三夫 -


感想はこちらへ 

back                           

               

copyright