2024年10月号 映画館の作法back

 

昨日から突然快適な秋になりました。
最高気温も25℃前後。
それまでの30℃越えが噓のよう。
入った時から突然心うきうきとなるのは、
そう、それは映画館!

 

 

 

 

 

今月の映画

 

8/26~9/25の9月になっても30℃越えが続いた31日間に出会った作品は46本、邦/洋画は14/32とほぼ1/2の割合でした。
外国映画の新作の中に、以下の製作年度が古いものが含まれていますが、日本での公開が初めてのものは新作に入れているためです。「チルドレン・オブ・ザ・コーン(1984年)」「自由の暴力(1977年)」「フラメンコの魔性と秘密(1952年)」「エリック・クラプトン ライブ・イン・サンディエゴ 伝説の一夜(2016年)」

 

 



<日本映画>

   14本(新14本+旧0本)

【新作】

ラストマイル 
箱男 
Chime 
愛に乱暴 
侍タイムスリッパー 
オキナワから愛を込めて 
ぼくのお日さま 
夏目アラタの結婚 
ナミビアの砂漠 
石がある
シサム 
スオミの話をしよう 
きみの色 
あの人が消えた 

 

<外国映画>

   32本(新24本+旧8本)

【新作】

エターナル・メモリー
  (La Memoria Infinita / The Eternal Memory) 
至福のレストラン 三つ星トロワグロ
  (Menu-Plaisirs Les Troisgros) 
ボストン1947
  ( Road to Boston) 
モンキーマン
  (Monkey Man)
ACIDE/アシッド
  (Acide)
コンセント 同意
  (Le Consentement / Consent) 
チルドレン・オブ・ザ・コーン
  (Children of the Corn) 
自由の暴力
  (Faustrecht der Freiheit / Fox and His Friends) 
エイリアン ロムルス
  (Alien: Romulus) 
チャイコフスキーの妻
  (Tchaikovsky’s Wife)
エルダリー
  (Viejos / Elderly) 
映画検閲
  (Sensor)
ヒットマン
  (Hit Man) 
アビゲイル
  (Abigail) 
ソング・オブ・アース
  (Fedrelandet / Songs of Earth) 
本日公休
  (本日公休 / Day Off) 
パリの小さなオーケストラ
  (Divertiments) 
画家ボナール ピエールとマルト
  (Bonnard, Pierre et Marthe

  / Bonnard: Pierre & Marthe)

 

<Music Film Featival 2024> 
フラメンコの魔性と秘密
  (Duende y Misterio del Flamenco) 
エリック・クラプトン ライブ・イン・サンディエゴ 伝説の一夜
  (Eric Clapton – Live in San Diego) 
コンサート・フォー・ジョージ
  (Concert for George) 
リトル・リチャード: アイ・アム・エヴリシング
  (Little Richard) I am Everything)
ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王
  (Garland Jeffreys: The King of In Between) 
七転八起の歌手 バーバラ・デイン
  (The 9 Lives of Barbara Dane)

 

【旧作】
<プレコード・ハリウッド>
彼女の名誉
  (Honor Among Lovers) 
フィメール
  (Female) 
従業員通用口
  (Employees’ Entrance)
金髪乱れて
  (Me and My Gal) 
仮面の米国
  (I Am a Fugitive from a Chain Gang) 
飢ゆるアメリカ
  (Heroes foe Sale) 
ミス・ダイナマイト
  (Call Her Savage) 
恋の凱歌
  (The Song of Songs)

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)


今月はベストスリーを決めるのが難しかった。選んだ5本の順番を決めるのに苦労した。“ベストスリー”を辞めて、“今月の5本”にしようかとも思った。とりあえず従来通りにしたが、横並びと思っていただいてもいい。


①-1 ぼくのお日さま
野球をやっても、アイスホッケーをやってももう一つ周りに入り込めない男の子と、アイスリンクで一人フィギュアの滑りをする少女、彼女を指導しながらスケートリンク全体を見ているコーチの3人の物語。この若々しく、明るく前に進む映画を作ったのは監督・撮影・脚本・編集を担当した奥山大史、28歳。商業映画デビュー作。

 

①⁻2 本日公休
台中にある昔ながらの床屋さんは、常連さんが病の床に伏していることを知り、少し離れた町まで出張床屋をするために出かけていく。台湾の女性監督フー・ティエンユーが自分の母親をモデルに脚本を書き、実家の理髪店で撮影を敢行し、3年をかけて完成させたという。「ヤンヤン夏の思い出」「悲情城市」「恋々風塵」などをプロデュースしてきたウー・ニェンチェンが製作したと知り、納得の佳作。

 

②⁻1 侍タイムスリッパー
この映画、今やシネコン等でも公開され多くの観客を集めているが、封切りの8/17には関東地区では池袋のシネマ・ロサ1館での上映だった。それが終了し、引き続き8/30から川崎のチネチッタ1館での上映になった。映画評論家町山智浩さんが面白いと言っているのを聞いて、あわててチネチッタに出かけた。2週間後の9/13からはTOHOシネマズをはじめシネコンを含む多くの映画館で見られるようになった。これは、ひとえにシネマ・ロサでの評判から巻き起こったことで、作品と観客の力によるものと言えるだろう。有名スターが出ている訳ではないが、面白く、楽しめる作品。監督・脚本・撮影・照明・編集・他を担当したのは安田淳一。映画の公式サイトには、2023年、父の折去により実家のコメ作り農家を継ぐとあり、“「映画がヒットしなければ米作りが続けられない」と涙目で崖っぷちの心境を語る。”とある。

 

②-2 画家ボナール ピエールとマルト:ギヨーム・ブラック監督の2短編「遭難者」「女っ気なし」と「やさしい人」の3本で、涙目のダメ男を演じていたヴァンサン・マケーニュの新作と言うことで見に行った。映画はボナールの絵のごとく、情熱、狂気、愛情が入り乱れ、色彩豊か。ピエールとマルトの関係とか、モネが出てきたりと19世紀末から20世紀前半のフランス美術状況が楽しめる。監督したのはマルタン・プロヴォ。

 

③ シサム
江戸時代前期、蝦夷地(北海道)を領有していた松前藩とアイヌとの交易がおこなわれていた。兄と一緒に船を率いて出かけた主人公は、兄が部下の裏切りにあい殺された後、その犯人を追って蝦夷地に入り込む。その過程でアイヌに助けられたり、蝦夷地を狙う他の藩の動きもあり…と江戸時代の北海道を巡る動きが描かれる。アイヌ語の台詞も多く取り入れられ、臨場感に満ちた映画が造られた。監督:中尾浩之、脚本:尾崎将也。

 

 

 

 

映画館で楽しめる映画が他にも沢山。(上映終了済作品もあります。)

 

ラストマイル:外国の通販会社大手ということで、アマゾンをモデルとして作られたであろう物語を見ていて驚いたのは、配送センターに転勤としてやってきた若い女性がセンター長であることだった。物語上若い人にしたのか、あるいはモデルがそうだったのかは知らないが。映画の作り方を含め、平等と言うか、新しいところではある。

 

Chime:黒沢清監督による45分の中編。料理教室で講師をしている男性の周りで起こる異変。それが徐々に積み重なって…。黒沢監督らしいちょっとした異世界がどんどん成長するパターン。短いが故にスッキリ感あり。

 

至福のレストラン 三つ星トロワグロ:先月お伝えした4時間2800円のドキュメンタリーは、まるで高級レストランに行くような緊張感。フレドリック・ワイズマンはドキュメンタリーの巨匠らしく、ゆったり落ち着いた作り。料理の下ごしらえから、テーブルサービスまでレストランの各段階をじっくり見せてくれます。

 

ボストン1947:“前畑頑張れ”で金メダルの1936年のベルリンオリンピックでは、日本はマラソンでも金(孫 基禎)と銅(南 昇竜)を獲得している。ふたりは共に韓国の人で名前はソン・ギジョンとナム・スンニョン。日本名での表彰台に悔しい思いがあった。戦後の1947年のボストンマラソンに韓国から選手を送ることで、その後の国際大会に選手を送れるようにしようと、後輩の育成に力を入れた。そして若手のソ・ユンボクが優勝する。この実話の映画化。

 

愛に乱暴:吉田修一の小説を、森ガキ侑大が脚本・監督で映画化。働いていた頃は優秀なOLだったかもの主人公、結婚して8年だかの主婦を江口のりこが演じている。同敷地内の本宅に住む義母、母よりの夫との生活で、徐々に追い込まれていく主人公の孤独を熱演。ついには夫から別れ話が…。

 

コンセント 同意:小児性愛者の作家が、その経験を題材とした小説が文学として称賛され、フランスの権威ある文学賞まで受賞していた。14歳でその被害者となった女性が30年後にその事実を告発した「同意」という本を2020年1月に出版した。それに基づいて作られた映画。驚きの内容だ。「同意」は日本でも翻訳、出版されている。

 

オキナワから愛を込めて:沖縄の写真家石川真生を追ったドキュメンタリー。彼女の生き方と、沖縄の歴史を関連して描いていく。黒人米兵と一緒にいる女性たちを被写体に、その時々の沖縄をカメラに収める。本当のことを写したいという彼女の姿勢が感じられる。

 

自由の暴力:ドイツの映画監督だったライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが、ゲイの主人公を演じながら監督した作品。宝くじが当たって突如金持ちになったとはいえ、どうにも卑屈な人物を演じているのには驚く。パートナーとは階級が違い、下に見られるという差別があからさまなのだが、それでも支払いは主人公がするのだ。

 

夏目アラタの結婚:乃木坂太郎の原作漫画を、監督:堤幸彦、脚本:徳永友一で映画化。漫画らしいキャラクターの立ち上がり、筋の運びで楽しませる。

 

ヒットマン:大学で教えながら、殺し屋(ヒットマン)に扮して、殺しを依頼してくる人たちの逮捕に導く…。これが実話に基づく映画という事実に驚く。映画の最後にはモデルとなった実在の人物の写真等が出てくる。1990年頃から始め70人以上の逮捕に結びつけたということで、現代でも殺し屋がという事実、アメリカは本当に怖い。監督はリチャード・リンクレーター、主演は最近作品が続くグレン・パウエル。

 

アビゲイル:親からの身代金目当てに誘拐されたバレエをする少女は、実はヴァンパイアだったという変形吸血鬼もの。久しぶりの吸血鬼ものだったというだけでなく、話も結構面白い。怖さもそこそこで楽しめました。

 

ソング・オブ・アース:ノルウェーのドキュメンタリー作家マルグレート・オリンが、両親が暮らすノルウェー西部の山岳地帯「オルデダーレン」の風景を写すドキュメンタリー。雄大なフィヨルド、美しい自然の風景を歩いて尋ねる。美しい画面で圧倒する。

 

パリの小さなオーケストラ:移民の子である少女がパリの名門音楽院に編入し、指揮者を目指し、更に人種、格差を超越したメンバーでオーケストラを結成したという実話の映画化。女性はアルジェリア系のザイア・ジウアニ、結成したのはディヴェルティスメント・オーケストラ。2023年にフランスで公開されたこの映画で注目を集め、彼女は今年のパリオリンピックの聖火ランナーを務め、閉会式では初の女性指揮者としてディヴェルティスメント・オーケストラでフランス国家ラ・マルセユーズを演奏したという。

 

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<外国映画>
渋谷シネマヴェーラの特集<プレコード・ハリウッド
プレコードとは:ハリウッドには1934~1968の間、映画業界が導入した自主規制のためのヘイズコードが存在した。映画が誕生して40年近く経ち、~34年には映像描写がかなり激しくなり、不道徳なものもあり、特に年少者向けには規制が必要だとの声が宗教者から上がり始めていた。映画業界は政府からの規制・介入を避けるため、宗教者と協議し、自ら規制条項を作ることにした。これがヘイズコードである。
あくまで自主規制のための基準とされていたが、60年代以降は性を題材にした作品も増え、その施行は難しくなった。アメリカ映画協会は1968年、観客の年齢に合わせてG、M、R、Xのレイティングシステムを導入、ヘイズコードは廃止された。


その後こうした年齢に合わせてのレイティングシステムは殆どの国で導入され、各国の状況に合わせてレイティングが決められている。
このヘイズコードが導入される前という意味で、プレコードという言葉が使われている。自主規制される前の、不道徳なものとか、暴力的なものが許されていた時代の作品特集と言うことになる。


今回公開されたのは23作品、その内8本を見た。いずれも60~90分という短い映画で、見やすい作品が多かった。


今回のプレコード特集で、ヘイズコードのことを調べたが、このコードが運用されていた1934~1968という期間には映画の黄金期と言われる1950年代が含まれている。今考えて見ると、その頃のハリウッドは夢の工場と呼ばれ幸せな映画が多いという印象だ。悲しみや、過激な行動はヘイズコードのために多分トーンダウンしていたのだろう。いい夢を見させてくれていたのかもしれない。

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー

 

今回は2回とも「Peter Barakan’s Music Film Festival」の作品上映後のピーター・バラカンさんによるトークショーでした。同じ日に続けて2本見ました。
バラカンさん主催のMusic Film Festivalも4年目。3年ぶりに参加して5本を見せてもらった。フラメンコの作品は1952年製作で随分古いものだが、全21本の映画も様々な年代の作品。さらに、音楽でくくられる様々な作品が上映された。知らなかった音楽の世界に接することができた。ガーランド・ジェフリーズやバーバラ・デインと言う歌手も初めて知った。


9月16日 角川シネマ有楽町「コンサート・フォー・ジョージ」上映後
ジョージ・ハリソンは2001年11月29日に58歳で亡くなった。その1年後2002年11月29日に「コンサート・フォー・ジョージ」がロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた。親友だったエリック・クラプトンが主催者として、多くのミュージシャンに呼びかけ開催された。ジョージ作曲の多くの曲が歌われ、演奏されることになった。
実際のコンサートはラヴィ・シャンカール中心のインド音楽から始まり、全体で2時間30分だったが、映画は順番が少し変更され、時間も1時間42分となっているという。
コンサートでタンバリンを演奏していたレイ・クーパーが映画好きで、映画を作ったりしていることを知ったジョージは映画会社「ハンドメイド・フィルムス」を作った。この会社で一番有名な作品がモンティ・パイソンのシリーズだった。最初の映画「ライフ・オブ・ブライアン」はイエス・キリストのパロディで、大手の映画会社が手を引いてしまったので、それを助ける形でハンドメイド・フィルムスが製作することになった。それで、このコンサートにもモンティ・パイソン一派が出演することに。
映画の撮影監督はクリス・メンゲスで、「キリング・フィールド」や「ミッション」で米アカデミー撮影賞を受賞している名匠だ。

 

9月16日 角川シネマ有楽町「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」上映後
リトル・リチャードの名前は色々な場所で目にしてきた。ロックンロールを始めた人という認識のみがあったのだが、この映画で大きく変わることに。
映画は2023年の製作で、クウィアという観点からリトル・リチャードをとらえながら、ロックンロールの世界も見せてくれる。ジョージア州メイコンで生まれた彼は、クウィアという存在が珍しくなかったこの地方都市で、自分がゲイであることを認識し、早い時期からそれを公表してきた。


保守的なメイコンで1932年に生まれた彼は、子供の頃2つの教会に通っていた。父のバプティスト教会と、母のアメリカ教会で、母の教会では歌や踊りが取り入れられていた。バラカンさんはビートルズ経由でリトル・リチャードを知ったという。60年代、レコードは基本的に直ぐ廃盤になっていた。リチャードはスペシャリティレコードと契約していたが、幸いにもそのイギリスでの権利を持っていたのがATVで、多くのレコードが売られていた。そのため60年代にイギリスではロックンロールが人気を得ていた。映画にも出てくるミック・ジャガーやポール・マッカートニーがロックンロールに魅入られたのは、こうした状況があったからだ。

 

 

 

 

Ⅳ 今月のつぶやき(良いことも、悪いことも)

 

●この映画の公式サイトには「途方もない無意味さに、なぜか心震えて」とある「石がある」。こんなにつまらない映画は超久しぶり。何故これで心が震えるのか?多分一生分からないだろう。

 

●現代のアメリカにも殺し屋という職業があるのだろうかと驚いた「ヒットマン」。殺しの依頼人がかなりいるというのにびっくり。

 

 

 

 



今月のトピックス:映画館の作法

 

Ⅰ 映画館の作法  

 

最近、映画館はかなり観客が増えているという感じがする。今月は、1度ではあるが満席の映画館を体験した。今月のトークショーで書いた9月16日(月・祝)12:50~の「コンサート・フォー・ジョージ」だ。ピーター・バラカンのトークショー付も一つの要因だろう。劇場は角川シネマ有楽町で、237席あり、決して小さい劇場ではない。久しぶりに、席が取れず帰っていく観客を見た。
勿論すべての映画館でこうした状況という訳ではないが、観客が増えているのは間違いないと思う。高齢者が久しぶりに映画館に来ているという気がする。

シネスイッチ銀座で「至福のレストラン 三つ星トロワグロ」を見た。館内は縦に2つの通路、横に1つの通路があり、6つのセクションに分かれていた。坐ったのはスクリーンに向かって前方右側のセクションの一番後ろの列の、左が通路になる左端の席だった。


途中から後ろの右側から話声が聞こえてくるようになった。後ろの通路の後ろからである。二人の高齢女性が座っているのは上映前に気が付いていた。何を話しているかは聞き取れないが、雑音としては充分だ。静かになる時と、雑音が流れてくる時が何度も繰り返された。総じてみれば静かな時間の方が勿論長いが、雑音は気になった。


途中休憩があったのでよく見たら、話している二人がいるのは通路に面した列の右端。同じ列の一つ空けた左端(私の席の後ろ)には別の若い女性が一人で座っていた。この女性がどう感じていたかがよく分からず、クレームはしなかった。


後半が始まると左の通路を挟んで向こうのセクションの同じ列で、端の席を空けた2つ目の席の人の時計がピカッと光った。それをしばらく見ていて消してくれた。しかし、かなり後に同じようにピカッがあった。

高齢の人たちが映画館に帰ってきた。以前はよく映画館に来ていただろう人たち。だから、こちらも作法に則ってくれるはずと思ってしまうのだが、裏切られることも。


映画観での作法で守ってほしいことを挙げてみた。

 

①上映中は話さない。

②携帯電話等の光る画面を開かない。

③前に乗り出して見ない。背中は椅子の背に。後ろの人に迷惑だから。

④音の出るものを食べない。

 

 

 

 

 

 

Ⅱ 黒沢清監督の新作「Chime」は特別料金1500円 45分


9月27日に封切られる「Cloud クラウド」を含めると、黒沢清の映画が今年は3本も公開されることになる。「蛇の道」と「Cloud クラウド」の間に公開された「Chime」は45分の中編だった。その長さのためだろうが、料金は特別料金1500円均一だった。
このところ、中編、短編など、普通の映画より短い作品や、「至福のレストラン 三つ星トロワグロ」のように長い映画などが公開されている。そうした場合特別料金、均一料金になることが多い。
シニア料金が考慮されていないのが残念だが、まあ、仕方がないか。

 

 

 

 

 

 

Ⅲ シネコンにおけるアニメ映画


翌日に見る映画を決めるため、各映画館の上映作品を見ていた時、新宿バルト9の作品にはアニメ作品が多いのに気が付いた。音楽作品も目に付くので、その本数もチェックした。
さらに、同じシネコンでも別のユナイテッドシネマ豊洲の作品数も参考に調べてみた。


新宿バルト9: 9/2(月)に上映の全作品数は25本。
アニメ作品 15本(日本のアニメ13、外国のアニメ2)  音楽作品 4本
ユナイテッドシネマ豊洲: 全作品数は28本。
アニメ作品 11本(日本のアニメ8、外国のアニメ3)  音楽作品 5本


この数字から、普通の物語の実写映画の比率は、新宿バルトで24%、ユナイテッドシネマ豊洲で約43%となる。多分他のシネコンでも似たような数字になると思われる。アニメにも大人向きの作品はあるが、その数はごく少ない。
見に来る人が多い種類の作品が増えるのは仕方がないし、アニメは日本の宝(!)だから我慢しろという声が飛んできそうだが、その多くは大人向きとは言えず・・・、これで日本映画は大丈夫かという気にもなる。


アニメの多くは漫画→テレビのアニメ番組→アニメ映画という形で作られる。純粋のオリジナルでアニメ映画が造られるのは少ない。アニメ映画が増えたと言っても、製作サイドの映画力が上がるかは疑問だ。実写映画の比率が少ないという今の状態で、映画人を育てるのは難しいのではないか?考え過ぎだろうか?

 

 

 

 

今月はここまで。
次号は、30℃越えなんて決してないだろう(と思う)10月25日にお送りします。



                         - 神谷二三夫 -


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