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Cogito-Kobo  おもしろ旅選び   旅行会社への就職ガイド
                                                       
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2  旅行会社への志望動機


あなたはどんな志望動機で旅行会社を選ぼうとしているのでしょうか?ここではいくつかのタイプに分類して考えてみましょう。

 

 @旅行好きタイプ


好きな旅行が仕事になるのであれば、という志望動機が多いというのは今も昔も変わりません。旅行が好き、というのはなによりも大事なことではあります。しかしここで間違えてはいけないということは、”好き”ということは特技でもなんでありません。旅行が好きですか?と問えば、世の中の半数以上の人は”好き”と答えるでしょう。”嫌い”という人は1割もいないのではないでしょうか。なにしろ旅行はやはり遊びの続きのようなもの、という感じがしないではありませんから。旅行は娯楽の一部です。旅行が好きは、音楽が好き、映画もミュージカルも好き、とほとんど同じ響きかもしれません。

でも”音楽は好きです”という人が音楽を職業に出来ることはほとんどないでしょうし、、映画は好きです、という人も映画で食べていけるひとはやはりほとんどいません。好きであることは大切ですが、あまり前面に出ないほうがいいでしょう。商社を受ける人が貿易が好きだから、ということがないのと同じでしょうね。

   
  

 A語学好きタイプ


次に多いのが語学が活かせるから、という動機が多いです。あまり特殊な言語は別ですが、英語、フランス語、ドイツ語、中国語などは確かに利用する機会は少ないないと思います。でもでも、実は思っているほど使う場面はあまりありません。必ずしも語学を求人で重要視している会社は少ないと思います。その理由は外国語を使う職は旅行会社の中でもそれほど多くない、ということと、旅行会社での語学はそれほどレベルの高いものを必要としていないからです。仕事で必要な専門用語(テクニカルターム)というものは限られていますし、IT業界などのように技術書を読み込むということもほとんどありません。旅行地の案内であったり、ホテルの説明であれば基礎的な語学力があれば十分かもしれません。もちろん外国人を相手に売り込みをするような職種(外人旅行とか国際旅行と言われているインバウンド業務)の場合には相手を説得するまでの語学力が必要ですが、現在のところそのような仕事についているひとはごくわずかしかいません。

 語学で高いレベルの力を持っていて、それを活かしきりたいと考えている人は、旅行会社はやめたほうがいいと思います。

 *語学力がなくてもいいというわけではありませんので勘違いはしないように。最低限英検の2級は必要ですよ。英語ができずに辛い思いをした旅行会社社員は多いはずです。

   
   

 B女性として働きやすい職場だからという選択タイプ


女性の中には旅行会社は男女差別が少なく女性が活躍する機会が多いのでは、と思い応募される人もすくなくありません。これはまさにその通りです。女性には非常に適しているということが言えるでしょう。現在社会一般で男女で給与差別をつけれいるというところはほとんどないでしょうが、昇給・昇格ではまだまだ差がでているのも事実です。旅行会社は仕事の内容からして性差というものはないと言ってもいいでしょう。むしろ決めの細やかさから言って、女性の方が向いているかもしれません。ついでに言いますと、学歴もほとんど関係ありません。有名大学の名前は何ら支えにはならないでしょう。

男性は不要かというと、もちろんそんなことはありません。男性も重要な持ち場が沢山あります。でもやはり女性向の職業だと思います。

 
 

 C社会貢献タイプ


また、昨今の観光立国宣言に触発されたのでしょうか、観光こそが平和産業でありこれを伸ばす事に遣り甲斐を感じて応募した、という人も少なくありません。これはとても素晴らしいことです。やはり観光という平和産業が栄えてこそ、今も続く世界にある紛争・争いも消えてゆくのではないでしょうか。世界中の人がもっと頻繁にあたりまえのこととして交流ができるようになれば、それが一番の平和への近道かと思います。私自身もそう考えて旅行業をやってきました。

 
 

 D世話好きタイプ

 
人の世話をするのが好きだから、という方もよくいらっしゃいます。これはとても重要なことです。旅行会社は常に人間を相手にしています。旅館・ホテルは宿泊施設を提供できます。飛行機や鉄道は実際の移動の手段を提供できます。旅行会社はそのどちらも持っていません。できるのは人へのサービスだけです。人の世話をするのが好き、というのは一番いい動機かもしれません。

  
  

 E滑り止め受験タイプ

 
航空会社の滑り止めで受けるのです、とまでは言わなくても、両方合格したら他を選択しますという本音を話してしまう人もいます。これはやめたほうがいいですね。旅行会社が人材不足で困っているという状況であれば別ですが、今は圧倒的に求人者のほうが多い時代です。面接は本音を語る場というよりもお互いが一番いい点をアピールしあう場所と割り切りましょう。

 
  


   

どうも旅行会社への就職動機は銀行、商社、電気、鉄鋼、メーカー・・・といったところとは違うようです。やはり新時代を切り開いてゆく最先端産業という訳にはいきませんので、肩肘をはらないサービス業の原点に立った動機があればいいのでしょう。これが悪いということはありません。すでに勤めている先輩たちも同じようなものだったかもしれません。
でも、これから旅行会社という厳しい状況におかれたサービス産業に飛び込もうと思っている人には、夢を持ってこの産業にチャレンジしていただきたいと思います。旅行業はITによって大きく役割が変わろうとしています。今、まさに端境期を迎えています。
旅行会社にはひとりひとりの能力を十分に発揮できる仕事が待っています。サービス業という人につくす事によって成り立っている産業ですが、同時に個人個人の能力が厳しく問われる仕事ということになります。



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