最高温度20度以上の日が続き、
春が本格化のこの頃、
寒さがなくなり安心。
心ゆっくり楽しめるのは、
いつでも映画館!
2/26~3/25の三寒四温を経由して春になった28日間に出会った作品は51本、邦/洋画は9/42と今月も洋画が圧倒した。
先月と同じく旧作が外国映画に多かったのだが、
新作だけの比較でも9/29と外国映画が圧勝と言っていいだろう。
外国映画の旧作に分類されている<ブリティッシュ・ノワール映画祭>の作品には4本の日本初公開作品が含まれるが、製作年度が古く旧作に入れている。
9本(新9本+旧0本)
【新作】
ゆきてかへらぬ
366日
雨ニモマケズ
僕らは人生で一回だけ魔法が使える
35年目のラブレター
逃走
少年と犬
STEP OUTにーにーのニライカナイ
BAUS 映画から船出した映画館
42本(新29本+旧13本)
【新作】
あの歌を憶えている
(Memory)
ANORA アノーラ
(Anora)
名もなき者
(A Complete Unkown)
TATAMI
(Tatami)
シンパシー・フォー・デビル
(Sympathy for The Devil)
デュオ 1/2のピアニスト
(Prodigieuses / Prodigieuses)
プロジェクト・サイレンス
(Project Silence)
ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ジャズが生まれる瞬間
(Music for Black Pigeons)
ウィキッド ふたりの魔女
(Wicked)
Playground 校庭
(Un Monde)
プレゼンス 存在
(Presence)
フライト・リスク
(Flight Risk)
コメント部隊
( Troll Factory)
ケナは韓国が嫌いで
(Because I Hate Korea)
バッドランズ
(Badlands)
石門
(石門)
ジュテーム ジュテーム
(Je t’aime,je t’aime)
Flow
(Flow)
スイート・イースト 不思議の国のリリアン
(The Sweet East)
Four Daughters フォー・ドーターズ
(Les Filles a’Olfa / Four Daughters)
ロング・レッグス
(Longlegs)
教皇選挙
(Conclave)
ドマーニ!愛のことづて
(C'e ancora domani)
ジェリーの災難
(Starring Jerry as Himself)
ミゼリコルディア
(Misericordia)
白雪姫
(Snow White)
【試写】
ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今
(Bridget Jones: Mad About Boy)(4月11日公開)
BETTER MAN/ベター・マン
(Better Man)(3月28日公開)
パディントン 消えた黄金郷の秘密
(Paddington in Peru)(5月9日公開)
【旧作】
<ブリティッシュ・ノワール映画祭>
日曜日はいつも雨
(It Always Rains on Sunday)
その信管を抜け
(The Small Back Room)
ビック・ボウの殺人
(The Verdict)
街の野獣
(Night and the City)
夢の中の恐怖
(Dead of Night)
ブライドン・ロック
(Brighton Rock)
凶弾
(The Blue Lamp)
二つの世界の男
(The Man Between)
<映画は戦場だ!サミュエル・フラーの映画魂>
地獄への挑戦
(I Shot Jesse James)
報道前線
(Confirm or Deny)
パーク・ロウ
(Park Row)
折れた銃剣
(Fixed Bayonets)
地獄と高潮
(Hell and High Water)
(新作だけを対象にしています)
① 教皇選挙
コンクラーベを知ったのはいつだったろうか?何代前の教皇を選ぶ時だったか、記憶が定かではない。その模様が映画になった。作ったのはアメリカ・イギリスの合作。監督はドイツのエドワード・ベルガー。キリスト教世界の最高位を巡る様々な戦いが描かれ、驚きのラストに向かう。
② Flow
今年のアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得した作品。ラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督が、5年の歳月をかけて完成させた。前作「Away」同様に、清潔感ある絵で見せてくれる。主人公の猫をはじめ登場するのは動物のみ、当然ながら会話は一切ない。
③-1 ゆきてかへらぬ
「ツィゴイネルワイゼン」「セーラー服と機関銃」等の脚本家・田中陽造は日活ロマンポルノの立役者でもある。その後期、今から40年以上前に書いた脚本を、ロマンポルノで監督デビューした根岸吉太郎監督が監督した作品。16年前、田中の脚本で作った「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」以来の新作。今回の作品と雰囲気が似ている。女優長谷川康子と詩人中原中也と文芸評論家小林秀雄のちょっと驚く三角関係を描いている。長谷川康子を演じるのは広瀬すず、結構頑張っている。中原中也を木戸大聖、小林秀雄を岡田将生という3人の配役も作品に合っていた。
③-2 Playground 校庭
ベルギーの新鋭監督ローラ・ワンデルのデビュー作は子供たちの厳しく、怖い世界を繊細に描く。子供たちの敏感さが切ない。何の解説もなく、大人からの助けもなく、子どもたちだけの世界が描かれる。ギュッとつまった72分。
他にも楽しめる映画が今月も沢山。(上映終了済作品もあります。)
◎366日:沖縄での高校時代、2歳違いのふたりが恋に落ち、高校を卒業した彼女も東京に出てきて二人の生活が始まり幸せだったのだが、ある時彼女は姿を消す。物語はそこから15年の空白を置きその謎を追ってゆく。脚本は商業映画初めての福田果歩で構成が面白かった。監督は新城毅彦。
◎ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今:1作目は2001年だったので
25年目に4作目となるブリジット・ジョーンズの日記の新作。前作から9年も経つ間に、彼女は夫マーク・ダーシーを亡くし、二人の子供と暮らす3人家族になっている。落ち込みがちの彼女の前に現れるふたりの男性。やはりブリジットは元気が似合う。
◎ANORA アノーラ:カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞、米アカデミー賞では作品、監督、主演女優、脚本、編集と主要5部門を受賞の話題作。まあ、素直に凄いというにはちょっと勇気のいる下品さ。しかし、見るにつれ、監督・脚本・製作・編集をこなしたショーン・ベイカーの意図が見えてきて納得もする。
◎名もなき者:中学校、高校時代はポピュラー音楽ばかり聴いていたが、そこにボブ・ディランは入っていなかった。それでも彼がエレキギターを使いだしたことが話題になったことは憶えている。まるで裏切りのような言われ方だった。今思えば、彼は単に音楽が好きで、そこには境界線はなかったというところ。そしてノーベル文学賞を受賞したことにはもっと驚いた。常に前に進んでいたボブ・ディランをティモシー・シャラメが演じ、歌っている。結構いい映画で懐かしく見た。
◎TATAMI:畳である。柔道に使われる。ジョージアの首都トビリシでの女子世界柔道選手権でのイラン選手とイラン政府の戦いを描くが、これは2019年の日本武道館での世界柔道選手権での事件をベースに映画化とある。イラン政府がイスラエルの選手と闘おうとしている自国の選手に、棄権しろと言ってくるのだ。驚く事ばかり。イスラエル出身のガイ・ナッティヴとこの映画でコーチ役を演じたイランのザーラ・アミールが共同で監督。撮影は秘密裏に行われ、映画に参加したイラン人は全員亡命したとか。
◎プロジェクト・サイレンス:海の中にある空港に渡る橋に悪天候が襲いかかり、視界不良で玉突き事故が起き、更にタンクローリーが横転で有毒ガス、救助に来たヘリコプターが墜落、更に橋自体の崩落の危機とてんこ盛りのところに、人を襲う軍用実験犬が放たれる。やれることすべてやる2024年の韓国映画。
◎BETTER MAN /ベター・マン:ロビー・ウィリアムスというイギリスの歌手をご存知だろうか?アルバムが連続15回No.1というビートルズと同じ記録を達成している。彼はいつも自分は人と違う猿と言っていて、監督のマイケル・グレイシーはロビーを猿として描いた。ロンドンのリージェントストリートを封鎖して500人が踊る迫力のダンスシーンが見どころ。
◎ウィキッド ふたりの魔女:「オズの魔法使い」から派生した舞台ミュージカルの映画化。日本では劇団四季が上演してきた。映画は前/後編の2部に分かれていて、今回は前編となる。悪い魔女はシンシア・エリヴォが演じてアカデミー賞主演女優賞、善い魔女はアリアナ・グランデが演じてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたが、共に獲得はならなかった。共に歌唱力が素晴らしかった。監督は「インザ・ハイツ」等を作ったジョン・M・チュウ。
◎フライト・リスク:メル・ギブソンの9年ぶりの監督作品。アラスカの上空を飛ぶ小型機は、女性保安官補が重要参考人を運ぶために使われている。ベテランパイロットがアラスカ山脈上空10000フィートまで上昇して進むのだが…。マーク・ウォールバーグが主演だが、ちょっと驚く。
◎コメント部隊:書いた特ダネ記事が誤報と分かり、停職処分となった社会部記者。彼の前に謎の情報提供者が現れ、お金さえ払えば真実を嘘に、嘘を真実にする事ができると…。現代の情報戦の恐ろしさを描く韓国映画。同名小説を映画化したのはチャン・ガンミョン監督。
◎パディントン 消えた黄金郷の秘密:マイケル・ボンドの児童文学「クマのパディントン」の映画化3作目。今回は彼の故郷ペルーでの活躍を描く。日本の木下グループが製作に噛んでいて、製作者の一人として木下直也氏の名前がある。監督ドゥーガル・ウィルソンの長編監督デビュー作。
◎逃走:昨年1月に入院中の病院で本名が桐島聡と告白し、4日後に亡くなった男の話はメディアに大きく取り上げられた。1974年に丸の内の三菱重工爆破事件を口火に、連続企業爆破事件で指名手配されていた桐島だったのだ。主演は古舘寛治。異常な速さで映画化したのは、足立正生。かつて若松孝二プロで前衛的ピンク映画の脚本を量産、その後日本赤軍を重信房子と共に創設、1997年レバノンで逮捕され3年間留置、その後日本に強制送還される。2007年日本での創作活動を再開、今作品が復帰後監督4作目となる。
◎ドマーニ!愛のことづて:戦後すぐのイタリア、日本と同じように連合国のアメリカが駐留して敗戦国を守っている。イタリアの国民的コメディエンヌというパオラ・コルテッレージが主演し、脚本にも参加(他の人と共同)、さらに監督も務めている。男社会の中で、暴力もあり、完全に不利な女性の状況というためか、暗めの地味な風貌で演じている。
◎ジェリーの災難:原題Starring Jerry as Himselfの通り、自身を演じるジェリー・シューが主演で、自分が経験したことを一家総出演で映画化したもの。アメリカに来て40年、ある時中国警察から電話で、国際的マネーロンダリング事件の容疑者になっていると告げられ…。ラストでは故郷台湾に帰っていく、かなり奇妙な映画。
◎ミゼリコルディア:1964年生まれのフランス人監督アラン・ギロディは今までに7本の長編作品があるようだが、日本では公開されてこなかった。今回この作品を含め3本の映画が公開されている。サスペンスにユーモアを織り交ぜた官能的で独創的という彼の特徴がこの作品でも見られる。
<外国映画>
k’sシネマの<ブリティッシュ・ノワール映画祭>は1940~53年の間に作られたイギリスのノワール映画13本が上映された。内6本が今まで日本では公開されていなかった。今回見たのは次の8本。
日曜日はいつも雨、その信管を抜け、ビック・ボウの殺人、街の野獣、夢の中の恐怖、ブライドン・ロック、凶弾、二つの世界の男
いずれも面白かったが、印象に残ったのは次の2本。
街の野獣:アメリカで「裸の街」を撮ったジュールス・ダッシンが、赤狩りでヨーロッパに逃れ、イギリスで撮った作品。リチャード・ウィドマークがチンピラの薄っぺらさを好演。その後ダッシンはフランスで「男の争い」、ギリシャで「日曜はダメよ」を撮る。
二つの世界の男:1947~9年にかけ「邪魔者は殺せ」「落ちた偶像」「第三の男」を撮ったキャロル・リードの1953年の作品。まだ壁が作られていない東・西ベルリンの間を行き来する人々の物語。戦禍の残るベルリンの街の情景が痛々しい。
渋谷シネマヴェーラの特集<映画は戦場だ!サミュエル・フラーの映画魂>サミュエル・フラー(1912~1997)は17歳から新聞社の犯罪レポーター、パルプ小説のゴーストライター、脚本家などを経験後、第二次大戦に従軍し勲章を得た。1949年に映画監督デビュー、ジャーナリスト、軍人等の経験から作品を生み出した。この特集では15本が上映された。
見たのは次の5本。
地獄への挑戦、報道前線、パーク・ロウ、折れた銃剣、地獄と高潮
中ではジャーナリズムの誕生を描く「パーク・ロウ」が印象に残る。今まではアクション監督的な印象があったが、その裏にジャーナリストとしての魂があったのか!
3月4日 ユーロスペース 「雨ニモマケズ」 上映後 TiAさん(ゴスペルシンガー)と飯塚冬酒監督の対談
映画は1年前に亡くなったゴスペル音楽家を偲び、関係者やゴスペル合唱団によるメモリアルコンサートが行われるというお話し。開幕前に集まった人々を、メンバーの一人で今回は運営に携わっている若い女性を中心に描かれる。
この映画がゴスペルについての映画だということも知らずに見に行った者にとって、面白くもあったが、今まで知っていたゴスペルとちょっと違うのではという印象があった。
上映後、このお二人の対談で、何故そう感じたかが分かった。日本で歌われているゴスペルを今までほとんど聞いたことがなかったのだ。ゴスペルと言えば黒人が歌う宗教音楽という印象があり、心が裂かれるほどに感情込めて歌われるものと思っていたが、この映画で歌われるゴスペルはそこまでの切迫感はなかった。合唱として、きれいにそろった歌い方という印象だったのだ。宗教的感情がほぼない、それ故に切迫感はないということだったのだ。
さらに、日本でゴスペルが広まったのは、1992年に製作されたウーピー・ゴールドバーク主演の「天使にラブ・ソングを」が1993年に日本で公開されたからということも初めて知った。
3月23日 テアトル新宿 「BAUS 映画から船出した映画館」上映後 出演したとよた真帆、斉藤陽一郎、製作者の一人仙頭武則の3人の談話
本来は製作者の一人で、映画評論家でもある樋口康人氏も出演予定だったが、体調不良のため欠席。
話しはこの映画の脚本を書いた青山真治に集中した。2022年3月21日に57歳で亡くなった青山真治は映画監督でもあり、「レイクサイド マーダーケース」「サッドヴァケイション」等の監督作品を残している。出席したとよた真帆は青山監督の妻でもある。彼が倒れることがなければ監督をしていたはずで、この映画自体も違うものになっていたかもしれない。なんだか、今一つ乗り切れない映画だなあと思ったが、仕方がない事だったかも。監督の甫木元空は青山の弟子だったようだが、当然ながら青山とは違う人間。違う感じの作品になった可能性もある。
。
●あの歌とはプロコル・ハルムの「青い影」だとすぐに分かる「あの歌を憶えている」だが、原題は単なる(Memory)である。「青い影」は長く記憶に残る曲で、強いので、この日本題名が付けられたのだろうが、物語に絡むことはない。
●イラン政府が自国の柔道選手に敵対国であるイスラエルの選手との対戦は棄権しろと言ってくるのがよく分からなかった「TATAMI」。映画は実際に起こった東京の世界柔道選手権での事件から作られた。イラン政府としては敵対国のイスラエル選手との対戦を容認しないということらしい。
●あまりにも分かり難いので封切り初日から3日間だけ町山智浩の解説付き上映となった「スイート・イースト 不思議の国のリリアン」。確かにほとんど分からない映画だったが、上映後の町山解説は面白かったものの、解説されている部分、部分がきっちりとは思い出せずという状態だった。今まで聞いたこともないこの方法は、ちょっと無理がある。もしDVD発売があれば、それに付ければじっくり解説を聞いて理解できるだろうが。
●継母は何度も何度も魔法の鏡に“世界で一番美しいのは誰?”と問いかける「白雪姫」。凄い執念だなあと感心するが、回答はいつも“白雪姫”。元々のドイツの民話での題名はSchneewittchenで「雪のように白い子」の意味らしい。その意味では今回の主役を演じたレイチェル・ゼグラーはちょっと違和感があるのでは?しかも、それ程の美形でもないので、鏡が嘘付きという気持ちにもなってしまう。もう少し夢に注意をして映画化して欲しかった。
アカデミー賞の授賞式は現地時間3月2日に行われた。
本命がはっきりしないと言われた今年のアカデミー賞。大作と呼べる作品が少なく、小粒な作品での争いという印象があった。さらに、アカデミー賞の国際化も顕著で、5年前韓国映画「パラサイト」が作品賞、監督賞、脚本賞などを受賞したことで、アメリカのアカデミー賞の国際化の象徴的出来事となった以来の変化だろう。
今年の作品賞候補となった10作品を見ると、メイン製作国としてアメリカが入っていない作品が次のとおり3本あった。
エミリア・ペレス:フランス製作、
アイム・スティル・ヒア:ブラジル・フランス合作、
サブスタンス:イギリス・フランス合作
今年最も多くのノミネーションを獲得したのは「エミリア・ペレス」の13個、「ブルータリスト」と「ウィキッド ふたりの魔女」の各10個が続いている。ノミネート数で言えば「エミリア・ペレス」が大本命となっていた。
結果は「ANORA アノーラ」の圧勝と言っていいだろう。
この作品は6部門でノミネーションを受けていたが、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門で受賞した。効率よく主要賞を獲得したと言える。最多受賞作品となった。
続くのが3部門(主演男優賞、オリジナルスコア賞、撮影賞)受賞の「ブルータリスト」となる。
大本命の「エミリア・ペレス」が助演女優賞と歌曲賞の2部門にとどまったことが、アノーラの大躍進につながったのではないかという印象だ。「エミリア・ペレス」の主演女優でトランスジェンダー女優であるカルラ・ソフィア・ガスコンの過去の発言が人種差別的として騒がれたことが、「エミリア・ペレス」のペースダウンにつながってしまったようだ。
予想の結果は、6部門中2部門で33%の的中率となった。
作品賞 予想作品:ブルータリスト(公開済)
➡ 受賞作品:ANORA アノーラ(公開中)
監督賞 予想作品: ショーン・ベイカー(アノーラ)
➡ 受賞作品:予想的中 ショーン・ベイカー(ANORA アノーラ)
主演男優賞 予想作品:ティモシー・シャラメ(名もなき者)
➡ 受賞作品:エイドリアン・ブロディ(ブルータリスト)
主演女優賞 予想作品:カルラ・ソフィア・ガスコン(エミリア・ペレス)
➡ 受賞作品:マイキー・マディソン(ANORA アノーラ)
助演男優賞 予想作品:キーラン・カルキン(リアル・ペイン 心の旅)
➡ 受賞作品:予想的中 キーラン・カルキン(リアル・ペイン 心の旅)
助演女優賞 予想作品:イザベラ・ロッセリーニ(教皇選挙)
➡ 受賞作品:ゾーイ・サルダナ(エミリア・ペレス)
このパターンの日本題名は最近よく見られるようになっていたが、今月は特に多いように感じた。
<日本映画>
「STEP OUT にーにーのニライカナイ」
「BAUS 映画から船出した映画館」
この2本だが、これらはローマ字文と日本文字文が別の事を言っていてまだ意味がある。
<外国映画>
「ANORA アノーラ」
「Playground 校庭」
「Four Daughters フォー・ドーターズ」
「BETTER MAN/ベター・マン」
これら4本だが、ローマ字文をカタカナで言い換えたものが3本、日本語で言い換えたものが1本。ローマ字+カタカナは、外国映画の印象を与えた上でカタカナを付け加えたということだろうか?「TATAMI」や「Flow」のようにローマ字のみの題名もあり、どちらの印象が強いだろうか?
これら以外に、「プレゼンス 存在」という題名もあった。原題のPresenceをカタカナで表示し、その後ろに日本語訳を付けたものだ。「Presence 存在」とするのとどちらが目立つだろうか?
映画を見せる側は如何に目立つようにするかと知恵を絞っているだろう。ポスターのデザインとの兼ね合いもあるだろう。
色々な考え方があっていいが、人の記憶に残り、見てみたいと思わせるような題名を付けてほしい。
次号は、ゴールデンウィーク直前の4月25日にお送りします。