■ 

Cogito-Kobo  おもしろ旅選び   旅行会社への就職ガイド
                                                           応援します,旅行会社への就職

 

7  旅行会社の種類
 
  

 @ 種類ごとの区分


旅行会社の1種とか2種とかは、いったい何が違うのでしょうか?ここをよく理解していないと、会社に入ってから、こんなはずではなかった、ということになってしまいます。                                      

1種、2種、3種それと旅行業者代理業の違いをよく見てみましょう。
   

 
  第1種旅行業: 
   海外旅行・国内旅行の企画旅行造成、海外旅行・国内旅行の手配及び他社の
   企画旅行の代売を行うことができる

  第2種旅行業: 
   国内旅行の企画旅行造成、海外旅行・国内旅行の手配及び他社の企画旅行の
   代売を行うことができる

  第3種旅行業: 
   海外旅行・国内旅行の手配及び他社の企画旅行の代売を行うことができる

  旅行業者代理業:            
   上記旅行業者が委託する範囲の旅行業務を行うことができる

   
1種から3種まで共通していることは、「国内旅行・海外旅行の手配をすることはできる」ということです。違いは企画旅行にあります。
  
 3種では募集型企画旅行はできません。但し2007年3月に法の改正があり一部限定で実施でます。
 2種は国内旅行での募集型企画旅行造成しかできません。
 1種は国内旅行・海外旅行の募集型企画旅行造成ができます。
  
海外旅行の企画旅行造成(パッケージツアーを作ること)をするには1種になるしかありません。

 

  <注>
   ・ここで言う“企画旅行”は20053月までは“主催旅行”と呼ばれます。
    ・また、募集型企画旅行のことを意味しています。(他には“受注型企画旅行”
       
というのもあります)
   ・主催とは“旅行会社が主体となって(責任をもって)ツアーを催すことをいいます。

  

しかし、主催をする会社(旅行を作る会社、といったほうがわかりやすいかもしれません)には12種という制限はありますが、出来上がったものを売るだけであれば3種でもできます。この場合、売る旅行商品の主催会社は他社ということになります。1種でも2種でももちろん販売はできます。
  

今の旅行会社は自社で作った旅行商品の販売だけでなく、他社が作った商品も販売をします。大手ブランドの商品はかなりの旅行会社で購入することができますし、1種を持っている大手の旅行会社も中小規模の1種旅行会社商品を販売しています。

 
  
  

 A 手配旅行と企画旅行

 
ここで手配旅行と企画旅行の区分について説明をしておきます。

手配旅行というものは、個人あるいは団体で旅行をする場合に、お客様に飛行機の予約をしてほしい、とか旅館の予約をしてほしい、という要望にあわせて、手配をすることを言います。お客様が決めたものをお客様の要望にそって手配をしてゆくものとなります。

一方企画旅行というのは、旅行会社に行くと沢山おいてある旅行パンフレットになっているもの、と想像していただければわかりやすいかもしれません。“沖縄236万円!”とでているようなものですね。あらかじめ日程とか旅行代金、出発日などが決まっているものです。

企画旅行はこのように定義されています。
 

 @計画性
  旅行代金や旅行日程表の旅行の計画があらかじめ旅行業者によって定められている

 

 A募集性
  旅行者を広告等で募集をする

 

 この2つがそなわったものが企画旅行です。
 

たとえば、あらかじめスケジュールを決めて北海道に34日で友達と行こうと思って旅行会社に切符を買いに行ったら、パンフレットをだされてそちらの方が安いと勧められた、ということがあるかと思います。これは手配旅行だったものが企画旅行に変わった、ということです。

海外旅行のツアーを企画してみたい、と考えているひとは1種登録をしている旅行会社を選ばないといけないということは何度か繰り返しています。

しかし、“旅行の企画”よりもお客様と直接触れるような仕事、“販売”をしたいと思っているひとは3種であっても、問題はないといえます。また、手配ということであれば3種でも2種でも海外の仕事をすることはできます。

この他に「企画手配旅行」というのもありますが、ここでは省略します。

  
  
  
 

 B 旅行業者代理業

 
旅行業者代理業というのがあります。簡単に説明をしておきましょう。

旅行業を 『報酬を得て、旅行業務を取り扱うことを、事業とする』(旅行業法第2、3条)と定義しましたが、このうち”旅行業務を取り扱うことを”の部分が、”所属旅行会社のために旅行業務を取り扱うことを”となります。要するにどこかの(必ずひとつだけ)旅行会社に所属をして、そこの代理をして、旅行業務を取り扱います。厳密にいいますと1種から3種がやれる”相談”ということができなくなっていますが、細かなことは別としてどこかの旅行会社と契約をして、そこの会社に限った代理行為をするということです。親子関係のようなものです。
 

以前は代理業者というものが多くありましたが、最近はJTBとか農協観光とか、ごく一部の会社だけしか手広くはやらなくなってきました。それぞれの親会社(旅行業代理業者が旅行業者代理業業務委託契約を締結している旅行業者)が独立させて3種の登録をとることを薦めているからです。

中途採用で応募するのであれば別ですが、一般的には新卒を受け入れているような会社はほとんどありません。
 

でも、ここでいう旅行業代理業を”旅行代理店”という言葉と勘違いして使っているひとが業界人でも結構いますので、注意をしてください。

  (*)ちなみに、旅行会社は一般的にいわれる”旅行代理店”という表現を嫌がるところがありますから、面接などで”旅行代理店”とは言わないようにしておいたほうがいいでしょう。

 
 
 
 

 C 売上額からみた比較

     

(単位:10億円)

第1種 旅行業者 第2種、第3種 旅行業者 総取扱額
1998 7,183 1,521 8,787
1999 7,106 1,447 8,553
2000 7,039 1,583 8,557
2001 6,620 1,429 8,049
2002 6,344 1,407 7,751
2003 5,919 1,211 7,130
2004 6,060 1,258 7,318
2005 6,258 1,295 7,553

資料:国土交通省資料を基に(財)日本交通公社にて推計

 
推定値ですが旅行会社の売上額は2002年で75千億円ありました。このうち84%は第1種の旅行業者でしめています。

前の章で旅行会社数で種別ごとの会社数を見ました。第1種は会社数では7.6%でしかありませんでしたが、売上で見ると大半を占めているということになります。売上だけで見ると12千億円弱の市場を10000の旅行会社でしのぎを削っているというのが実態です。



次へ ( 8 旅行会社の区分 )


                        Copyright2004-2010(c) Cogito-Kobo  All rights reserved