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 旅行”業務”

それでは、”旅行業務”とはなんのことをいうのでしょうか?これも法律が規定をしています。具体的に「旅行業法」を見てみましょう。(200541日改正案より)


旅行業法 第一章 総則 第二条(定義)
 


一、

旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為
 

二、
前号に掲げる行為に付随して、運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービス(以下「運送等関連サービス」という。)を旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等関連サービ
スを提供する者との間で締結する行為

 

三、
旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為

 

四、
運送等サービスを提供する者のため
、旅行者に対する運送等サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為

 


他人の経営する
運送機関又は宿泊施設を利用して、旅行者に対して運送等サービスを提供する行為

 


前三号に掲げる行為に付随して、旅行者のため、運送等関連サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為

 


第三号から第五号までに掲げる行為に付随して、運送等関連サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等関連サービスの提供について、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為

 

八、
第一号から第五号までに掲げる行為に付随して、旅行者の案内、旅券の受給のための行政庁等に対する手続きの代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行為

 


旅行に関する相談に応ずる行為


といったところですが、すこし難しいですね。

以前は“旅行業務”を、「代理、媒介、取次ぎ、そして契約行為、相談に応じる行為」のことを言っていました。今では、第一号にでてくるように旅行会社は旅行者のため「計画」をたてることが全面に出てくるようになりました。

この「代理、媒介、取次ぎ」はとても重要なことです。それぞれの意味は、

  代理:他人に代わって事(特に職務)を処理すること。

  媒介:二つのものの間にあって、両者の関係のなかだちをすること。

  取次ぎ:両者の間に立って一方の意向を他方に伝える。

です。

 

では、一を見てみましょう。「計画」が筆頭にでてくるということは、単純にお客様から言われた旅館の予約を取ったり、切符を用意したりするだけでなく、あらかじめツアーという形で旅行を企画し、募集し、販売するということが旅行会社の大きな仕事の要素となったということです。
 

わかりやすい例をあげてみましょう。たとえば、大学でのサークル活動で夏合宿をすることになったとします。サークルのマネージャーはまず合宿先をいろんな人からの希望を聞きながら、日にちとか行き先、費用を決めてゆきます。このためにはマネージャーはいろいろと調べないといけません。
さて、目的地が決まったところでやることが“手配”というものです。マネージャーは電話か手紙を出して合宿先の予約をします。まあ、今の時代ですから手紙を出すということはほとんどないでしょう。現実の旅行会社でも同じですね。

 

マネージャーは便利になってきたインターネットなんかも利用して予約をするのではないでしょうか。 次に、自家用車で移動するのでなければ、列車のキップを駅か旅行会社に買いに行きます。学生の合宿ですからバスをチャーターしてというのは少ないかもしれませんが、スポーツクラブとか、大きな楽器がある音楽サークルでは貸し切りバスを利用するかもしれません。
 

ここまでに旅行の企画、参加者の募集といった行為をしています。それと予約行為です。ここが、代理、媒介、取次ぎということになります。この段階でマネージャーが合宿先(宿泊機関)とかバス会社(運輸機関)から販売したことによる「手数料」を貰えば、それは旅行"業“ということになります。現実にはそのような手数料を貰うことはほとんどないかと思いますが。
 

また、このときにマネージャーがメンバーから宿泊代実費、あるいはキップ代実費以外に手間賃のようなものを貰ったとしたら、あるいは取ったりしたら、それも旅行“業”ということになります。要するに宿泊の予約や列車の手配をして、サークルのメンバーから手数料(企画料)を貰うことです。

ここまではマネージャー個人が収入を得た場合を想定しましたが、あるサークルが他のサークルの面倒をみて、同じように手数料を取ったとしたら、組織としてやった旅行業務ということになります。おそらくこのような場合には他のサークルの人からいろいろと要望を聞く(相談を受ける)ということもしているでしょうから、それを含めて旅行業務になり、認可を得て営業をしている旅行業者と同じことをしていることになります。
 

このように旅行会社がやっている行為は実に身近なものなのです。旅行会社はそこに企業としての組織力を発揮して付加価値をつけて、よりよいサービスを提供して収益を得て“事業”とします。

サークルのマネージャーは年に数回ぐらいしかこのようなことはしないかと思います。もしもこれを頻繁に反復継続するようになると「業」となります。このようになったら法律は「旅行業登録」をするように義務つけています。この登録をせずに旅行業を行うことはできません。ですから皆さんが就職を希望されている旅行業者はこの登録をして業務をしている会社、ということになります。
 

おわかりになりましたか? 旅行業務というのはとても身近なことが基本になっています。誰でもが日常でやっているようなことなのです。それを仕事としプロフェッショナルにやっているのが旅行会社ということになります。(*)
 

これで、旅行会社が何をするところか法律的なことはわかりました。

でも、本当に何をしているのかは、具体的な仕事内容まではやはりまだわかりませんね。これだけでは。具体的なものはこれから先の中でみてゆきましょう。


(*)
ちなみに、旅行業登録は会社組織でなくても個人でもできます。旅行業を営む者という表現で旅行業者といいますが、実際に個人で登録を持っている人もいるのですよ。知ってましたか?  


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